小説 序章 Ⅳ
- 2015/03/21 23:31
- 投稿者:セリオス
ようやく序章終わりそう。くう、時間掛かりすぎだよ、自分!どんだけ遅筆なんだ!!
ということで続きからどうぞ。だいぶここからアイタタタと言えるような設定がどんどん出てくるので、苦手な方は閲覧ご注意くださいませ……
「真名?それとも人間(こっち)の名前?」
青年は試すようにカイに尋ねる。青い双眸に圧倒されて少しカイは身を引いたが、心の内を奮い立たせていう。
「どっちも、聞かせてください、土地神様」
「こっちの名前は時雨。見ての通りこの神社……ミスキノの里にある神社、ミスキノ神社の禰宜を務めている。土地神としての名は斎ノ命(イツキノミコト)司るのは豊穣だ。
この神社にいるのはあと二人。片方は子どもを守る者。もう一人は道行く旅人を守る者だ。いずれ、時がくれば姿を見せてくれる。これからよろしく頼むよ、カイタマノミコト殿」
青年……時雨がカイの真名を呼んだ。カイは思わず目を見開いた。なぜ、彼がこの名前を知っているのか。疑問をぶつけると時雨はカラカラと笑って応じた。
「縁者一族の名前と真名は子どもが生まれるたびに神社に報告されるのさ。だから知ってるんだ」
「覚えてるの?今までの人も……」
「憶えているよ。君の祖父蒼燕(ソウエン)殿を助けることができなくて、すまなかった……」
深々と頭を下げる時雨をみてカイは慌てた表情になる。人としての姿をとっていても相手は土地神。町に住んでいる人間に対してこんなにも礼儀ただしくしてもいいものなのだろうか。何故か彼は神様、というよりかは人間のようにも感じる。
「え、えっと、その……神様でも理(ことわり)に触れることはできないでしょ?だから、いいよ」
「………」
時雨はカイに対して軽く頭を下げた。
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「……イ?おい?カイ?」
「…っとごめん時雨。寝てたみたい」
「暇だからと言って寝てる場合か……」
昔と変わらぬ姿の青年……時雨は小さくため息をつくとちらりと街のほうを一瞥し、ぽつりと言葉を漏らす。
「あれから十数年、か。人の成長は早いな」
「変わらないほうが人には驚かれると思うけど?」
「町に出かけているときは化けてるし、何より禰宜としては滅多に人前には出ない存在だからな」
「あれ、町には出かけるんだ」
時雨はしまった、という表情を見せた。カイはクスクスと笑うとこれでおあいこ、ってことで、ね?といわれ、時雨はしぶしぶと頷くしかなかった。
金剛九尾
待ってましたん~(*´ω`*)
無理の無い様に身体に気を付けながら製作を進めてくださいな♪(^-^)/