私のトモダチ達 4ー6
辺りの見えない闇の中、私たちは佇んでいた。
いつ「ヤツ」が現れるか分からない……。
辺りに響くのは、地中を掘り進む轟音とどこにいるか分からない強大なダーカーの気配。
「シェルネさん!地面から侵食液が……!」
彼女の声とほぼ同時に辺りが大きく揺れだす。前方にある壁が崩れ落ち、巨大なダーカーが姿を現す。
肉眼では捉えられないほどの巨体に、虫のような触角、左右に大きな球体を携える。
ダークファルス 【若人】は復活を遂げていたーー。
………
「これがシェルネさんの過去のデータ……」
ダークファルス 【若人】に挑み、封印を成し遂げたアークス。しかし、その作戦で多くの仲間を失ってしまう。
ここまでが公開されている情報だ。
「ダークファルスを撃退できる実力者がもう一人いる……」
「お姉ちゃん、どうしたの?」
弟のライは、その目を輝かせながら問いかける。ひとりごとを聞かれてしまったようで、私はちょっとあたふたしてしまう。
「お仕事の話だよ、うん」
「ふーん……ダークファルスって強いの?」
「ええっと」
上手な返し方が分からない。挑めば必ず死人が出るなんて言うわけにはいかないし、かといって嘘を言うのも。
「んーとね、とーっても強いけどアークスならやっつけちゃうの」
「へーアークスって強いんだね!」
「でしょ?」
「ライ、お弁当ありがとうね、家まで職員が送ってくれるから今日はもう帰りなさいね」
「はーい、お姉ちゃんバイバイ」
口を開けて無邪気に手を振るライ。
アークスは元々ゆるい組織なのは分かっているのだが、まさか子供をここまで入れてしまうとは。弟が来てくれたのは嬉しかったが、もやもや感が拭えない。
「もう、ここは機密情報が沢山あるんですって!」
続く……