塊素第一情報区画

十一月 五日  [もう放っておいてください]

 この手記は十一月六日に書いております。

 けれども、この日の思いを大切にするために、その時の想いを再現しており、大変憂鬱な内容になっております。

 憂鬱な気分になりたくない方、ネタを求めているだけの方は読まないほうが賢明です。この先には楽しいこともネタも何もありません。ただ、沈没船にずっといて、暗闇の中で疲れたアサシンがいるだけです。

 この日、昨日の友人達の言葉が毒のように僕の心をじわじわと痛めつけてものすごく欝になっていました。

 やることなすこと全部機械的になっていて、時々通信が入ってもほぼ無視していました。

 会話なんか、したくなかった。

頼むから、話しかけないで

 なんで僕はROなんかやっているのだろう。

 なんで僕はROを始めたのだろう。

 なんで今、ROをやっているのだろう。

ヒドラの音を聞き続ける

 BGMを消し、波の音と水滴の音、ヒドラの音(心臓の拍動の音)を聞きながら、ぼんやり考えていました。

 ただ一人っきりでいることが、僕が望むものだった。

 音楽のないこの暗闇で、モンスターたちはなぜ生き続けているのだろう。

 そして、人々はなんでここでずっと戦い続けられるのだろう。

 思考能力が低下していることを自覚しながら、ぼんやり僕にとってROはなんなのかを考え続ける。

 僕は、五日ぐらい、一生懸命ガラクタを集めていたのだと思うと、やりきれない。

 それらは僕にとって、この五日間頑張り続けていたと誇れる勲章みたいなものだったのに。

 所詮、それらはROの金銭感覚の解っていない初心者のつまらない見栄だったのだろう。

 商人を作りたいと思った。

 そうすれば、誰にも文句を言われず、僕の売りたいと思った物を売ることができるだろうから。

 破産露天でも、一日待っても一つも売れないような相場知らずのアホ商人でも、なれるから。

黙って殺されてくれ。

 機械的に敵を倒し続ける。ログは青と赤の羅列文字しか表示していない。

 二回ほど通信が入ったが、返事をする気が湧かない。ただ、ログが流れて行くのを見ているだけだった。

 本当は、色の違う文字があることにほっとしていたのに。

 でも、会話はしたくなかった。誰とも。

逃げれなかった

 ウィスパーカードが出れば、気分は晴れるのだろうか。

 でも、僕は念願のカードが出てもちっとも嬉しくないだろうと思う。

 そのまま誰かに上げてしまうかもしれない。

 僕は、何のためにカードを欲しがったのだろう。

 ただ一人でいる事は、喜びも悲しみも感じないことであることを、ただ感じていた。

 ここで、知り合いが誰か来てくれていたならば、また違うことを考えていたかもしれない。

 人を拒絶した僕に、そんなことを思う資格はないのに。

 この日、誰とも会話しなかった。

 エモによるコミュニケーションはしたが。

 気分が晴れるかと、毎週金曜日に行なわれているらしいソロ祭り会場に行ってみた。

 誰もいなかった。

 また、沈没船に戻っていった。

 ただ、それだけの日だった。