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目次 / 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 第二章 |
手の内からこぼれる世界 |
間幕どんどんと手足の感覚がなくなっていく……手は動かせない。 足が動いてくれない。 胸は上下しているのだろうか。 わからない。 ここはどこ? 私は生きているの? まだ死んでいないの? ああ、萌絵が目の前にいる。 ごめんなさい。私が馬鹿だったのよ。 怪談は本物だった。なのに、あなたを巻き込んでしまった。 ごめん。ごめん。ごめん。ごめん。ごめん。ごめん。ごめん。ごめん。ごめん。 ああ、あの、あの黒い悪魔が近づいてくる。 いや、こないで。私を連れていかないで。萌絵だけでも助けて。 いや、あたまをなでないで。いや、なにかがはいってくる……。 あたまがかすれていく。いやぁ、わすれたくない。 わたしが。わたしが。わたしが。わたしが。わたしが。わたしが。 たべられていく……。きえていく……。 いや、いや、たすけて……。 いやあああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…… ダレ カ タス ケ テ …… ――あなたは ――恐怖というものを知らなかったの? |
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