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旅行二日目。岐阜県飛騨高山より開始。
朝の七時半。目覚ましがなる少し前には目が覚めていたのですが起きる気にならず、七時半の目覚ましが鳴ったら鳴ったで「八時まで布団の魅力に負けとくか?」とK君に質問したら「負けちゃうか~」と意見が一致し、八時まで寝てました。ちなみに、少し窓の外を見れば朝日の中を雪が降ってます。
八時、フロント前を通ってホテルにあるこじんまりした食堂に行き、宿泊した人に無料で配られるパンとコーヒーをいただきました。パンは一個ずつプラスチックの袋で包装されたクロワッサン、コーヒーはカップ型自動販売機で無料配布されてました。自動販売機は街中でもよくあるタイプで最初はお金が必要なのかと思ったんですが、すぐに先に食堂にて食べていた人たちからお金は要らないよと教えてもらいました。紛らわしい。
そこそこ食べた後、部屋に戻って出発の準備を整えました。バスの出発は八時四零分で、現在時刻は八時二五分を指しています。バスはホテルからすぐそばの駅前バスターミナルより出発ですが、ちょっとぎりぎり。今日は白川郷という雪の中の場所に行くので、服装はコートをかばんの中に入れておいたトレンチコートに代えました。これで大丈夫……とは思うのですが、危ないと感じたらトレンチコートの下にたった今かばんの中に入れたジャケットも着込んで二重仕様にします。僕の手持ちの中では防寒最高水準です。
バスターミナルに行けば僕らが乗り込むべきバスはすでに発射準備をしており、急いでターミナルでチケットを買ってバスに乗り込みました。僕らが乗り込んだ後すぐにバスは発車しました。目指せ白川郷、です。
さて、白川郷という場所について僕は全く予備知識を持っていなかったのですが、バスの中でK君からパンフレットを見せられながら説明を受けました。白川郷には世界遺産に指定されている合掌造りという三角屋根の古い建物があるそうで、パンフレットに載っている夏の白川郷の風景には何か見覚えが――?
……? ……!
もしかして、と思って携帯電話を取り出しておもむろに二つの単語についてネット検索を掛けました。「白川郷」と「ひぐらし」について。
大当たりでした。白川郷はアニメ「ひぐらしのなく頃に」の舞台となる村のモデルとなった場所でした。パンフレットに載っている夏の風景の白川郷は「ひぐらしのなく頃に」のオープニングの最後に写っていた村の全風景と一緒なんだー。と、いうことは、アニメ内に出てきたいくつかの場所が村の中にあるはずで、調べてみると確かにあるらしい。これは行っておかねばなるまい。
そういえば、THE DAY OF SAGITTARIUS のほうで知り合いである jjg さんが白川郷に行きました、という日記をブログに載せてたな。ひぐらしのイメージが強すぎて、実際の村の名前を失念していた。
バスは飛騨高山より東海北陸自動車道を走っていたわけですが、白川郷に近づくにつれて降雪量がどんどん増えてきました。これは危ないと思い、バスの中でトレンチコートの下にジャケットを着込み、防寒対策をしっかりすることに。重ね着しすぎて動きにくくなることを懸念していたのですが、気になるほど動きにくいと感じることはありませんでした。
除雪車が道路上の雪を遠くへ飛ばしているのを見つつ、白川郷に着きました。K君は夏の白川郷には一度来たことがあり、「雪の降る白川郷を見たいんだ!」と言っていたのですが、持て余す所なく雪が降りまくっております。僕の手にはカメラがありますが、なにぶん僕の手持ちのカメラはでかい上に電池で動く電化製品なので雪が積もったり積もった雪が解けたりすると大変まずいことになるので、手持ちのハンカチをカメラの上にかぶせて雪からカメラを守りつつ、白川郷を歩くことにしました。ハンカチを常備するようになってからすでに七年ほど経っていますが(確か、大学生になったあたりから常備するようになった)、ここまでハンカチ持っててよかったと思ったことはないね。
