終わりなき破壊 ~RE/START~ 1-5
あの時に助けてくれたアークス。もう1度会えると思うと嬉しくなる。
彼女に助けてもらわなかったら、今の自分はいなかっただろう。
そして、会ったらこう言うんだ。
貴女に憧れて、俺もアークスになりました。って。
しかし、現実は厳しい。
「どこだ・・・ここは?」
勢いで走ったはいいが、見失うし道に迷うしで途方に暮れていた。
そのうち誰かに会うだろうと期待し歩き出した。
しかし、現実はさらに厳しかった。
広く開けた場所に出た時、岩や草を身に纏ったかのような巨人が俺を押しつぶすかのように落ちてきた。
間一髪直撃は免れたが、落下の衝撃で軽く吹き飛ばされた。
すぐさま体勢を立て直し、ソードを後ろに構えながら走り、身体の回転を利用し横に切りつけた。
しかし、傷をつけることなくはじき返されるが、フォトンを刀身に集めすぐさま地を蹴り上空へ跳び、回転切りからの切り落としで少し手応えを感じた。
もう1度攻撃を加えようとしたところで、巨人の右拳が高く振り上げられた。
左、右と振り下ろされる拳をかわしたが、2回目の会費で木の根っこに引っかかり、しりもちをついた。
慌てて見上げると、すでに拳を振り下ろし始め直撃を覚悟した。
「届いて!! ギ・フォイエ!!」
声がした瞬間、巨人の頭に爆発が起こり後ろに倒れた。
テクニック系だからアムさんかと思ったが、声が違ううえにどこか懐かしい感じがした。
「大丈夫。後は任せて」
そう言って、回し蹴りからの踵落としの一撃で巨人が完全に消滅した。
その姿を見て確信した。また、あの人に助けられたのだと。
辺りに敵がいないことを確認すると、少女は力を抜くかのように軽く息を吐いた。
「とりあえず、あなたの仲間に連絡したから時期に合流できる」
「すみません。気を利かせまして」
「別に・・・頼まれただけだから」
目つきは鋭いが、低身長なうえに端正な顔立ちで可愛く思える見た目は、最初に助けてもらったあの日と変わらなかった。
「あ、あの。覚えているかな。市街地でダーカーに襲われていたのを助けてくれたこと」
「・・・えぇ」
「俺、あの時の貴女を見て思ったんです」
「・・・なに?」
「貴女みたいに、誰かを護れるアークスになれたらっ」
瞬間、何をされたかはわからなかったが、地面に倒され喉元近くに小柄な武器を突き付けられた。
「自分の身を護れない奴が、誰かを護れるアークスになるだと。ふざけるのも大概にしろ!!」
その言葉にショックを隠せなかった。憧れだった人に言われたのだから尚更だ。
「確かに俺は弱い。さっきの戦闘で死んでいただろうしな。でもな・・・俺は、貴女に憧れてアークスになったんだ!! 貴女のようなアークスになりたくてな!!」
それでも俺は、否定するかのように言い返した。ちっぽけな心を保つために。
「・・・」
しばらく、少女の沈黙が続いたが
「これが最後の助け。これから先、依頼だろうと私情だろうと助けることはない」
そして踵を返し歩き出した。
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(物語の休憩室)
ルーシア「名前が出てない・・・」
カムラ「そりゃ、ほぼ初対面の相手にいきなり名前で呼ぶかよ」
ルーシア「は?あんたに言ってないし」
カムラ「・・・はいはい」
ルーシア「てか、この作品にはサブタイトルないのな」
カムラ「そうだな」
ルーシア「だから、あんたには言ってない!!」
アムドゥウス「・・・あれがツンデレなのね。カムラちゃんは渡せません」
アルムアルクス「・・・サブタイトルどうしよう」