03. 拒 ―― [request] |
投稿者/jojogaraba 更新日/2010/05/30 02:00:29
―まって。
―え? 君が止まる。 僕も止まる。 ―まだ、願い事、残ってた。 ―そうなの? うん。 考えてみれば。 あの日、君と出会って、僕は色々な願いをかなえてもらった。 君の力で。 ―何一つ僕がやってないね。 君はいつもの表情で僕を見ている。 ―じゃあ、次の願い事は? ―僕の願い事はね。 君と出会ったあの日、あの時間になる直前にもどしてほしいんだ。 ―そう。わかった。 と、君が答えた瞬間に、世界はあの日に。 君と出会う直前。 時計は、二十一時三十五分をさしている。 目の前に、突然影が現れた。 街頭の明かりにぼんやり浮かぶような影。 そして、その影はこういった。 君の願い事はなに? 何でもかなえてあげるよ。 そのかわり、最後にひとつだけ、僕の願いをかなえてくれればね。 END |