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小説『Endless story』幕間7

 #EX-6

 

 

 

alto「社長はですね、普段はアークスシップにある、オフィスで過ごしていまして。若干ゃ黒い企業なので、あの、アスリート体型で。であと眼光も鋭いので、取引する相手を威圧できるように。社畜力ぅ……ですかねえ……。何日間もしれっと、徹夜できる社畜でして。結構仕事が好きなので、数ヶ月間は余裕で残業してくれますね」

クラリス「何でもかんでも便乗すれば良いってモンじゃねーアルヨ!」

社長「無駄な事に時間を取らせるな、不快だ。罰として営業の有給を減らしておく」

ホール「理不尽ッ!!」

アルーシュ「そもそも既に減らす有給も無いんじゃ……」

 

アルーシュ「さてっ、そんなワケで! 今回も『Endless story』のオマケとして、始まりました『アル姐とあるとんのぐだらじ☆出張版』!!」

alto「まず今日は、めでたいお知らせがあるにゃ。3月末をもって、この『Endless story』の連載が1周年を突破したにゃん!」

アルーシュ「各所からもお祝いのメッセージをいただきました、ありがとうございます。作者のViridisによれば『これからも変わらずに更新を頑張っていく』とのコトですので、引き続き本編を楽しみにお待ちください!」

 

alto「そんなめでたい日には、盛り上がらなきゃ損ってヤツにゃん。そんなワケでぐだらじ春の特盛スペシャル第1弾! にゃんと今回は総勢3名ものゲストをお迎えしたにゃ!」

アルーシュ「本日、第5回目のゲストはこちら! ギャンブル狂の熱血苦労人お父さん、通称『営業』ことホール! 謎多き変幻自在の『経理』ことクラリス! そして、立てば出勤座れば労働歩く姿はサービス残業な生ける社畜、我らが『社長』の登場です!」

ホール「紹介開口一番からギャンブル狂ってそりゃ無いんじゃないの!?」

社長「とは言えど、本編でまだほとんど出番のない我々をゲストに出して、果たして読者がどこまで付いて行けるものか」

 

クラリス「なのでまずは私たちについて軽く説明するアルヨ」

ホール「まあ、これからの本編でも触れるらしいから、遅かれ早かれって感じだけどな」

社長「我々は『DFCo.(ダーカーズフォールコーポレーション)』という組織だ。既に本編で何度か『ダークファルスが立ち上げた企業』の存在が示唆されている通り――……勘の良い読者ならば既にお気付きのコトだろう。まさに、我々がそれだ」

アルーシュ「ちなみに何を隠そう、この私も『秘書』としてDFCo.に所属しているわゾ!」

alto「さて、その謎多きDFCo.に質問コーナーと行こうじゃにゃいか」

 

――Q1,DFCo.って何している企業なの? RN:ケツメロン猪八戒

 

ホール「対ダーカー兵器の開発がメインの軍需産業だぜ」

クラリス「潜在能力『負滅牙』を持った各種武器や、有名どころだとA.I.S.なんかもウチの商品ネ。他にもいろいろと開発しているけれど、そこは企業秘密ってやつアルヨ」

アルーシュ「何せこんなご時世だから、こういう企業って需要が高いのよね」

ホール「だから残業はデフォルト、終電逃すのは当たり前、もはや職場が我が家、休日も無論ナシ、有給まで減らされてマイナスに食い込む始末……」

クラリス「有給は自業自得ネ。会社のカネをパチスロに使い込むんじゃねーアル」

社長「過労死する直前に止めてやるから、安心して死ぬまで働け」

アルーシュ「それは死ぬことすら許されないってことですか社長」

alto「生き地獄にゃん」

 

――Q2,あれ……確か「クラリス」て#1-5では小柄でも銀髪でもお団子頭でもなかったような気が……あれっ? RN:勝俣半ズボン

 

