私のトモダチ達 4ー4
「リアさん!勝手に抜け出さないでくださいー!!」
「リア!?」
逃げ出した私の前に立っていたのは、フナさんだった。
思わぬ門番に行き先を塞がれた私は、足を止めてしまった。
「なんでフナさんが……」
「あっ…フナさん、ありがとうございます」
リアの後から息切れしたラフィアも追いついた。普段運動していない彼女には、おにごっこは厳しかったようだ。
「リア、勝手に外に出ちゃだめでしょ?」
私が呼びかけると、リアは顔を逸らした。顔を下に向けたまま、ボソボソと言葉を呟いた。
「だって暇だし……。それと、寝ているくらいなら私は訓練をしたいの」
「リア、強くなりたいのは分かるけれど……今のままじゃ、死に向かって走ってるだけだよ?」
「分かってるよ、でもね、私はフナさんと戦いたいの。誰かの役に立ちたいの」
「顔を上げてよ」
私と目を合わせるのを避けながら、ゆっくりと顔を上げるリア。そして恥ずかしそうにしながら口元を震わせていた。
「だって……フナさんは……」
「リア?」
「私は!フナさんが死んじゃうのが嫌なの!」
「だから私は大丈夫だって。前にも言ったって」
その言葉を聞いた瞬間、瞳から雫が零れるのを見てしまう。彼女を泣かせてしまったことに、私は罪悪感を覚えていた。でも、次の声は私を更に驚かせるものだった。
「聞いたの。『深遠なる闇』と戦うんでしょ?フナさんですら負けるかもしれない相手に」
「うん、その通りだよ。私が戦わないで誰が『彼女』と戦うの?」
「私はね、2年前の苦しむフナさんを見たくない!フナさんには死んで欲しくはないの!」
「あの……二人共ここまでにしましょうよ」
「ラフィア?」
「二人の気持ちは分かります。大丈夫ですよリアさん。あなたも『深遠なる闇』と戦えるようになればいいじゃないですか」
「私が『深遠なる闇』と……」
ラフィアの説得もあり、リアは病室に戻ることになった。でもその条件に『体が治ったらVR空間での訓練』という約束を押し付けられてしまった。
彼女は強いアークスになりそうな気はするのだが、何をするか分からない彼女の行動には、驚いてばかりだ。これではまるで、親が自分の子供を育てているかのようではないか。
「あの、フナさん」
考え事をしていた私の元に思わぬ依頼が舞い降りた。
「惑星 地球の東京エリアに向かってくれないでしょうか……?」