七月 三日、金曜日の話
木曜だと思ったら金曜だった

 またか。曜日間違い。

[◆]調子悪し

 ここのところ、早く寝たいと思っているのに午前一時半就寝の日々が続いている。原因は難易度ハードで遊んでいるフライトシューティングゲームをプレイしているためだ。1ステージクリアするために何回撃墜されることか。難易度ハードになって敵だけでなく障害物とかも凶悪になり、撃墜どころか衝突して死ぬ。嫌がらせレベルの網の目障害物を潜り抜けなきゃならないとかつらすぎる。三〇回はトライしているが潜り抜けられたのは一度だけ。潜り抜けるにしても激突しない程度にぶつかって機体はほとんど大破状態、次の障害をクリアできずに激突死。僕がへたくそなのだと言えば確かにそうなのだが……。

 難易度ノーマルなら三時間程度のシナリオが六日間掛かって未だに何時シナリオクリアできるか分からない。このシナリオを作った作者に乾杯だ(現在遊んでいるゲームは誰でもオリジナルシナリオを作ることが可能です。ただし、まともなものを作ろうと思ったら相当勉強しなきゃならないです)。

 朝目が覚めたとき、今日は木曜だと思い込んでいた。今日こそは早く寝ようと思いつつ朝食を食べ、自室に戻ってスーツに着替える前にばったりとベッドに倒れこみ、壁に掛かっているまだ七月に切り替えてない六月のカレンダーを見て、今日は七月三日だと思いつつ六月三〇日の後ろに続く空白に数字を入れて言ったら、三日目は金曜だった。つまり、今日は金曜だ。早く寝るも何も、明日休みじゃないか。ああ、今日はやはり早く寝よう。

 そして家を出たものの、電車の中でおなかが痛くなった。おなかよりヤバめの警告を受け取った時、すぐに駅に着いたのに大丈夫だろうと降りなかったのがいけなかった。汗水をたらすほどに苦しくなり、正露丸を飲んだ。そして少し収まり、これで会社まで持つだろうと乗換駅で少しお腹が痛いのにトイレに行かなかったのも悪かった。結局、乗換駅の次の駅でトイレに駆け込んだ。

 調子悪い時は会社に遅刻することにしてトイレに行こう、と誓った。のに、トイレを使った駅で電車を待っているときにまた少しお腹が痛くなり始め、電車が来た時にそこそこヤバいと感じるぐらいに警告が出ていたのに電車に乗り、気が遠くなるような苦しみを再度味わってしまった。またしても次の駅で降りて、今度は駆け込むほどの気力が残っておらず、ふらふらとトイレを探したのであった。

 残りの会社までの道のりは一五分程度であったが、頭がぼーとしてしんどかった。なんて弱い身体だろう。お腹壊すこと自体もそうだが、二回トイレに駆け込んだぐらいでふらふらになるとは。

 そもそも睡眠不足になるぐらいゲームで遊んだり、糖尿病が懸念されるぐらいにお菓子を食べたりするのが悪いんだろうが、それにもまして年取ったな、ということなのだろう。

 やっぱ、長生きは出来そうにないね。

[◆]結婚適齢期はいつ?

 人間の肉体について考えてみた時、子供を作るのに適した時期はおそらく十代後半〜二十代前半である。昔の人間はそのぐらいの時期に結婚して子供を作っていた(元服の風習より)。現在の人間について考えてみた時、日本人に限れば栄養状態を鑑みて大半の人間は適齢期は昔の人間よりも早まっていると考えていいと思う。

 しかし、実際には十代で結婚している人は少ない。肉体的成熟よりも社会的成熟を優先しているせいだが、社会的に成熟するとされる時期があまりにも遅くはないだろうか。基本的には二二歳とされるが、なんらかの組織に、いわゆる正社員として所属していることが前提であり、正社員として所属していても大抵の場合は成熟していると見られるぐらいに収入が増えるのは三〇過ぎである。能力が高い人でも大抵は二〇代後半からだ。昔の人と比べれば、成熟していると見られる時期に十年以上の開きがある。

 男の場合は多少遅れても大したことないのだが、問題は女性のほうだろう。子供を作る、という点においては社会的成熟は何の足しにもならない上に、社会的成熟を優先してしまうと肉体のほうは旬を過ぎてしまう。最近はやたらと援助交際や売春の低年齢化が問題になっているが、金のやり取りがあるのは非常に問題とは言え、肉体的には正常なんじゃないかと思う。子供ができた場合に問題になるのはもっぱら生活費ばかりで、子供ができたから体が壊れた、という話はあまり聞かない。むしろ、医者がいなくても子供を産んでいたりしてかなり健康である。ただ、生まれたばかりの赤ん坊を殺す母親がいるのが問題で……大抵の場合、子供を殺すのは社会的環境が整っていないせいだ。

 このような状況を引き起こしているのは日本社会が社会的成熟を優先しているためだろう。国民の大半には一定以上の学力を要求し、それが満たされなければ満足な生活を送ることができない。もとい、満足な生活を送ることができるような職に就けない。そうした社会でなければ国の発展は望めないし、国際社会の中でも生き抜くことができない。

 国の高度発展には国民の社会的成熟が必要不可欠である。しかし、社会的成熟を強く求めれば人間の生物としての肉体的成熟期を通り過ぎてしまう。少子化は必然としか言いようがない。

