私のトモダチ達 5章 懺悔
まだアークスが生まれる前の話。
フォトナー達はシオンと呼ばれる全知的存在を模倣しようと研究を続けていました。
失敗作は宇宙に捨て、フォトナーは研究を続けた。
そして、やっと「ソレ」は完成した。
しかし、「ソレ」はフォトナーに牙を向いたのでした。
やがて【深遠なる闇】と呼ばれる彼を止めるために何人ものフォトナーが犠牲になった。
アークスである少女、フナはかつてはフォトナーだった。
今から見るのは、そんな彼女の物語。
………
実験は成功ね
カプセルの中から少女が顔を見せる。彼女が【深遠なる闇】を倒す切り札になる……。
「フナ、フォトナーを作り変えるというのは少々非人道的ではないか?本人はあれだけ拒否をしていたじゃないか」
「だからといってこのまま【深遠なる闇】を野放しにするわけにはいかない……奴はこいつが倒す」
まだ目覚めて間もないからか、彼女の足取りはフラフラだ。
でも彼女は【深遠なる闇】を叩き潰すだけじゃない。彼女は奴と対話ができる。今まではただ力で征服しようとしてきたが、今回は違う。
「彼女なら【深遠なる闇】を必ず倒します」
「なぜ断言できる?君の兵器は全く通用しなかったじゃないか」
突然、ガラスを叩く音が聞こえる。あの少女だ。
「お姉ちゃんにお兄ちゃん……」
「なっ……」
言葉を話すのが想定より早い……。でも少し嬉しかった。期待を上回るのは私にとっては嬉しいから。
「大丈夫なのか?こいつ。我々へ興味を持っているようだが」
「大丈夫ですよ、私の言うことに従うように設定していますから」
所詮こいつは兵器だ。こいつが使えなかったら【深遠なる闇】に殺されるだけだ。
その時はそう思っていた。