七月一八日、土曜日の話
大学ゼミの同窓会

 本日は大学生時代のゼミの同窓会です。

[◆]カジュアル?

 本日はゼミの大学の同窓会に行くのでここ最近の休日には服屋に行ってみたりしていたのだが、これと言って気に入るような服はなかった。もともとファッションとは程遠い人間である上にあまり街にも出ない人間である。自分の気に入るような服を売っている店を知らない、と言うのはわりと響くものである。

 うちの母親に言わせればカジュアルな服装がいいらしい。さて、カジュアルな服装とはどういう服かまったく分からないのであるが、多分若者向きということなのだろう。しかし、おそらく僕にはカジュアルな服よりもぱりっとした服装のほうがいいと思うのである。スーツによく似ているような。

 結局、これといった服もなかったので捨てに手持ちの服から選んで着ていくことにした。服選びも難しいものだねぇ。

[◆]大学ゼミ同窓会その1

 午後八時に大阪の某所に集まり店に行く予定だったのだが、学生だけならうまく集まれたものの先生との伝達に齟齬があったのか損失があったのか、どうにもぱっと集まることができず、多少時間が掛かったものの、なんとか集まることができて飲み会が始まった。

 先に大切な部分をあげておこう。

静粛な妻が厳格な夫を作る
 先生が大切なこととして挙げた項目。夫婦間の力量には相互関係があり、片方が弱いと片方が強くなることが確認されている。つまり、静粛な夫が厳格な妻を作る場合もあるわけだ。
 先生の話はここまでだが、この話は夫婦間と言うよりは男女間の話で、社会的に女性が優遇されてきているのはつまり男が弱くなったんだろうなぁと思う。
友人の結婚のご祝儀は損にはならない
 結婚が遅くてもあせる必要はない。先々に友人が結婚して言っても、ご祝儀に苦しむ必要はない。自分が結婚したときに自分が払った分など取り返せるからである。
 結婚できなきゃ丸損でしょう、とは流石に言えなかったけども。

 さて、続いて飲み会の会話の中味についてであるが、この年になると興味のある話題って言うのは大体絞られてくるらしい。結婚と仕事である。

 この集まりの中では既婚者は一人(先生)、結婚候補がいる人が二人、彼女に振られたのが一人、相手無しが二人らしい。ちなみに、相手無しのうちの一人は僕である。女性の一人が彼女に振られた男性に対して「あんたがモテる男に分類されるなら、この世の全ての男はモテモテよ!」と発言した時、あ、僕は男に分類されてないんだと気がついて実に残念に感じたのであるが……。

 まあ、実際のところはそうなのであろう。世の中じゃ性交渉の初体験年齢も小学生の世代まで下がっている。性交渉に関するアンケートでは高校生の五割が体験済みであり、彼氏彼女がいないというのが異常、彼氏彼女ができないのは気持ち悪い何かを持ち合わせているからであると言われているぐらいだ。確かに僕は性格と思考に問題があるらしいし、笑ってしまうぐらいに稼ぎもない。日本社会の中では完全に下級の人間である。今にも縁から滑り落ちて転落しそうっちゃー転落しそうではある。相手にしてくれるのは金を払って買ったゲームだけってかー。

 そのことについて述べる機会があったので述べたら、「彼女か出ないなんてただの言い訳」とばっさりだった。まあそうであろう。本当に伴侶が欲しいと思っている人間は見つけるための努力をしてすぐに見つけるものらしいし。何か努力しましたか? と質問されたら答えは「いいえ」だ。努力の仕方すら分かりません。最終的に僕が手にする答えは「望むな。欲しがるな。黙ってろ」である。気楽と言えば気楽なので、しばらくはこの状態が続くであろう。場合によっては死ぬまで。

 仕事については女性陣はまあまあ満足しているらしい。先生を除いた男性陣はどちらも仕事を辞めたいと考えている。給与の話も多少は出たが、ボーナスに五十万円貰っている人もいれば〇円の奴もいる。夏休みが一週間の人もいれば二日の奴もいる。そしてこういう話になると「転職すれば?」と実に簡単に言われるのであるが、転職の当てがない。転職するにしても横滑り(B企業からB企業)では意味がないので、なにかしら足がかりが欲しいところだが……今の状態じゃ勢い込んで飛び出しても、崖から飛び降りることになりかねん。

 ただひとつ確実にあるのは、単独ソフトウェア開発企業は絶対に駄目だ。組織として取り組むにしても、企業として儲けが出ることを前提に作るものじゃない。ソフトウェア開発は金食い虫である。本来なら、企業の一部門的な扱いをしてもらったほうがいい。単独ソフトウェア企業は基本、受注を請けて仕事をすることになるが、買い叩かれるので理不尽に儲けが出ない。組織の末端として働くなら、後ろ盾のある場所がいい。

