塊素の生きる現実(日記)

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鳩山総理が辞任
鳩山総理が辞任
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怪しい会社
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三次面接
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京都の会社
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梅雨入り
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サーバの OS 入れ替え
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2016年12月09日
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効率が上がらない

 六月 四日、金曜日の話

怪しい会社もあります

 本日は企業の面接に大阪に行きました。

[◆]怪しい会社

 本日、面接を受ける会社は大阪の会社です。てか、二次面接を見事通過した会社と位置的に近い。一つ交差点を越えたところだし。そう、それなのに道を誤り会社を探して歩き倒してしまった僕は地図の読み方が下手糞なのかも知れない。約束の時間前にはついてよかった。

 さて、今回の会社はどこからどう見てもベンチャー企業の類です。判り易い看板が出ているわけでもなく、下手すると見落としてしまうような小さいビルの中にありました。

 挨拶をして通された部屋はオフィスビルというよりはマンションの一般住居用スペースを改築しただけのような手ごろな狭さで一番奥に応接用のソファがあり、その隣は社長の机です。机などだけを見ると立派なんだけど、間取りが悪いせいで全体としてあまり立派に見えない。

 さて、今回の企業は直前に履歴書などを送って選考してもらうタイプではなく、持込です。履歴書を持っていてってその場で見てもらって判断の材料とする、僕としてはあまり好ましくない選考方法です。一通り読んだだけで全部判るものなのだろうか。手腕がある経営者ならば可能なのだろうか?

 で。社長による面接が始まりましたが、始まったのが履歴書そのものの内容ではなく、僕が卒業した高校のレベルはどんなもので、卒業した人はどんな大学に行ったのかとか大学に行っていない人はどこに就職したのかとか、その辺りを突きまくられました。正直、僕の高校の先輩方がどこの大学を受けてどうなったのかなんて知りません。就職した人たちがいたのかどうかさえはっきりしないのに、どこに就職して行ったかなんてわかりません。「それを知らないのはおかしいでしょ? 普通は把握しているはずだよ。あなたがそれを知らないのは解せない」なんて言われたって、僕の脳みそにインプットされた気配すらない情報はどうやっても出てきません。

 お次は大学です。大学で社会心理学を専攻していたことを話せば「今の沖縄の人たちは普天間問題で騒いでいるけれど、あれは社会心理学的にどうなの? 群集心理でしょうが、あれ」と質問され、「研究していないのでわかりません」としか答えられませんでした。僕の勉強した社会心理学はアンケートを作成してそこから得られたデータを統計的に研究することで心理を理解する方法だったので、アンケートも何もせずただニュースを見て分析できるようなものじゃありません。んでもって、社会心理学の学び方について「路上の人や学内の学生からアンケートをとり、研究教材としていました」と言えば「いやいや、そんな身近なところばかりじゃなく、大阪全体とか日本全国とかその辺りからアンケートをとったほうがいいんじゃないかな?」と返されまして、この人うちの大学を税金が潤沢に使える国立研究機関かなにかと勘違いしているんじゃないかな、と思いました。

 ちなみに、この社長の言動から察するに普天間問題について政治と切り離した上で社会心理学的に語ることが可能だと思っているっぽい。あれらの問題はもろに政治的な理由であり、切っても切り離せません。なのに「いや、政治的な話じゃなく」と言ってくるのだから、この社長は沖縄の人が政治的なことを理解せずただリーダー的な人に先導されているだけだとでも思ってるのかもしれない。

 ちなみに、こうした僕自身に関係ありそうで微妙にない質問の数々は「あなたの人となりを見せてもらうためにしているものです」だそうで、その場ではそうなのかと思いましたが後で考えるとやっぱおかしい。学歴重視の人なんだろうか、この社長は。