クラリス「世の中には知らない方が良いコトもあるネ。つまりはそういうことアルヨ」

ホール「どういうことアルヨ?」

社長「経理には、何かと『そういう仕事』も任せているからな。容姿くらいは変えられて当然というコトだ」

アルーシュ「何の説明にもなっていません社長」

alto「迂闊に踏み込んだら戸籍ごと消されそうだってのは把握したにゃ(震え声)」

 

――Q3,なんで今回は作者(Viridis)が自分で考えた質問ばかりなの? RN:元祖やぬしちゃん

 

アルーシュ「……これ質問出してたの家主君の中のヒトか!」

alto「これだけ大人数だと変な方向に脱線しようモノなら収拾つかないから、らしいにゃ」

社長「いくら台本形式だからって4人も5人も出せば混乱するに決まってるだろ!」

ホール「社長!?」

社長?「いいか小説を書く時、モブ以外で描写する人物は1場面3人くらいに留めておけ……先生との約束だぞ……」

アルーシュ「社長なんかちょっと中の人が出てきてませんか!?」

alto「ただでさえまだ本編でDFCo.ちょっとしか出て来てないのに中の人ネタとか身内ネタとか通じるワケがないにゃ! いい加減に落ち着くにゃん!」

 

アルーシュ「さて、本編もいよいよ第8章。ロゼに続きルベルまでダークファルス化して、ゆかりんも暴走」

クラリス「怒涛の急展開とは、まさにこのことアルネ」

ホール「一部の読者さんからは『予想外の展開だった』『度肝抜かれますわ……』との感想を頂いたりして、Viridisも嬉しそうにしてたな」

alto「でも、ルベルは自分から狙って拉致されたようにも思えるのが気になるにゃん」

社長「何か考えがある様子だったな――……地球人(ユカリ)の裏で糸を引く、何者かの存在も含めて」

ホール「そして第8章では俺たちDFCo.がどのようにユカリと関わって、物語の核心へと迫るのか。今後の展開もますます目が離せないな!」

アルーシュ「1周年を迎えることが出来たのは、読者の皆さまのお陰です。いつも読んでくださっている皆さん、本当にありがとうございます」

alto「それでは、今回のぐだらじ☆出張版はここまでにゃん。引き続き春の特盛スペシャル第2弾『#8-0』と、第3弾『Endless story1周年記念イラスト』をお楽しみくださいにゃ。またにゃ!」

 

 

 

#8-0

 

 世界群歩行者達に所属する地球人は、アリシアとユカリだけではない。もっともユカリは現状、地球「人」であるかも疑わしいワケだが。

 麻衣(マイ)という少女は、地球人でありながら「ダーカーと対話出来る」特異体質を持っていた。ダークファルスともなればそれ自体が意思を持ち、麻衣でなくとも意思疎通が可能であるのだが……ダークファルスに限らず、全てのダーカーと言葉を交わせる特性は、世界群歩行者達どころかオラクル全域を見渡しても類を見ないモノだ。

 

 そこで麻衣はしばらくの間、ベテランのアークスであるフナと共に、地上へ降り立っていた。理由は、地上で頻発している「紫色のコアのダーカー」との対話を試すためだ。

 そして報告のためにチームルームへ戻ってきた麻衣とフナは、簡潔に結論から述べた。

 

「紫色のコアのダーカーと、対話は出来ませんでした」

「つまり、あれは厳密にはダーカーではない、と」

 

 ふむ、と顎を触りながらチームマスター・塊素は考え込む。

 惑星・地球においてダーカーが出現した前例は、皆無というワケではない。以前に地上で人気のオンラインゲーム「ファンタシースターオンライン2」を介し、蟲型ダーカーが複数回に渡って侵攻した事件もあった。

 しかし今回は、ダーカーを象っておきながら、対象がそもそもダーカーではないという。地上で「ダーカーによく似た何か」が生まれるとすれば、可能性はひとつしかない。塊素自身が、DFCo.(ダーカーフォールコーポレーション)社長が、そして家主・ウィリディスが立てた仮説は見事に立証されたというワケだ。

 

「紫色のコアのダーカーは、幻創種で決まりだね」

 