バス停留所は白川郷の東にあり、いわゆる白川郷に行くには「であい橋」という川にかかった歩道橋を渡る必要があります。白川郷は主要道路が一本だけの小さい村で、その道路を中心に土産店や飲食店や旅館があり、その裏手に人々の住む家がある。民宿が多いのでここに泊まるとなってもそんなに困らない気がする。ちなみに、村のはずれにはコンビニが一軒あります。
本来ならゆったりと回れるのでしょうが、雪が基本的に踝あたりまで積もっており、雪が降りしきる中を飽きることなく除雪車が走り回っているような中では早々のんびり出来ません。とりあえず、村の北にある村の全景が見える荻町城前展望台(おぎちょうしろまえてんぼうだい)に行くことに。バス停留所近くの白川郷案内所で簡略マップを入手していたのでそれを元に歩いていたのですが、しばらくしてどうも展望台に行くためのバスが出ているらしいということを知り、しかし戻るにはあまりの距離を歩きすぎていたため「若いから! 若さを生かして!」と雪が積もっている道を歩き続けました。まあ、車が通っているので道に迷うことは余りありません。道中の家の傍にいた人に展望台までどれぐらいですかと聞きつつ、展望台に向かいました。
展望台に近づくと、なにやら演歌が聞こえてきました。展望台傍にある土産物屋から流されているもので、なんというか一安心できる。雪は降り続けており、もう帽子にも服にもリュックにも雪が積もってます。僕の場合は手の先以外の防寒がしっかりとなされている重装備であるため、カメラのことを除けばいくら外にいようが平気なのですが、K君は帽子がない上に靴が普通のスニーカーであるため、次第に靴が濡れてきているようです。靴、年末に買い換えておいて本気で助かった。突然登山を始めようが災害がこようが、ある程度は耐えられることを考えに入れて選んだワークブーツ、ちっとも濡れません。冷たくもならない。とりあえずK君は帽子代わりにタオルを頭に巻いてますが、靴のほうは何か対策をしたほうがいい気がします。
さて、展望台。雪が降っているため次第に遠くが見えなくなりつつありますが、とにかく記念撮影を行い、僕も何枚か写真を取りました。そして土産店で少しぬれてしまったハンカチを乾かし、飾ってある写真を見て四季とりどりの白川郷の風景を見ました。芸能人も割りと白川郷に来ているようで、記念写真が飾ってありました。記念撮影の中にはなぜか「パイレーツ・オブ・カリビアン」の主人公である海賊(ジョニー・デップ)が写っているものがあり、隣の新聞記事を読むと海賊……の人形が山に来た! と書かれているわけで、よくわからないがそういう企画らしい。
この展望台にくるには麓から伸びる日本の道のどちらかを登ってくればいいらしいのですが、僕たちが登ってきた道ではないもう一つの道は通行禁止の看板が雪に埋もれて見えなくなるぐらいに雪に埋まっており、どこに道があるのかわからなくなってました。そういうもんらしい。
帰りはさすがに麓までのシャトルバスに乗り、麓へ。さて、昼食です。
昼食を食べるために麓に下りてきたわけですが、飯を食べる前に二つのポイントを確認しました。一つ、「白川郷の湯」という旅館。ここでは温泉に入れるそうです。白川郷を去る前に入りたいということで、ひとまずここは退却。二つ目は「和田家」と呼ばれる公開されている合掌造りの家です。早い話が人の家なんですが、文化財として公開されているそうです。
簡単に解説。その昔の白川郷の主な産業は蚕と味噌と火縄銃の火薬だったらしい。火縄銃の火薬はいろいろなものを混ぜ合わせて作られていたそうだが、中には人の尿なんてものもあったようでそれを混ぜれば火薬になるということをどうして昔の人は気が付いたのか、不思議である。現代の白川郷の収入源は世界遺産を利用した観光であるが、それにいたるまでにいろいろ努力したらしい。内閣総理大臣からの勲章がいくつか飾ってありました。こんなところで小泉純一郎の名前を見るとは。