 「私は三言交わしただけでその人のことが80%解ります。もちろん、『天気いいですね』って言うことを話しても解りませんから、それがわかるような会話をさせていただきました」だそうですが、三言で人の八割がわかるのは実にうらやましいことだと思いつつ、三言で八割がわかる割には社長室兼応接室の見栄えは悪い。あと、三言で解るという割にはこの社長、よくしゃべる。僕が来るまで暇だったのかな、と思うぐらいしゃべる。

 あと、「あなたは自分の弱点はなんだと思いますか?」「断定口調で話すことが多く、人の神経を逆なでしてしまうことがあることだと思います」「そうでしょう、そのことは私も今までしゃべってきて見抜いていました」って、なんというか、もしも僕が自分の弱点について別のことを言ったとしても科白変わらなかったんじゃないかな、と思うような場面が三回ほどあり、わかっているというよりは僕の応答に機転を利かしているだけという感触があり、この面接で僕の社長への不信感はかなり高まっていました。例え就職できたとしても、この社長とは仲良く出来そうにない。

 さて、おそらくはここからが本題だったんじゃないかな。

 「今の面接であなたの人となりを見せていただきましたが、おそらくあなたは仕事があれば残業してでもがんばる仕事熱心な人でしょう」云々と続いて「しかしあなたの合う仕事が会社に来るとは限らない」などなど、「私どもの会社にもミスマッチは存在し、暇をしている社員もおりますので多くの社員を社内に入れておくことは出来ない」、そして「社員としては雇えないが善意として、あなたに合う仕事をあなたに回すことが出来る」と来ました。

 つまり、個人で仕事の下請けをしろ、ということです。なんという無茶振り。どう考えても怪しい。現在、僕は履歴書や職務経歴書を持ってきてはいますがだからと言ってそれだけで僕の能力が信用できるものではないはずです。僕の能力には信用がないんです。有名どころの社員だったわけでもなんでもない。そんな輩に仕事を回して仕事が成功する確率は低いというもの、会社が取るべき方法ではありません。「あなたは仕事が出来てお金を得ることができますし、私たちはマージンを得ることができる。仕事をするためのノウハウは教えます」だそうですが、それなら社員にしろ。てか、社員に暇している人がいるんじゃなかったか? そっちに仕事回せ。

 その場では整理しきれなかったので回答は保留にしました。求人票にも書かれていない案件についてこの場で回答してしまう事は絶対に危険です。業務内容だけを聞けば誰も損をしないように聴こえる。が、それは宝くじを買えば百万円が手に入ります、と言って外れが混ざっていることを言っていないのと同じ感触がします。

 社員としては不採用、しかし仕事を回すことが出来る。後半は回答保留です。

 帰り道で考えたのですが、ありえそうなのがわざと難しい仕事を回して失敗させて損失賠償を僕に支払わせるとか、仕事の成功報酬をごっそりピンはねするとか、実によろしくない想像しか湧いてきません。社員に暇している人がいるのであれば、仕事を外部に委託しなきゃいけないほど仕事が入ってきているというわけではないだろう。全部社内だけでやってしまえば丸儲けになるのになぜ、わざわざ外に出すのかが解らない。

 実に怪しい。

 まあ、何人かの人には尋ねてみますがひとまず、この案件は断ることにします。なんと言っても、僕自身があの社長を信用できない。たとえ、本気で善意で何の悪意もなく僕に仕事をくれているのであったとしても、僕はそれを受けない。本当に腹に何も持っていないのか信用できないから。僕には人の心を読む能力なんかありません。もしもこれが善意だけで行われているなら、なおさらたちが悪い。社員さんたちはさぞ苦労していることだろう。

 やれやれ……。

 ちなみに、この話を親にしたら「その社長、大学に行ってないんじゃないかなぁ」というコメントをいただいてああなるほどと納得しました。大学っていう場所を何か勘違いしていたのはそういうことか。いやぁ、僕はてっきり、日本全国規模でアンケートをとるのが常態化している超有名大学の出身なのかと思っちゃったよ。はははー。