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すでに僕はあそこから降りた人間だ。しかし、あの空気は忘れられない。
今日、涼宮ハルヒのアスキーアート保管庫のアクセス解析結果を見ていて、ふと目に付いた参照元のページを開いた。
携帯電話で利用するシステムの構築に参加したプログラマの体験をアスキーアートを用いて綴ったものである(アスキーアートの使用はページ管理者がやったことで、体験をつづった人とは別)。話に使われているアスキーアートのキャラクターは多岐にわたるが、読んでいくうちにキャラクターが働いていた当事に関わりのあった人に見えてきて気分が暗鬱になった。
命令を下すだけで何が作られているのかわかっていない上位会社。ただ給与のみならず命をしゃぶられ尽くされる下位の会社のプログラマーとSE。限られた予算で動くプロジェクトは、限られているくせに無駄に糸目がなく、その無駄は何にもわかってない上の連中のミスにもかかわらずしわ寄せは全て下に来る。下がどれだけ努力しようとも命を削ろうとも、上はまるで汲み取ってくれない。一方通行な組織の中で、下から順に潰れていく。
全体を見渡せば当たり前すぎることなのに、進行中のそれらの中にいる当事者たちには全くわからない。上の会社だろうが下の会社だろうが関係ない。何もかも削られすぎて目の前のことしか見えなくなっている。そして、全てを理解するのは退職後になるわけだ。そして大抵の場合、次の仕事のめどもなく、とにかくプログラムに携わることだけは辞めたいと考える。搾取されることが目に見えてるから。
プログラマーになった人は、大抵の場合、何かを求めてプログラマーになったはずで、最初は希望に満ち溢れていたと思う。しかし、実際に会社に入れば自分のやりたいこととは全く関係ないことをやらされる挙句、ただの材料として削られていくのである。おそらくは僕が日ごろから使っているプログラムの大多数がそうしたデスマーチの産物だろうし、そう考えるとバグがあったとしても責める事は出来ない。そこにあるのはあのときの僕以上に苦しんでいる人たちの姿でしかない。
だから、ということはないと思うが、フリーソフトや同人ゲームソフトが好きなのはそういう部分がないからかもしれない。フリーソフトや同人ソフトを作っている人たちだってそれなりに苦しんでいることとは思うが、それは別の誰かから命を削って作れと言われて作ったものではなく、本人たちが作りたいから作ったものだ。死臭がしない。希望がちりばめられている。おそらくはみんな楽しんでいるだろう。フリーソフトや同人ゲームソフトはそういうものだから。
何かを作ることの幸せは結局のところ、誰の指図を受けることもなく作れるところにあるのかもしれない。
火曜日に親友のイチノイカズイ殿にメールを送って今週の土曜日に久しぶりに会合を開かないか、とメールを送ってOKをもらったのであるが、実はそのときの返信を見たときから、取り止めにしたほうがいいだろうと感じていた。カズイ殿に余裕がないことが解ったからである。それならば、もしも何もなければカラオケや焼肉など疲れるようなことは投げ捨てて、のんびり海遊館にでも男二人で行こうかと考えていたのであるが、昨日の晩のメッセンジャーとのやり取りでカズイ殿が置かれている事態が逼迫していることを知り、取り止めにした。現在のカズイ殿は友達と遊んでいられるほど余裕はない。
現在は年末である。これが六月や七月あたりならまだましだが、SEとプログラマーにとっての年末は相当な鬼門である。この時期はなぜだか知らないがコンピューター機器に不調が出やすく、場合によっては何もかも壊れてしまうことが多い。多分、静電気と寒い空気で埃が積もりやすいことあたりが関係しているのだろうが、このくそ寒い中、周りはクリスマスなんだのとお休みムードに包まれている中を汗とか鼻水とか場合によっては血液とか垂れ流して見たくもないパソコンモニター相手にキーボードを叩き続けるのは、頭の中の血管が何本か切れるだろうと身構えていても耐え難いものがある。そして、耐え切らねば自分の世界が全て壊れてしまうのである。泣いたって誰も助けてくれない。全員が泣きたいからだ。家族がいる人は発狂したっておかしくない。家族のみんなはのんびりしている上に、大抵は自分の仕事に関して何の理解もしてくれてない。パソコンモニターを見続けて頭の血管が切れそうになる経験を味わったことがあるか? キーボードをへし折る妄想をした事は? 下っ端SEかプログラマーになったことがある人でなければ解りっこない。そして給与は削られて、結婚している人なら離婚まで一直線だ。
僕の場合はすでに仕事を辞めたからこんなこと書けるが、もしもまだ仕事を続けていたならばこんなことは書けない。直視したくないんだ。今の自分のことを書いたって何にも面白くない。
カズイ殿が僕と同じ経験をしているかどうかはわからない。しかしこれだけは解る。今日の晩はカズイ殿の会社で忘年会があるらしい。仕事しなくていいなら寝させろと思っているんだろう。そして、忘年会なんてマジでやっている場合じゃない。現在の仕事は忘年会後も絶賛継続中だからである。何を忘れろというのか。
この世の中は恐ろしいぐらい不条理だ。世間一般は不条理は不条理でどうしようもないと耐えるのみならず、さらに不条理を生み出すんだから始末に終えない。時間が過ぎれば過ぎるだけ、どんどん不条理が生まれていく仕組みになっている。別に出家しなくてもこの世は十分修行の修羅場ばかりである。
どっかで仕切り直しをしたいところだなぁ。