二月 四日、水曜日の話
どう考えても終わらん

 あと三日で出向は終わりだけど、あと三日で仕事が終わると思えない。

[◆]仕様変更は続々

 初期の仕様書の出来はすばらしく糞であった。そして、今現在も糞さは変わらない。上司なんか「もう何言ってるのかわからない」と仕様内容の理解を僕に投げっぱなしにしてしまっている、どころか「このプログラムってどうやって使うかわからない」と喚いている。仕様内容をチェックして僕に仕事回してるのあんただろうが。いや、気持ちはよく解る。こんな仕様書に付き合っていたらいずれは線も切れるだろうて。

 さて、現在の問題は仕様書の糞さもさることながら、仕様変更が多いことである。データ入力系はほぼ全てが仕様変更されている。よほど単純でないと無傷のものはない。その原因は最初の案件聞き取りがまずかったというのも多大にあるのだろうが、客の要望がまとまっていないというのもあるらしい。オフレコ情報じゃ、昨日、何か壮大なな仕様変更が来たらしく出向先の人たちがどよめいていたと言う話を聞いているが、どうなるんだか。

 まあ、出向先での仕事が終わったからと言って今回の仕事そのものが終了するってことではないらしい。僕はあと数ヶ月は首に鎖をつながれた状態になるようだ。終わる前にうちの会社が潰れなきゃいいがな。いや、個人的には潰れて欲しいんだけど。今の世の中、不況だらけで人切りが相次いでいるってのに自分の会社の滅亡を望むって言うのは僕に余裕があふれているってことなのか向こう見ずの馬鹿なのか、世間的には馬鹿に分類されるんだろうがそれはさておいて、ゆっくり寝たいです。

[◆]僕は目立ちたがりである

 その昔は週間少年ジャンプにラッキーマンという漫画が連載されていて、その中のキャラクターに目立というひたすら目立つことを生き甲斐にした人物がいた。自分の身体を改造してヒーローになってしまうぐらいである。その辺りは漫画だからすごいことともなんともないが、なんとなくそのキャラクターを思い出していた。目立とうとするのだが、実力がないがゆえに失敗ばかりで馬鹿にされているキャラクターだった。

 現在、「命短したたかえ乙女」というゲームで遊んでいるのだが、チャットをしているときの自分自身にどうにも目立ちたがりの傾向があるなという感じがするのである。時々に「サイトを持っている」だの「ゲームサーバを運営している」だのチャットに書き込むわけだ。そうやって関心を引こうとするのだが、今のところ引っ張られた人はいないようである。そして、関心持たれてないんだなと感じて身の内を出すことが少々恥ずかしかったりする。

 今日もそういうことがあった。「命短したたかえ乙女」はゲームとして実によく出来ている。ダウンロード販売もされていて週間売上一位にもなっているようだから遊ばれていないわけではないようだ。しかし、オンラインチャットに来る人は少ない。一対一で遊べるゲームではあるが、対戦相手不足に関する不安は参加者の中に存在するようで、今日はどうやったら参加者が増えるのかという THE DAY OF SAGITTARIUS のほうでも議題に上がった議論が少々行なわれた。

 参加者が少ない理由は大体はっきりしている。

1.ゲーム自体が世間一般に浸透しない。
2.ゲームソフトの物理的生産量、流通量が少ない。
3.上二つの理由から、宣伝が積極的に行なわれていない。宣伝自体も力不足である。
4.ゲーム自体にゲーム的な派手さがない。血湧き肉踊るような演出はない。
5.戦略ゲームなので何かしらごり押しが効くわけでもなく、下手すると逆にストレスになる。
6.ゲームソフト自体が値段として安いので、飽きたらすぐに捨てられてしまう。重みがない。
7.かといって高く出来るほど作り込まれているわけでもない。
8.競争相手は多数。
9.パソコンでしか遊べない。

 上三つは TDoS では涼宮ハルヒの憂鬱のアニメが多少引き受けてくれた感がある。だから来る人は多かった。4〜8の理由により、その大半が一見さんになってしまった感がある。9についてはカプコンのゲーム、ロストプラネットのパソコンプレイヤーと XBox360プレイヤーのクロスプラットフォームの成果を見てのものである。クロスプラットフォーム版で遊んだことはないのだが、かなりのプレイヤーが集まったようで。ただ、PC版とXBox360版では性能差がある上にバグなのか調整ミスなのか、XBox360では出来なくてPCには出来るひどい攻撃方法があったりしてプレイヤー同士で喧嘩が絶えなかった。今は修正されているらしい。

 とにかく、1〜5をなんとかするとある程度人は増えるかもしれない。しかし、ここをクリアするには生活の糧にするぐらいの勢いが必要だ。同人レベルではどうにもならないだろう。日曜大工で出来る範疇ではない。つまり、誰かが開発者の生活を支える、つまりその仕事をしてくれと雇えば問題は解決するかもしれない。まあ普通、それだけの資金を持った人は同人ゲームに関わっているほど暇じゃないだろうから望みは薄い。開発者自身も乗り気にはならないだろう。ああいうのは、全て自分の責任で好き勝手にやれるからやる気が出るんだよねぇ。

 話がずいぶんとそれたが、「何とか宣伝できないか」という辺りで「一日に二百人は来るサイトを持っているから宣伝出して見ましょうか」と発言した。アスキーアート保管庫のことである。僕のここでの期待は「どんなサイト?」と聞かれることであったが、聞かれなかった。やはり、さして関心はもたれていないようだ。また目立ちたがりになってしまい、少し恥ずかしかった。まー、おそらくは恥ずかしかったと言って身の上話をしなくなるということはないと思うのだけど。

 さて、どのように宣伝するかなぁ。宣伝は派手にしたいところだが、アスキーアート保管庫に出すならそんなに派手には出来ない。公式サイトへのリンクを右上にちょこっと出すぐらいかなぁ。