昔の人たちの生活や産業に関する解説を診たり聞いたりしつつ、石油ストーブでハンカチなどを乾かしたりしてました。K君はいよいよ靴が濡れて靴下まで水がしみてきているようでさてどうしようかと悩んだ末、昨日の晩にコンビニでいろいろ買ったときにもらったビニール袋を足に被せた上で靴を履けば直接足が濡れることはないだろうと考え、実行。靴下はすでに濡れ始めているため、袋を直接足に被せた後に靴下を履いたみたいです。袋が余ってて良かった。
さて、次に昼飯です。
一度バス停留所付近まで戻って近くの飯屋に入りました。観光地であるため多少高いですがまあいいとします。僕が頼んだのは飛騨牛の牛丼。とりあえず飛騨の名産の一つはこれで食べたことになるか。吉野家よりはおいしかったです。
現時刻は一時です。僕らが乗るべきバスは三時出発。もはやそれほど時間はない。風呂には二時ごろには入りたいなぁ、と思いつつ出発しました。次は白川八幡宮です。
白川八幡宮は村の南にある普通の神社です。なぜここに来たのかというと、「ひぐらしのなく頃に」で出てきた神社のモデルだからです。アニメの中では古手神社と呼ばれ、長い石段の上にあり、すぐ隣には町の全景が見える展望台があるという、つまりは展望台の傍にある神社として描かれてますが、実際には展望台から遠く離れた麓にあります。ただし、麓にあるという点を除けばほぼ、アニメと同じ感じ。付近の建物の配置はあまり変わってません。ただ、アニメの中では村の重役たちが集まる建物が実際には単なる物置であるということについては、まあそんなもんかという感じにはなりました。
神社はこじんまりとしたものですが絵馬を掛けるところはありました。予想はしていたのですが絵馬を見てみると九割がひぐらし関連ばかりという有様。中にはなんか自作したらしいなたの形をした絵馬(?)とかがあり、まあ、かんばってるなぁと思いました。とりあえず、神社にお賽銭投げているのであればいいんじゃないでしょうか。アニメキャラクターが描かれた絵馬ばっかじゃ、神社の神様も呆然としていることでしょうが、とりあえず本人たちは喜んでいるだろうから多分いいんだろう。ところで、何でハルヒとかの絵馬があるんだろう。「涼宮ハルヒの憂鬱」の舞台は兵庫県ですぜ。
村の中央付近にある明善寺は郷土館として公開されているようなので、ちょこっと入ってみました。あんまり人気はないようなのですが、おかげさまでのんびりと資料を見たり三階から見える村の風景輪写真に収めたり出来ました。ちなみに、フィルムはカメラに最初から入っていたものを含めると四本あったのですが、写せる写真は残り一枚です。ずいぶん取り捲っているものだ。
明善寺は現在もお坊さんが使っている家を公開しているらしく、指定されたところ以外は普通に人が住んでいる家らしいです。資料があるところを見終わったら次には本堂に通されて仏様と向かい合うことが出来ました。あまりにも静かなので仏様の前で正座してしばらく瞑想まがいのこともしました。いやー、静か過ぎてただ静かに正座していたい気分です。それはともかくとして、お風呂の時間もあるので長居していられません。とりあえず、お布施をしたのですが、その際、自分が座っていたすぐ横に五円玉が落ちてることに気が付きまして、それもお布施しておきました。なにか得した気分です。
本堂から戻ってくれば今度は居間に通されました。中央に囲炉裏があり、焚き火がなされています。天井からは木の板がぶら下げられており、火の粉があまり舞い上がらないように工夫されていました。焚き火をすることにより煙が上へと舞い上がって建物を支えている木の柱を燻し、非常に良い状態で長持ちさせているのだとか。建物自体は三百年近くたっているらしい。めちゃくちゃ頑丈だ。