 落とし所があるとすれば、国を発展させる人間とそうでない人間で分けてしまうことが考えられるがそんなことをすれば「1%のエリートと99%の愚民」の構図を地で行ってしまうし、発展途上国に落ちればお隣さんにあっさり蹂躙されてしまうだろう。いまさら水準を落としたくない人も多いだろうし。

 やるとするならば各職業の労働力と賃金を一斉に均一化し、中卒だろうが高卒だろうが大卒だろうが似たような生活を送れる環境を整えてしまうことだが、最低賃金すら守られてないのが現状では理想から程遠い。ついでに大卒者から不満が続出することだろう。大卒にしかできない難しい仕事をしているのに簡単な仕事しかできない奴と生活水準が同じとは何事か、とか。多分、大学に行く人が激減するであろう。学校以外でも勉強する場はたくさんあるとは言え、国際社会で生き抜けない。賢い人はより報酬を求めて外国へと出て行くことだろう。

「日本を発展させたい人だけが日本に残り、日本を発展させてくれ」。さて、何人が残ることやら。

 うまい落としどころが僕には見つけることができません。共産党を支持する気もないし。

[◆]ファッション

 ちょいと一着ぐらい、ユニクロではない服でも揃えて見ようかと考えている。貯金もそこそこ溜まったし、そろそろ見かけに金を使ってもいいだろう。ただし、下手に使うと僕の貯金なんてあっさり食い潰れてしまうので事前に情報を収集する必要がある。つまり、今まで一度たりとも買ったことがない男性ファッション誌を購入し、勉強しなくてはならない。

 さて、ファッション誌と言っても複数あり、それぞれ取り扱う志向性が違う、と考えられる。本当なら前志向性を確かめるために全誌購入するべきなのだろうが、全部読みきるだけの気力があるかどうか。ちなみに、再来週の土曜日に大学ゼミの同窓会があるので、とりあえずその辺りを目途に決めたいところだ。

 まずはどのファッション誌を選ぶか、であるが、志向性別に分かれているというのであればまずは自分の志向性を考えなくてはならない。僕の志向性は何か?

 都合がいいことに僕には服装に関する基準が存在する。いわく、
「軽さより厳格さ」
 トリッキーな若者向けの服装ではなく、スーツのようなぱりっとした服装がいい。
 カッターシャツにジャケットか。ネクタイも可。
「軍服のように汚れ構わずある程度の行動ができることが望ましい」
 長袖長ズボンにトレッキングブーツか軍靴が基本であるが、夏場は長袖は暑い。どうするかな。
 ちなみに、ジージャンジーパンは僕の好みではない。

 おそらく、一式揃えるのに五万はかかると予想される。ゆえに買い間違えを起こすことができない。さて。

[◆]オンラインゲーム

 なんか、「オンラインゲームは危ない」なんていうニュースが出てきているらしい。オンラインゲームブームはすでに過ぎてから二年ぐらい経ってるぞ。いまやネトゲのプレイヤーは右肩下がりだ。ネガティブキャンペーンをするならもっと早くにやるべきだった。のめり込む奴は既にのめり込んでるし、のめり込まなかった奴は既にゲームを離れている。ゲームプレイヤーによる廃人化を止めるための啓蒙活動を行なっていたサイトもたくさんあったが、今ではほとんどが閉鎖している。もったいないサイトが多かったと思うよ。

 改めて思えば、オンラインゲームはその商売形式に問題があるため、プレイするべきではない類のゲームである。特に MMORPG は夢想家気質のある人にとって危ない。

 オンラインゲームはプレイヤーがゲームソフトを購入してプレイするわけではないものが大半である。ゲームソフト自体は無料で、ゲームサーバに接続するのに料金が発生する。お金を払わないとゲームで遊べないのはここまでは同じだが、ここからが問題。まず、接続料金を取るゲームは大抵の場合はアカウント制で、一定期間ゲームをしないとそれまで培ったゲーム上のデータが全て削除される。これだけならさしたる問題はないのだが、接続料金を取るタイプはプレイヤーに長く接続してもらわないとお金が得られないため、データを培うのにものすごく時間が掛かる仕組みになっている。そして当たり前だが、終わりがない。

 また、データを培う過程で他プレイヤーとの交流があり、友好関係が出来上がると「友達のために」とゲームを続ける人が出てくる。こうして深みにはまる。そして、次に来るのが数人かがりで戦っても倒せない強い敵であり、強い敵を倒すためにさらに時間をかけてデータを培い……以下飽きるまでエンドレス。

 最終的にはただの数値稼ぎに終始したりするのだが、おおよそは飽きるまでがゲーム期間となる。飽きるまでにはかなり個人差があるため、どれぐらいやれば飽きるかはよくわからない。ちなみに、僕はラグナロクオンラインにほぼ二年間はまっていた。家に帰ればずっとオンラインゲームをやり続けていたという、今思えばどれだけストレスがかかるかわからない生活をしていた。ちなみに、ゲームを終えた後で何か実りがあったかというと、何もなかった。何も。

 ただひとつ思うのは、「ゲームやるならオフライン」。これに尽きる。顔も声も性別すらも知れない赤の他人の生活に合わせてこっちもゲームしていたのではストレスがたまりすぎて辛いものがある。

 しかも、オンラインゲームはストレスがかかっていることに気が付き難いんだ。本当。プレイしているときは楽しいから何も感じないけれど、飽きた後で振り返るとどれだけひどい状態だと感じることか。なるべく、長ったらしいゲームはしないことである。