塊素第一情報区画

〇七年 六月一〇日(日)  [久しぶりのROは]

 久しぶりのROは、僕にとって寒いところでした。

飛空艇

 久しぶりのROといったら、道を歩いているだけで唐突にお遣いが始まったりするようで(正確には、特定のNPCの側を通ると)、気がついたらクエストが四つも掛け持ちになっていたりするようです。写真は飛空挺の係員のものであるが、このあとにまたクエストを押し付けられる羽目に。船をアインブロックで下りて人を訪ねなければならないらしい。こっちはリヒタルゼンの生体研究所に行きたいのに;

 ちょっと話がややこしいので簡単に説明すると、飛空挺に忘れ物をしていった人がいるのでそれを届けて欲しいらしい。さらにこの係員の生い立ちを聞くとアインベフの炭鉱で働いていて、生き別れの娘がどーしたこーしたと。で、忘れ物を届けに行くと相手は不在で、しかしすぐ外にいた女の子が炭鉱で働く人々の歌を歌っており、唐突に「元気の無いお母さんを励まして欲しい」と頼まれ、家に行ってみたらそのお母さんがどうやら飛空挺の係員さんの生き別れの娘さんらしく、それを飛空挺の係員に知らせに行ったら娘の名前を思い出すためにアインベフのどこかの木の下に埋めた遺品を捜してくれと頼まれた。

木の下にある遺品を捜してくれ

 自分で行け。

 こうしたクエストの最大の欠点は、頼まれ方の理不尽さだよね。通りすがりの冒険者に頼むような事じゃないものが多すぎる。

 こうして僕はこの人の娘さんとの関係に興味を失い、リヒタルゼンへと向かったのであった。何が悲しゅうて久しぶりのROで街中のどっかの木の下にあるアイテムを探して歩き回らねばならんのだ。つーか、すでに他のクエストで街中のどこかにいる人を探し回るのに三〇分も使ったのだから、勘弁して欲しい。

 「どこかにいる」、「どこかにある」と、

 アバウトすぎるだろ!!(真摯な叫び)

生体

 さて、リヒタルゼンの生体研究所、2Fである。ここは僕のレベルでは本当に死と隣り合わせであり、気をつけて戦わねば瞬殺されてしまうところである。経験値稼ぎにしてもお金稼ぎにしても警戒レベル的には割に合わず、まあそういう目的ならまず行かない。僕が求めているのは単なる面白さ。自分の戦い方でそこで遊ぶことが面白い。

 アサシンの戦い方とは一対一の暗殺にある。出来る限り相手の弱点を突いた武器を使い、一対一で始末していく。複数の敵と戦うのはよっぽど余裕があるときに限られる。無理はせず、休めるときに休み、敵に忍び寄り、敵の攻撃を許さずに始末していくのが理想。支援を受けられるのであればこの限りではないが、ある意味でアサシンは長時間狩りを続けられる職業だと思う。効率は出ないけど。

逃げ回る

 たとえ、不利な状況におかれても冷静に行動することが大切。沈黙状態にされて隠れることが出来なくとも、冷静に行動すればなんとかなる。

逃げ切った

 テーブル三周のマラソンに勝ち、逃げ切りに成功。ふぅはははー。

 さて、すこし順序が逆になったが、実は別口でWWメンバーがこの生体2Fに来ていた。マップを確認してようやく気がついたのであるが……

せいぜいがんばれ

 WWメンバーからの会話は非常に寂しいものだった。もはや、完全に他人の扱い。ログインしないだけでこうも冷たくあしらわれる事になるとは、つまらないものだな。

 このほかの会話と言えば、「風評被害は勘弁して欲しい」というものだけだった。つまりは、アサシンが一人で生体にいるとその戦い方は無茶なものになりかねず、他のプレイヤーに迷惑をかけて同じギルドである自分らに迷惑がかかるから、できればこのダンジョンから出て行け、ということである。最後の「できれば~」の部分は結果的にそうなる、というだけで本人が口にしたわけではないが、ギルドマスターの孤軍奮闘で風評被害の心配とはこれいかに。

 Worlds Walkers はログインしていなかったとはいえ、僕のギルドなのである。WWの名を広めようと最も努力したのは僕なのにギルドマスターにギルドの名を汚すなとは、冷水をぶっ掛けられた気分だった。確かにマナーの悪い行動をすれば問題が出るだろう。納得しかねる行動をするギルドマスターに付く必要はない。しかし、それは久しぶりに会った人に言う言葉なのか?

 それにしても、今後、ROで遊ぶときは現WWメンバーとは遊べないだろうということがはっきりしてしまった。しゃべるにしても微妙な雰囲気が漂っているし、いまさら友人を新しく作ることも難しいだろう。このご時勢ではね。

 ROもつまらなくなったものだ。