 ダーカーの姿を、性質を、挙動を、反応を、危険性を、すべて緻密に再現した幻創種。

 ゾンビに、リニアトレインの怪獣に、かつて地上の戦争で用いられたという兵器や戦艦――……幻創種は地球人の「恐れ」をエーテルによって具現したモノという報告だったが、まさか本当にダーカーまでも模倣したか。少々厄介だな、とでも言いたげに、塊素は眉根をひそめる。

 

「麻衣ちゃんもフナさんもご苦労さま。このことをクラリスさんは社長へ、アーテルさんはウィリディス君へ伝えてくれ。……「確定した」と。それから、今後から紫色のコアのダーカーの呼称を改めよう――……『I(イマジナリー)・ダーカー』と」

「了解したネ」

「承ったわァ」

 

 言うなりクラリスの足元から黒い影が広がり、小柄な彼女の姿はまるで底なし沼へでも沈むように、とぷんと潜り込んで消えた。アーテルも……というコトは無く、彼、もとい彼女はチームルーム出口のテレポーターへ向かって踵を返す。

 

「麻衣ちゃんはひとまず休むこと、フナさんも麻衣ちゃんに付き添ってあげてくれないか。ユカリちゃんが独房に居るとは言え、警戒しておくに越したことは無い」

「分かりました」

 

 フナは素っ気なく、麻衣はそれに続き慌てて頭をぺこりと下げてから、アーテルと同じようにチームルームを後にする。

 塊素はそれを見送ると、ビリジアン色のフォトンチェアを呼び出して、深く腰掛けた。溜め息を共に身体が沈み、指先で軍帽の鍔を少しだけ下ろす。

 そして、I・ダーカーという単語を頭の中で反芻する。エーテルによって生み出された、ダーカーの姿を模した幻創種。

 

「……――誰が裏で糸を引いている……?」

 

 ひとつ零れたつぶやきは、しかし誰に聞かれることもなく、静かなチームルームの天井へ吸い込まれていった。

 

To be continued.

 

 

 

Character fileChapter7

 

Name:アーテル 36/♀? (By Viridis0921

ファッションデザイナーと情報屋を兼任する、姉御肌の頼れるオカマ。

いわゆる「女子力」がきわめて高く、当然ながら服飾のセンスも非常に良い。

ブロンドの長髪を腰まで伸ばしており、目鼻が整った顔立ちに黒いリップを愛用している。意外に上背があり、引き締まった体格。戦闘時は赤い般若の面とマントを着けた、鎧武者のような姿になる。

かつては虚空機関に所属していた研究者で、当時担当していたルベルを気にかけている。

本名『アーテル・サピエンティア』。

Weak point:過去に身体の半分以上を失い、キャスト化しているために、長時間の戦闘を行えない。

 

Name:ステラ 1820歳程度/♀ (By Viridis0921

ルベルの中に眠る「もう1つの人格」であり、ダークファルス【明星(ステラ)】そのもの。

ダークファルス【明星】の因子を埋め込まれた少女に、いわゆる「悪意」に特化した教育を施すことで、ダークファルスを超えたダークファルスを生み出す、という研究の賜物。

かつて、計画の主導者であった『ニウェウス』博士もろとも『家主(=ウィリディス)』によって敗北し、ルベルの中で眠りについた。

今は『家主』によって監視され、かつ管理下に置かれているものの、ひとたび覚醒すればギミック系ダーカーと「ダークファルス因子の密度を操る」権能によって、周囲を壊滅へ導く危険を常に孕んでいる。

Weak point:???

 

Name:ニウェウス 年齢不明/♂ (By Viridis0921

かつて凄腕のアークスであり、虚空機関の主幹研究員であり、そして「オラクル史上最悪の連続猟奇殺人犯」であるとも言われた博士。

上記の情報と、ごく一部のアークスおよび虚空機関の研究者から『共喰いニウェウス』と呼ばれていたこと以外、彼に関する情報はほとんど残されていない。

 

*「Endless story」1周年ありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。

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