八月 七日、金曜日の話
納涼会

 本日は会社の飲み会です。

[◆]納涼会

 今日は会社のほうで飲み会が行なわれることになりました。ちなみに、納涼会などと言うものは昨年も二年前も開かれておりません。今回はここ最近の元顧問の問題で社内の空気が悪くなったことに対する景気付けと社長が作ったソフトの名前発表会がメインです。

 納涼会を行なうに当たり、僕は戸締りなどを行なうために最後に会社を出ました。納涼会会場となるお店にはテーブル四つが用意され、社員が思い思いの場所に座っていました。結果として、社長がいるテーブル席には誰も座っておらず、最後にやってきた僕が社長の前に座らざるをえず……つーか、ほかの人から「お前はあっち」と身振り手振りで指示されまして。おかしいじゃん、普通、こういう時って上の人は上の人たちと、中ぐらいの人は中ぐらいの人たちと、下の人は下の人たちで固まるもんじゃないの? なんで一番上の人と一番下の人間が同じテーブルに向かい合わせに座るのさ? 上の人たちの四人中、二人が仕事から手が離せなくてこれない? それはしかたない。しかし、残りの一人の人が別のテーブルにいるのはなんなんだー。

 気まずいと言う感触はなかったが、とりあえず、社長と僕との間にこれといった会話はなかった。せいぜい、自動車免許の話とウィンドウズビスタとお酒についてぐらいだろう。あとはお肉がうまいだのどうのと。社長が若い頃は家に帰ってから酒を飲まない日はなかったそうだが、そんなにいいものであるとも思えないのだが……。今の時代、便利になりすぎてお酒を摂取することの得よりも損のほうが多いことが、科学的データとともに分かってしまったから、さらには実際に酒を飲んだ人たちがどんなことをしてきたか、と言うのを若い人たちは如実に見てきたわけで、あまり飲みたくない若い人が増えてきたって不思議ではないと思うのだがね。酒を飲んだ後に現れる姿は、あまりにも醜い。

 隣はとある電車の路線の快速はどことどことどこの駅に止まるかについて話しており、反対側は野球ついて話しており、その反対側はワインについて話しており、そして反対側は芸能人の覚せい剤使用事件について話しており、さらに反対側は何か話していて次には反対側が何か話していて、真ん中は「お肉おいしいですねー」。誰か助けて。

 結局、あとからやってきた上の人も社長と同じテーブルに座らず、助けは来なかった。

 ちなみに、社長が作ったソフトの名前は社員が考えた名前でなく、社長自身が考えた名前に決まった。一番妥当だろう。そのソフトについて詳しく知っているのは社長であるのだから、社長が名前をつけるのが最もいい。ただ、その名前がね……あまり個性的な名前ではなかった。名前にはそのソフトの役割となる処理の名称が入っているから、他のソフトと間違われることはないだろうが……。まあいいか。社員から募集された名前には佳作作品が選ばれ、佳作を取った人には金一封が配られた。僕の考えた名前も佳作入りしました。

 納涼会が終わり、解散となり、いつものパターンで一部の上の人と若い人間で二次会開始。

[◆]二次会

 やや酒が入っているものの、とりあえずおつまみと酒を頼んで二次会を始めました。今回の二次会はお決まりのバーではなく、会社近くにある、最近上司が気になっていたお店でした。表から見た印象とは裏腹に奥行きがあり、広いお店です。

 二次会の話題はやっぱり彼女のいない若手社員を肴にした男女関係の話とか。浮いた話は一切ありませんぜ。その他、会社の運営や最近の政治について、軍隊は必要かどうかとか電話回線がどうしたこうした。

 話をするのはいいんですが、若手社員の、僕ではないもう一人がトイレで吐いていることに気が付いて少し心配しました。ほかの人がいないところで無茶はするなと声はかけたものの、相手が相手だけに難しいところです。

 全体的に話は覚えていないのですが、まあいろいろ話しました。

 そして、僕とほか二人が終電まじかということで帰ることになり、上司二人と僕ではないもう一人の若手が三次会へ……。大丈夫かなぁ……。


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