七月一五日、火曜日の話
能力無し

 能力無し、つまり能無しと言いますね。

[◆]ソフトウェア開発は頭のいい仕事か?

 ソフトウェア開発会社でソフトウェアを作っているというと大抵はすごいと言われるのだが、では実際にすごい職なのかというと、世界を動かしている分野なのだからすごいのはすごい。ただし、僕の会社はすごくない。IT企業の最下層であり、大きい仕事はできないからちっさい仕事を日々続けている。それが精一杯。IT企業の中でももっとも能力の低い部類だ。

 能力が低いがゆえにどうしたって年収は少ない。ボーナスなんかビタ一文出ない。「下流社会」という新書によれば、結婚できるとすれば大体四百万円の年収が必要らしいが(統計的な境目が三百万以上、五百万未満)、僕といえば年収は二百四十万。研修期間を含めないとするならば、初任給から上がってない。まあ、一般的に昇給ってどういう時期にするものなのか知らないから、これはまだ普通かもしれない。しかしおそらく、三年目になっても上がってない。つまり、僕が二六歳になっても結婚はできないということだ。

 能力を上げれば何の問題もないのだろう。能力があれば上の会社に転職すればいいだけの話で、年収が低いのは僕にはその程度の能力しかないというれっきとした事実でしかない。能力=年収という考え方は、あながち間違いではないだろうと思います。

 頭がいいと言われても、実際には頭がいいわけじゃないんだよなぁ。そりゃ、頭を使う仕事ではあるけれども、今のところはなんだか趣味のレベルでも何とかなりそうな気はする。趣味のレベルで頭をがんがん痛めている僕はまさに能無しだと言えるだろう。認めたかないが、目の前にあるプログラムと時計の進み具合を比べればぐぅの音も出ない。音を出す前にさっさと仕事を続けなくてはならない。そして、音を出すところか日記書いてるのが今の僕である。能無し&不真面目じゃねぇ。

 仕事始めると、如何に自分が世の中で使えない人間かって言うのが分かる気がする。真面目に仕事やってもなかなか進まないんだ。真面目に仕事やって、出来たと思ったらあっさりミスを指摘されて、ヘタすると問題箇所が分からなくて一時間ぐらい悩んだりとか、「一日の労働時間を自由時間と考えるんじゃない」と怒られるとか。こっちだって八時間で終わらせられるんなら終わらせたいわい。十時間働いても残業手当が出るわけでもなし、ただ僕自身に能力がないから時間が掛かっているだけに過ぎないのである。

 もっと頭が良ければよかったんだけれども。きっと、僕なんかよりももっと頭がすっきりしていて、いろいろなことを考えることが出来て、お昼過ぎになっても眠くならず思考も止まらず、休憩も必要なくて就業の一時間前には一日の仕事を全部終えているような人がいることだろう。んでまぁ、そういう人はどこぞの有名な高校に入学して卒業して有名な大学に入学して卒業して一流企業にでも入っているんだろう。頭がいい事は良いことだ。そして、僕の頭がそうなっていなかったのは残念だ。

 やっぱ、頭の良さって言うのは遺伝とかの影響なんですかねー。頭の構造という意味ではやっぱ遺伝か。先祖代々、そこそこ頭のいい家系だったように聞いてますが僕の代で打ち止めか。残念無念。

[◆]年収の話

 さて、年収の話をすると基本的に年収が高い仕事ってのは、多くの人と付き合う仕事らしいです。多くの人と関係を持つ仕事ほど年収が高い。リスクが高くても年収の低い割に合わない仕事というのはあるわけで、ハイリスクハイリターンが望めるのは人付き合いが多い仕事に限られるように思います。

 本当にそうなのかは知りませんが、もしもそうだと仮定するならば、僕のような会社に引きこもってパソコンとにらみ合いばっかりしている人間は年収が低くて当然と言えます。僕が付き合ってる人間なんて、社内の二、三人しかいませんぜ。もしももっと年収が欲しければもっと多くの人と付き合える職でなければならないだろう。

 社員が十人の会社の社長よりも社員が百人いる会社の社長のほうが年収は大きい。五人の人と付き合いのある営業マンよりも二十人の人と付き合いのある営業マンのほうが年収は大きい。五百人のファンがいるアイドルよりも千人のファンがいるアイドルのほうが年収は大きい。そういうもんらしい。