私のトモダチ達 4ー3
ぼんやりとした視界の中、どこか聞き覚えのある声が聞こえてくる。
このやけに高い声というと……当てはまるのは一人だった。
「リアさん、大丈夫ですか?」
「うん……」
今更だが、私はベッドに寝ていることに気がつく。しかし、なんでベッドに寝ているのか私には分からなかった。
「ラフィア、私はなんで寝ているの?」
「もう、その話を今からするんです。リアさんは7時間前の緊急任務で戦闘不能になり、ここまで運ばれたようです」
「ああ……やっぱりそうだったのね」
「リアさんは新人なんですから『ゴルドラーダ』の相手は早すぎますよ」
「『ゴルドラーダ』……?」
大型の蟲型ダーカーの『ゴルドラーダ』は雑魚敵クラスでありながら、高い体力と攻撃力を兼ね備えており、足も早い。
さらにはアークスを捕食することで新たな力を身につけるという報告もある。熟練のアークスでさえも手を焼くダーカーなのだ。
「もう、無茶が過ぎます!フナさんが駆けつけていなかったらどうなっていたか……」
そうか……私はまたフナさんに助けられたのか。
今も、昔も変わずに。だからこそ、私はあそこでゴルドラーダと対峙したのだろう。
「でもあそこで『ゴルドラーダ』を野放しにしていたらーー」
ラフィアが私の手を優しく握りながら言葉を紡ぐ。
「焦らなくてもいいの、ね?」
その言葉は暑くなっていた私を我にかえらせた。その言葉はフナさんがいつも口にしていたから……。
「深遠なる闇が……?」
カフェの中、話し合う二人のアークス。
一人はフナ、もう一人はシェルネだった。
時間遡行が行われ、作り出されたこの『過去の世界』ではシェルネの存在も、全て忘れられている。そして何より驚いたのが……。
「私が見たのは透明になるダーカー。ダーカーの反応さえ綺麗に消えているの」
「そうか……やはりフナが言う通り、深遠なる闇の力は増しているんだよ」
深遠なる闇の復活……ナナが口にしたあの言葉が脳裏をよぎる。
「フナ、深遠なる闇が復活したとしたらーー」
数秒言葉に詰まった後、フナが口にする。
「負けるかもしれない」
正直、彼女の弱音は始めて聞いた。過去に『深遠なる闇』と戦った彼女が言うのだから説得力はある。
その言葉の重みにしばらく私は固まってしまった。そんな中、フナが一言切り出す。
「だからこそだよ、私達アークスは『深遠なる闇』には負けない。2年前と同じ、私達は戦わなきゃ。そうだよね?シェルネ」
こんな話の中でもフナは笑顔を作って私を見つめてくる。彼女を見ていたら、私も希望を持たなきゃと思ってきた。
「そうだな、フナ」
ゆるゆる劇場
麻衣「久しぶりのこのコーナー!!」
ラフィア「えーと、麻衣さんは本編出てましたっけ……」
麻衣「出てるわ、4ー1と4ー2を見ようよ!」
リア「4章は各キャラの回想をするらしいわよ」
麻衣「えっ…」
ラフィア「麻衣さん……ドンマイです」
麻衣「もしかして、私はもう出番無し!?」
リア「それはお楽しみよ」