さて、時刻は二時一五分というところ、白川郷の湯に向かいました。温泉です。
わりとK君の精神的緊張状態が限界に来ていたらしい。彦根城に行ったときとは僕とK君の状態が逆だなと思いつつ、一路風呂へ。風呂に入れば全てが解決する。
入浴八百円、貸しタオル二百円、手ぬぐい百五十円。それはさておいてまずは建物に入ったわけですが、靴を入れるところはコインロッカーで、百円玉が必要です。ただし、靴を取り出す際に百円玉は返却されます。で、僕が靴をロッカーに入れて閉めた時にはコイン返却口にすでに百円玉があったわけです。つまり、僕の前にロッカーを使っていた人が百円玉を回収し忘れたらしい。ありがたく、その百円玉をまたコイン投入口に入れて鍵を閉めさせていただきました。
突然ではあるが、僕は数字の中では3が好きである。3といえば点を三つ用意すれば面が出来る安定した数字であり、そのほかにも何かバランスがいい気がする。だから3が好きであり、僕は33番のロッカーを使うことにしたわけだ。なぜ3番じゃなくて33番か? なんかそっちのほうがいい気がするじゃん、いろいろと。で、33番のロッカーを開けると前の人が忘れたらしいTシャツがあったりするわけで、なんかいろいろと物に当たるなと思った次第だ。明善寺でお布施をしたのがよかったのだろうか。
裸になり、浴場に入りました。浴場にはほとんど人がおらず、ほとんど僕らの貸切という状態。浴槽につかる前に体を洗いまして、温泉の湯につかりました。あー、気持ちいいわー。バスの出発時刻のことを考えるとそんなにのんびりしていられないのですが、とりあえず一五分ほどいられます。飛騨高山にもう一泊するのであればもう少し入っていられますが……まあ、当初の予定通り帰ったほうがいいでしょう。
んで、露天風呂とかもあったのでそちらに入り、雪が降る中を湯の温かさと雪の寒さを満喫し、お湯を積もった雪に掛けて溶かして遊ぶとかしつつ、最後にはまた中に入ってゆったりと熱い湯を体にしみこませました。やはり風呂はいい。
風呂を出て手早く準備をし、バス停へと向かう途中でお土産も購入してバスに乗り込みました。残りニ、三分でした。
白川郷から飛騨高山に戻り、ゴミをゴミ箱に捨てて高山でのお土産を買いました。白川郷でも見かけていたのですが「さるぼぼ」という赤い人形が何か引っかかっており、お土産や出購入いたしました。ついでにさるぼぼ饅頭も買いました。さるぼぼはその昔、飛騨で暮らしていたおばあさんが子供にさるの赤ちゃんとして渡したのが始まりであるらしい人形で、基本は赤ですが今では風水を取り入れて黄色や緑もあります。僕個人の好みとしては緑がいいのですが、伝統的な人形なのでここは基本とされる赤いさるぼぼを買いました。説明によれば今では厄除けとかもあるらしい。
その後、三時間の電車の旅を開始し、飛騨から岐阜へと戻ってきました。岐阜市では四〇分ほどいられるとのことで、お腹がすいていたこともあり飯屋を探すことに。探し始めるとすぐにK君が行きたい行きたいと言っていたご飯お代わり自由の定食屋が見つかり、大変満悦しての夕食となりました。
名古屋での朝食、きしめん六百円、昼食、名古屋定食千六百円、夕食、ひつまぶし二千三百円、高谷までの朝食は無料、白川郷の昼食、飛騨牛丼千六百円、そして最後の夕食はチキン南蛮定食五百九十円(ご飯お代わり自由)。高山のホテルの朝食を除けばこの夕食が一番安いわけですが、一番うまいと感じました。疲れているということもあるのでしょうが、気軽に腹いっぱい食べられるというところが大きかったような気がしないでもないです。
さて、あとは電車に乗って京都まで戻り、地元の駅でK君と別れ、K君が乗っている電車を見送って家へと帰りました。家に着いたのは午後十一時。白川郷から家まで八時間。青春十八切符ではなく特急なども利用して載っていけばもう少し時間短縮できると思いますが、なかなかの長旅でした。
お疲れ様でした。