二月一二日、木曜日の話
激烈に楽になった

 六時にはやる仕事がなくなる。

[◆]やる仕事はないのであるが

 会社での仕事が激烈に楽になった。仕事内容そのものが単純な上に作成するプログラムの仕様確認も担当者が斜め後ろにずっといるためにこの三ヶ月携わった仕事に比べたら雲泥の差である。ついでに、いつもやかましい人も今週は仕事を休むので静かだ。

 そういうわけで僕の仕事は劇的に楽になったわけだが、相変わらずRの仕事に関わっている同僚は地獄を見ている。僕以上にRの仕事から離れたい彼よりも僕が先にRの仕事はなれることになったのは、単純に能力の違いであろう。彼の方が優秀であるからこそ、しんどい仕事に回されるわけだ。

 僕の仕事は六時には終わる。しかし、自分の意思で外されたわけではないとは言え仕事の苦しみを知っている者としては席を立ちにくい。客観的に見ればいくらでも「関係ないなら帰ればいいじゃない」と言えるのであるが、主観的になると今後の人間関係が傷だらけになりそうである。上司とは血を血で洗う関係になってもいいような気がするが、若者同士でギスギスするのは良い事とは思えない。

 そんなわけで、何もすることがないのに社内に残って仕事の相談に乗ったりして午後十時ごろまで残っていたりしたわけだ。六割方、時間を無駄にしていると思うのだが、多分明日も同じようなことになろう。

 さっさと終わらんものかな、Rの仕事。