七月 二日、水曜日の話
下流階層

 今、新書の「下流社会」という本を読んでいる。

[◆]上流中流下流の格差

 妹に「むかつく本だから上げる」と言われて渡された本。それが今読んでいる「下流社会」という本である。まだ半分程度しか読んでないが、面白いので紹介しておこう。ちなみに、どのあたりに妹はむかついたのか、まだ分かっていない。全部読んでないんじゃないか、という気はする。

 日本社会に広がる所得格差に関する意識調査を記した本である。実際の所得の格差というよりは、そこから生まれる各人の上流、中流、下流意識を統計でまとめたものだ。調査期間は一九七〇年から二〇〇四年まで。各世代及び性別ごとに調査を行っている。

 ここ数年の日本社会における各人の階層意識と言うのはかなり変わってきているらしい。最も注目されるのは女性の社会進出による女性の階層化であり、女性も能力によって選別される時代となった。結果として能力ある人は能力ある人同士で結婚するようになり、また能力ない人は能力ない人たちで、とは行かずに御互い出不精で出会いの場が見つからず孤独に生きていく、という状態になっているらしい。上流階級であるほど結婚している人は多く、下流になるほど結婚している人は少ない。しかも、下流の場合はできちゃった結婚が大半だったりする。

 所得的にみると、下流意識を持つ人が多いのは年収二百万未満、中流は五百万前後、上流は一千万。上流になるほど貯蓄額が多く、下流になるほど貯蓄額がない。学力は上流の親を持つ人のほうが高く、下流の人は大学にも進めない。そういえば、親に大学の学費の工面ができない、働いてくれと言われて腹いせに無関係の人を駅のホームから突き落として死なせた奴がいたっけ。