混沌(カオス)の国のアリス…
このたび、月闇さんが描こうと考えている小説の骨組みです。これを読んでもらい、「面白い、面白そうだ」という感想が来たならば、描いてみようかな、と月闇さんは言っています。
さて、どうですか?(笑)
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第1章 [うさぎとの出会い]
―奇妙な格好をしたうさぎは私の目の前で魔法を使った。
それは物凄く不可思議で、残酷な現場だった。魔法で作り出した黒い獣は次々にトランプの兵隊に襲いかかった。
血が飛び、男性の低い断末魔が木霊する。その中を、獣は腑を喰らい尽くしたのだった…。
事が終わると、うさぎは私を見てこう言ったのだった…。
「明日になれば、君にも使える力だよ」
うさぎは静かに微笑んだ…。
第2章 [チェシャ猫の策略]
―にやにや顔の猫は私を見て、何やら言っている。
いや、術だ。黒魔術だ…。
うっ…。
視界が曇ってきた…。やっぱり、私はこの世界にいてはいけなかったのだ…。
―時計うさぎは私の目の前に再び現れた。
私の心は彼の血を欲しがっている。
私が手にしたナイフは震えているのだ。
これからの行動を見据えているのか、彼は…。
「チェシャ猫め。煩わしい手を使うとは…」
そう言って、印を結び始めた。
第3章 [卵の悪魔]
―目を離した途端、ハンプティ・ダンプティにひびが入った。
まもなく、黒い影が彼の中から飛び出したのだった。
その黒い影はみるみる上空へと上がっていった。その逆に中身のないハンプティ・ダンプティだった殻は頭部が割れているながらも、 未だに白いままである。
先程までの彼が手にしていた杖は、もうそこにはなかった。
―チャイルド≠ニ名乗る黒い悪魔はマーム≠フ杖を握り締めながら、こう私に話しかける。
「これは遊び(プレイ)だよ。僕と共に…」
時計うさぎの懐中時計が逆回転を始める。
するとチャイルド≠ゥらは黒い霧が消え始めるのであった。
「戦いは遊びじゃないんだよ、坊や。」
うさぎが諭す。
そして私は鍵を使い、大気から引き出した銃剣のトリガーを引いたのだ。
第4章 [狂乱の宴]
―艶やかな姿で三月ウサギが芝生の上で寝転んでいる。
その傍らで、帽子屋が身支度をしている。
「おや、残念。折角のショーだったのですが」
眠りネズミの頬を撫でながら、私に目線を合わせた。
「最低ー!」
私の叫び声が響く。しかし、周囲には誰もいない。
もしかしたら…。
恐怖は間近に迫っている。私は地面から抜き出したレイピアを構えた。
「そんなものじゃ…、無理ですわ…」
うつろ目のネズミが私に話し掛ける。
第5章 [白群]
―死人に真っ白い鳩が群がっている。
中には、赤いものやどす黒いものなど…。
残忍な現場が物語っている。
暫くすると、鳩は全てが何処かへ飛び立っていく。
そして、それを合図かのように毒々しい巨体の芋蟲がゆっくりと現れた。
蟲はその骨までも喰らおうとしているのである。
―鳩は一箇所に集まり、みるみるうちに翼を持った天使のような姿へと変えていった。
手にはヤリを持っている姿は、力天使(パワーズ)そのものだった。
「貴方は私の彼を奪った。死んでもらうわ…」
そう言って、羽音を響かせている。
第6章 [秘薬]
―硝子に閉じ込められた私が助けを呼んでも、うさぎは助けに来ない。
死んだと思っていた、チィシャ猫の罠に再びかかってしまったのだ。
第7章 [薔薇]
―ハートの女王(クイーン)はスペードの国王(キング)を石畳の広い広場で断頭台にかけようとしている。
自らの夫をも自分の糧にしようとするのであろうか。
周囲に集まった群衆は口々に叫んでいる。
「殺せ、殺せ…」
誰かに操られたように方向性が一定している。私は、洗脳されていると考える他はなかった。
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