塊素第一情報区画

十一月一二日:後半  [僕の鯖のソロ祭り]

 三週間前から行きたいと思っていたソロ祭りに行くことにした。

 今週は告知も出ていたから、多分あるだろう。

 ソロ祭りというからにはソロギルドなんて当たり前の世界が広がっているのかも知れない。

 多少緊張しつつ準備をして会場へと向かった。

 会場はプロンテラ城の二階、南西の部屋である。

誰もいない

 五分前に到着したのだが……誰もいない。

 いや、アルケミストの人がいるのだが、彼女だけだろうか。「23時まで仮眠」と、ソロ祭りの時刻と一致しているため、おそらくは参加者だろうと思うのだが……。

 気を揉みつつ時計が進んでいくのをみていた。

 午後十一時。誰も来ない。先週と同じく、開催されないのであろうか?

 と、思ったら、

初めまして

 五分過ぎて、人が集まりだした。なかなかゆったりとした人たちである。

 一〇分が過ぎて、どうやら参加者一同が集まったようである。

 全員が知り合いらしい。

参加者一同

 というか、このソロ祭り、どうやらいつもこのメンバーらしい。

 集まった瞬間から始まった内輪ネタでの内輪話に僕は締め出しを喰らった。

三家?

なぜ南北戦争からラグの話に飛ぶのか

 ネタも話の流れもつかめない。円になって座っているように見えるが、空気は僕まで広がっていなかった。

 話を振られることはないと判断し、リアル世界で服をタンスに片付けたりトイレに行ったりしていた。

 友達と電波で喋っていたほうがよほど楽しいことのように思える。

 話の途中で沈没船に帰りたくなったのが正直な感想である。

 一時間ほどの雑談のあと、最初から来ていたアルケミニストさんが退場した。

おつー?

 ここで「お疲れ様でした」という科白が、挨拶以外で僕が喋った言葉である。

 その後、脈絡なく唐突にグラストヘイムに行くことに決まった。

グラストヘイム前

 グラストヘイムには行ったことがない。この祭りは、グラストヘイム調査であると割り切った方がいいような気もする。

 祭り直前の雰囲気というのは、大切なものであるとしみじみ思った。

VS深淵の騎士

 最初、ノービスさんがいるところから妙に思っていたのだが、このノービスさん、ソロギルドを作っている上に実はかなり強い。

 レベルは僕と同じぐらいかも知れない。スーパーノービスになってない辺り、おそらくはノービス愛好家かネタに努力を注ぐネタ師であろう。

 かなりの部分をカードに頼っているようである。

古城内

 グラストヘイム。まあ変なところである。

空中の塔

 外からは大した大きさもないのに、中に入れば随分広い。ザ・ファンタジーである。

 途中で男プリーストさんが調子が悪いと言うので落ちた。

最後にはこれだけで

 ここで戦った所感であるが、頑張れば何とかなりそうな気がする。経験値も多いし、今度来てみよう。

 と、一時間ほどの狩りであっさり帰ることになった。

 首都に戻り、プロンテラ城の会場に再集結、騎士さんは朝が早いと言うのですぐに落ちてしまい、ウィザードさんも早々に去ってしまわれた。

 残ったのは僕とプリさんとアルケミストさんとノービスさんである。

 ここで「清算しないんですか?」の言葉からようやくまともな会話が始まった。

前司会者が抜けて

自覚はあるんですね

グダグダ

 どうやら、前司会者が引退してからというもの、ソロ祭りは事実上の内輪集まりになってしまったようである。

 この集まりはグダグダになってしまっているが、当分の間は変わらないだろうとプリさんは言った。

古参ですね

ソロ祭りは三人から始まった

忘れたよ、あいつのことは

 ソロ祭りはここにいるプリさんとアルケミさん、そして引退した誰かを最初として始まったものらしい。

 ソロ祭りは他の鯖でも行なわれている祭りであるが、今ひとつ判らないと言う。

他の鯖のこと

 ソロ祭りの発祥はフェンリルという鯖らしい。

ちょい批判気味

気を抜くところは気を抜く?

 雰囲気としては、ソロ祭りの人たちは半数が忙しい社会人の人で、しかも年齢は高い方であると思われる。そのため、若い世代の人たちほどROに集中力を注いでいないのである。

 ROの歴史は知っているが、ROに関する話題は少ない。

 全体として、内輪になるのも仕方なさそうな一団なのである。あまり、新規の人を入れようという気がない。それも一つの形であろう。

 午前二時になって解散した。僕の総括感想はこうである。

あれは祭りではない

 ソロ祭りは事実上、知り合いの人たちが定期的に集まる場となってしまっている。

 新しく入ってきた人はしがみ付くのだけで精一杯であろう。これではあまり楽しめない。

 あの一団と仲良くなれるかどうかがポイント。

 僕の鯖のソロ祭りは、それに尽きるのである。