私のトモダチ達 4ー2
私達の周りには赤い光が現れ始め、肌も前よりピリピリする。
私が空を見上げた時だった。二人組のダーカーが私達の前に現れたのだ。
空からゆっくりと現れるそのダーカーはかよわそうでもあり、恐ろしくもあった。
「ララ!あれは……」
「麻衣、何が見えるの?」
私はダーカーの特徴をいい並べていく。顔の中に顔がある歪な形相に、ニンジンのように尖った鼻。片方の手は無機物で、不気味なほどに赤く、もう片手は丸々しく、先端から中央は口のような形状の手。二人のダーカーは、その手で面白いそうに開け閉じを繰り返しながら私達を見つめていた。
「ダークファルス・ダブル……」
ララが震えながらその名を口にした。
相手の強さが分からない私にも、そのダーカーが実力者であることは察せた。でなければララが怯えるわけがない。
その間にダブルは地上に降りたっていた。
「麻衣、君には僕が見えるんだよね」
「麻衣、君には私が見えるんだよね」
二人の不気味な声が重なり、身震いしてしまう。恐ろしい外見も合わさり、私は恐怖感を味わっていた。
「誰なの、君達は」
「待ってよ、その前に邪魔者は消さないとね」
そう言うとダブルはララへゆっくりと近づく。
「ララ!逃げて!!」
ダブルが不気味な笑いを浮かべながらララを二人で取り囲む。
私の言葉が聞こえないのか、ララはその場に立ちすくむだけだった。
「麻衣……ちゃん」
ララの涙曇った声に私は凍りつく。
それじゃあーーいただきます
咄嗟に目をつぶる。
「麻衣……いたいよぉ……」
ララの食べられる声が聞こえた気がする……。でも私は目をつぶり、耳を塞ぐ。アークスでない私は彼女を助けることも、ダブルを倒すこともできない。
「目を開けてよ、麻衣」
ララの声が聞こえた。
「ララ……?」
目を開ける。
でも目の前にいたのは手を赤く染めたダブルだった。
ただ一つの形見といえば、彼女の武器くらいだ。
しかし、その武器も光を失い、赤い禍々しい光を放つ「インヴェイド」へと姿を変えていた。
「ララ……」
私は壊れた機械のようにその一言を繰り返し続けていた。その姿を見たダブルは不気味な笑い声を繰り替えしていた。
「安心してよ、麻衣」
「僕が面白いモノを見せてあげるから」
「私が面白いモノを見せてあげるから」
ダブルがそういうと、私の周りには何人ものララが生まれていた。
髪も、声も、服装も。
「麻衣」「麻衣」「麻衣」
ララ本人の声で何人ものララが囁く。本人ではない。わかっていても私は嬉しかった。
「だれかくる…?」
ララの手にしていた「インヴェイド」を手にすると、私は二人の人影を見つめていた。
「ララが保護した少女というのは?」
「それが……情報がなくて」
俺たちはララの指示のあった公園へと移動していた。
数分前にダーカー反応はあったが、既に消えていた。
ララや少女がダーカーに襲われている危険性もあると言われ、彼女に出発を急かされてしまった。
「ララのことですし、並のダーカーは彼女が撃退できるでしょう」
「まぁ、そうだよな。「オフスティア」の所有者が簡単にやられるわけないよな」
俺たちはそんな会話をしながら目的地に向かっていた。
でも、あんな事態になっているとは。