五月二三日、金曜日の話
ぜんぜん覚えられない

 まずい。

[◆]記憶力が危機的状況

 五秒前まで見ていた情報が思い出せない。なんていうか、もう頭がパンパンで新しいものが入る余地がないかのような感触が頭の中を走り回っていて、ごめん、日記に何書こうとしたんだったか。

 ああ、そうだ。ええと。あー。

 多分、こうなってしまっているのは睡眠が足りてないからなんだ。人間は短期記憶領域と長期記憶領域を脳内に持っていて、睡眠をとっている間に短期記憶の必要な記憶が長期記憶に移行するわけだけれども、睡眠が足りていないと短期記憶部分の記憶が長期記憶領域に移り切らないばかりか、短期記憶領域そのものの疲弊がいえきらず、次の活動期間中の新しい情報が頭に入りにくくなってしまう。てことはあれだね、睡眠時間が短くていいという人は、短期記憶領域から長期記憶領域への情報転送速度が爆速なんだね。

 つーことは、最近は本気でやばいってことになるのかも知れない。忘れたんじゃなくて思い出せない。下手すると僕の上司の名前すらすぐに思い出せなかったりするので、記憶障害を起こしてるような気がする。単なる僕の妄想ならいいんだけど、仕事をする上で何回も情報を見直さなくてはならなくてもどかしいことこの上ない。その上、大抵そういうときには眠気を感じてしまって余計に頭が働かない。おそらく、眠気を感じているときには実際に頭のどこかが寝ている気がする。もしかしたら覚えられないのは記憶野が寝てしまっているからかもしれない。絶賛情報移動中だ。眠い。

 今回の記憶障害はまあ、時間が経てばある程度緩和するものだと思うけれども、仕事に支障がありすぎる気がする。覚えられないのも思い出せないのも、どっちにしろ問題だろう。これが理由で仕事辞めるかもしれんなー。


 時間が過ぎれば案の定、記憶力などは回復してきた。しかしどうにも頭がはっきりしないやね。どうしようもないな。