 ただ、自分のやりたいことを貫きたいなら自分で会社を作るべきだろう。人を雇うことはあまり考えないほうがいいかもしれない。後ろ盾がない分、予算はギリギリのものしかないし、最低限の給与しか供給できない。休みも十分に供給できない場合がある。この辺りの不満を解消するには社員と意識的な合意が必要だ。合意がない場合、僕になる。

[◆]大学ゼミ同窓会その2

 二時間が過ぎて飲み放題が終了した辺りで別の店に行くことになった。先生お勧めのバーで、壁埋め込み型の大きい水槽がいたるところに設置してあり、中を割りと大きい魚が泳ぎまわっていた。

 二次会になるとどうにも酒が回っていて、話をしたり料理を食べたりする分には問題はなかったが、あまり話を覚えていない。大学卒業生としてレポートを書いてほしいとか、本日は都合により来れなかった二人の近況を誰か知らないかとか、少し細かい話が多かったと思う。

 零時ごろまで二次会は続き、そろそろ終電がーと言うことで店を出た。やっぱ、いろいろしゃべれると楽しいねぇ。いろいろな面でほかの人との落差が激しいので暗鬱になる部分あるにはあるのだが。

[◆]同窓会のその後

 おそらく、本日の僕の日記を読んでいる人はここからの話が気になるところではないかと思われる。

 終電がーと店を出たが、駅までの距離がありすぎた。早い話、終電に間に合わなかったのである。そして、家に帰るのに電車が必要だったのは僕のみで、ほかの人はタクシーや家族の車送迎があったりで平気だった。当初予測していたカラオケもなかったため、一人で大阪のどこかに泊まらざるを得なくなったのであるが……まあ大阪で泊まるといったらネカフェが妥当だろうと言うことで、僕は適当なネカフェの前で別れたのである。


 どっこいネカフェには入らなかった。

 ビルの中、ネカフェの入り口前でカバンから大阪の地図を引っ張りだし、現在地を確認。酒が入っているせいで大阪駅からどのように移動してきたかが今ひとつ思い出せず、うまく現在地を割り出すことができなかった。道そのものは何回か来ている道であり、その辺を歩けば駅にたどり着くはずである。ビルを出てとりあえず歩き始めた。

 基本的に歓楽街のど真ん中なので、零時も過ぎたこの時間帯、客引きが多い。危なそうな人も多かろう。マッサージは必要ないです。とりあえず、目的無しに歩いているとバレると危険度が上がってしまうので、目的地があるように装いつつ、同じ道を通らないことが肝要である。

 あとから考えると、南に向かうのはどう考えても間違いだった。北に向かえば少なくとも線路には当たるはずで、駅もすぐに見つかっただろう。ネカフェのある場所から商店街を一旦南に向かい、この方向に駅はないことを悟って東へ。中国語か韓国語かを話していた女性から「エステどうですカー」とか聞かれながら北に進んでいき、なんとか駅にたどり着いた。当たり前だが、この時間帯ではすでに駅もシャッターが下りている。

 もう一度地図を見直して道を確認し、歩き始めた。目的地は僕の会社である。会社に行けば無料で泊まれるし、水も飲めるしトイレもいけるしネットもし放題。ついでに家に帰る時も余計な電車代がかからないと言う好条件である。あと、ソファがあるので椅子に座って寝る、と言うことにはならない。

 夜の歓楽街は僕はあまり好みの街ではないが、まあまあみんな楽しそうだった。着てる服もみんな派手だし。危ない輩がいる事は間違いないのだろうが、なじめば楽しいかもしれん。お金ないからどうしようもないけど。

 会社までの道中、結構人が多かった。自販機の陰や階段でへたり込んでいる人も多いが、三人ぐらいで固まってしゃべっている人も多い。多分、みんな朝に家に帰る人たちなのであろう。公園にはホームレスでもなさそうな人が結構寝転がってた。暗い最中、しゃべっている人も多い。

 やがて見慣れた風景が目に付くようになって、深夜の姿がまた楽しかった。

 会社についてトイレに行き、水を飲み、しばらくネットとかをしていて、午前二時にソファに横になって就寝。次に起きたのが午前六時で、二日酔いを感じながら駅へと向かい、家に帰った。家に帰ったら既に親が起きていたが、僕は自分の布団にもぐりこんでまた寝た。

 体力はまだ平気そうだったが、頭が持たないやー。


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