十月 一日、木曜日の話
僕のやりたいことってなんだっけ?

 喪失感を感じる理由はこれだ。何をやりたいのか、はっきりしないんだ。

[◆]自分のやりたいこと

 自分のやりたいことが何であるか、わかっているかどうかって言うのは人が動く原動力としてなくてはならないものである。大抵、道を切り開くのは何をしたいかはっきりと分かっている人間であり、何をしたいのか良く分かっていない人間は立ち往生すると相場が決まっている。そして僕は立ち往生していると感じるわけだ。実に憂鬱。

 今の状況は鬱病みたいなもんではないかと感じている。ああつまり、鬱病って言うのは何をしたいのかまったくもってして分からない状態のことを指すのではないかと思うね。何をしたいのかはっきりすれば鬱病なんざ掛かっている暇はないだろう。が、何をしたいかが本人にわからないというのであれば鬱病の根本的解決なんざ不可能だろうなぁ。他人がどうのとできる問題ではないし。

 いまさら自分探しの旅をする気なんかはないが、こういう心境に陥ってみるといろいろ考えることが面白い。そういえば、大抵の漫画やアニメや映画って言うのは、主人公が何かやりたくて行動を始めたものって少ない気がする。大抵は先に状況からやってくる。それに巻き込まれ、状況に突き動かされていくのが大半だ。つまるところ、それだけ自分で動くのは難しいということ。自分から進んで動いている人間は僕の周りにはそんなにいない。身近なのはうちの会社の社長だったりするのだが。ま、自分から動かなきゃリーダーにはなれないしね。

 その辺りはさておき、僕自身にやりたいことがないのかと言えば、一応は世界群歩行者達の設立を挙げることができる。問題は、どうやったら設立できるか分からないことで、とにかく必要だろうと思われるものを先に習得すると言うならば次にやるのは農業か酪農か。食料の自給自足を実践するためには農業知識がいる事は間違いないのである。しかし、今の仕事よりは気合と覚悟がいる事は確実で、体力がいる。お金も入らないだろうから、ほとんど修行に近いだろう。まあ、訓練だね。

 ただ、とりあえず田舎に行きたいというのはある。都会の仕事は辛い。すでに労働力はあまっており、環境のいい職場は僕よりも能力がある人間で占領されてしまっている。今の時期では再就職できたとしても、それは今の職場よりも劣悪な場所しかないだろう。それならば、たとえ劣悪であろうとも人が少なく空気のいい場所に行きたい。都会の空気にはうんざりだ。

 妹からは仕事をやめたら国外に旅行に行けと散々言われている。とりあえず、広く歩き回ってみるのもいいだろう。そのまま失踪するかもしれないがね。


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