十月 九日、金曜日の話
税理士事務所で働かない?

 税理士事務所での仕事の話が来ました。

[◆]深夜の台風

 夜、台風の強風が散々家を揺さぶってくれました。もーうるさくてうるさくてまともに寝れたもんじゃないです。だからと言って起きることもせず、そのまま寝続けたんですが。あー、うるさかった。

 雨は降っていなかったようですが、今回の台風は風だけだったのかなー。

[◆]履歴書ってやっぱ苦手だ

 二日前に祖母に会っていろいろ話をしましたが、祖母の伝で知り合いの工務店の社長さんに話が行き、そこから税理士事務所の仕事を紹介されました。詳しい話をするためにとにかく履歴書をもってこいと言うことなので、とにかく履歴書用の証明写真を撮影し、履歴書用紙を本屋で買って履歴書を書くことに。ちなみにこのとき、退職届を入れる真っ白な封筒も購入しました。中に入れる退職届としてちょうど良い大きさの養子が見当たりませんが、A4用紙を適当な大きさにカットして入れとけばいいかなぁ。

 さて履歴書ですが、最後に書いたのは二年半前、しかも大学指定の新卒用履歴書です。普通の履歴書を書くのは今回が初めてで、まあ書く内容はそんなに違わないとはいえ、書き損じるのはいかんともしがたい。二時間かけて五枚ほど書き損じを起こして六枚目でようやく清書でき、写真を貼り付けて完成。コピー機が近くにあれば先に履歴書用紙を気ピーしてそっちに練習するんですが……。

[◆]会社からの電話

 ここで、会社から電話がかかってきました。僕の上司からで「税理士さんと相談してるんやけど、君の都合のいい形に出来るかどうか調べてもらってるんでその結果を火曜日に連絡する」とのことらしいです。僕の都合のいい形とは、一身上の都合で辞めるのではなく、会社都合で辞めた形にする、と言うことです。

 火曜日の結果でやっぱりだめでした、と言う話になるとやっぱり退職届を出さなきゃならなくなるのですが、めんどうだのう。退職届書くのはいいんだけど、会社に入りにくいしなぁ。昼飯時に渡すのがいいんだろうか。

[◆]税理士事務所の話

 さて、税理士事務所の職の話です。履歴書を出すのはいいんですが、しばらくは休養したいという思いがあり、すぐに仕事に尽きたいというわけではありません。それとあまり都会の中での仕事に携わりたくないと言うのが心情です。少し田舎に行きたい。基本的にインターネットがあれば何とかなる体質をしているのであれがないこれがない、と言うのはそんなに気にするところではありません。その辺りははっきりと言わなくては。

 相談相手となる工務店の社長さんは昔から付き合いのある人です。我が家のペットと言えば現在はフラットコーテッド・レトリーバーの黒犬ですが、その前は柴犬でした。その柴犬をくれたのがこの工務店の社長さん。また、今も僕が使い続けている部屋を作ってくれたのもこの工務店の社長さんのところであり、僕が大学に無事に入学できたのも実はこの工務店の社長さんのおかけです。うちの大学の出願状況を確認できるウェブページを紹介してくれて、競争倍率が低くなっている試験を指し示してくれました。あわてて願書を出しにいき、指し示された試験以外の試験では落ち、指し示された試験では合格して無事に大学に入学できたと言う、世話になりっぱなしの人だったりします。

 約束の時間に工務店のほうに訪れ、話をしました。昔から付き合いがあるのでそれほど緊張なく……どころか、相当打ち解けた感じで話をすることが出来ました。いろいろ話を受けてもらいましたが、農業をやりたいと言ったときにはさすがにあきれられてしまいました。

 まず一つ目。今の世の中、男は営業をして何ぼだそうです。男は営業で外を走り回り、女は事務で引きこもり。それが今の社会の形だそうで、営業が出来ない男に職なんかない、とのこと。もしも営業をしないのであれば給料が安い会社に行かざるを得ないこと。そして、僕はどう見ても営業には向いていない。無理やり入れても一ヶ月で音を上げそうだ、とのことらしいです。もしも営業以外で働くならば稼げる資格をとるしかないとのことで、税理士の資格はある程度それに適合するとのことで、税理士さんについて回って五、六年必至に勉強して税理士になるといいだろうと。土、日は会社が休み出会っても勉強し続けなければ金は稼げない。お金ってそういうもんだと言われました。

 この時の僕の返答として、「お金よりも休みがほしいです」と答えたら何とも悲しい顔をされまして、「最近の子はみんなこう!」と言われました。こういう子が増えてきたのはすでに上の世代が稼ぎすぎててお金を欲しがる世代ではなくなっていること、生きていくだけならそんなに稼がなくてもいいこと、稼げる職にはすでに自分よりも優秀なやつで埋まっていることなどが考えられ、稼ぎにくい世の中になっていることが考えられました。

 二つ目。農業をしたいと言っても、農業だけで生きている人なんか今の時代にはいない、と言うこと。主な稼ぎは別の仕事でまかない、家に帰ってきてから農業をやりだす人が大半で、農業だけで生きられる世の中ではなくなっていることが述べられました。これはいたるところで聞いています。つまり、農業をやりたいと言ってもそれだけじゃ生きられない実情があると言うことで、僕の考えは甘いと言うことです。

 三つ目。若いうちに休んでしまうとそこからもう動けなくなる、とのこと。若いうちは何が何でも稼いで動かないといけないという。

 以上、三つの話をされました。今回の話し合いの元、税理士事務所への紹介は無しとなり、「二、三ヶ月、ちゃんと考えてね」と言われました。今の状態で考えると、間違いなく税理士事務所の職に就くことはないと思われます。興味がわかない。労働条件が朝の九時から午前零時頃までで休み無しっていわれたら仕事よりも自分の趣味を優先したい僕としては蹴らざるをない。

 金にならないことが好きな人間には生き難い世の中だね、本当に。


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