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やっとこさ、プロジェクトが終わりました。
八月頭から携わっていたプロジェクトがようやく終了しました。全体的には三月、四月、そして八、九、十月。僕が参加していない分を含めると五、六、七月も追加になりましてゆうに七ヶ月のプロジェクトでした。……信じらんねぇ、七ヶ月も使ってこの出来かよ。というか、九月、十月でほとんどのプログラムを作り直している始末で、つまりは十分な実力を持っている人だったら二ヶ月、設計等を含めると四ヶ月程度で完了できる仕事だったわけです。実力がないがゆえに工数が倍か。なかなか割に合わないものだなあ。
元より、実力がない人ばかりを集めて始めたプロジェクトである。こうなるのは必然だっただろう。ともかく時間がかかった。しんどかった。
これからは二週間はゆっくりできるはずである。定時以降まで残らなければならない仕事は、少なくとも僕にはないはずである。他の人には他の仕事があるようなのだが、僕にはない。これがプログラマーのいいところであり、辛いところだ。仕事がないとき、会社で何やってればいいのか、少々居心地が悪い。長く続くと会社を辞めたくなるぐらい辛い。まあ、とりあえず十一月第一週の木曜日と金曜日あたり、振替休暇取りたいなぁ。寝る。全力で寝る。
さて、プロジェクトも終わりとなると気が緩むのか不満をぶちまけたくなるのか、上司からの説教というかお小言というか忠告の割には刺々しい口調で「君にはSEとしてやっていく気概が全く見られない。そんなんじゃこの先仕事ねーぞ。どうすんの」という言葉をもらったりするわけである。なお、集約すればその科白(せりふ)に収まる話を一五分ぐらい続けられるんだからちょっと辛い。それはそうとして確かに、上司の述べていること、観察結果は正しいものである。
僕は今までプログラマーとしての経験しかせず、プログラマーとして働くことしか考えず、システムエンジニアとして働くことを考えていなかった。というより、考える必要がなかった。システムエンジニアの道を進むことは吝か(やぶさか)ではないが、やや、僕の目標からはずれる。システムエンジニアの技能は僕の目標、つまりは好き勝手にプログラムを作って遊ぶことに適いはする。設計ができなければより複雑なプログラムを組むことは出来ないからだ。その場の思いつきでプログラムを作っていたのでは大きくて複雑なプログラムは作れない。
しかし、これが会社で働くSEとなると漏れなく部下を持つことにも繋がってくる。人の上に立ち、人を使ってシステムを作る。それが求められるSEってやつだ。僕はそれに魅力を感じない。自分で作るのがいいのであって、他の人に作ってもらいたいわけではない。ここが悲しいところで、それをやりたかったら組織の一員として居続けることは難しいものになるだろう。何時までも下っ端でいさせてくれないわけだ。これに対し、自分のやりたいことをし続ける、つまりは他人を黙らせられるほど、僕には技量も実績も人徳もない。実に独りよがりだ。
もしもプログラマーがひとりでも何とかやっていけるのだったら、今頃そこら中に自称プログラマーがあふれているはずである。そうなっていないのは如何に一人でやっていくのが難しいか、というのを物語っているだろう。僕なんか、確定申告すらしたことがない。世の中に疎い貧弱サラリーマンである。行き着く先はホームレスか。ダンボールの中で「昔は好き勝手にコンピューター作ってたのに……」と思いながら凍えている未来は想像に難くない。逆に、人の上に立ってあれこれ指示している姿は……思ったよりも、割と簡単に想像できるな。ただ、資料作りに忙殺されそうである。多くのSEがそうであるように。
さて。
これからどうするのか? という問いが投げられている。今の僕の方針から行けば、具体的には「あと二年働いてIT業界そのものから撤退する」という選択がまず一つある。SEとして熟成しないのであればそうなる。SEとして熟成すればまだIT業界にいられるだろうが、果たしてそれは僕が望んでいるものなのか、非常に疑わしい。同時に、僕の夢からも離れている気がする。
自分でサーバを立てて、複数のコンテンツを提供しながら友達を作る、という僕の夢である。ま、簡単に言えばITを使ってたくさんの人と騒ぎたいわけで、そのためのプログラム技術、そのための設計技能である。他人にこき使われるためのものじゃない。
しかし、飯は食べなくてはならない。飯を食べなくてもいいのであれば、会社勤めしなくても何とかなりそうだが……結婚しないことが前提だけど。
めんどくさいなぁ。実にめんどくさい。