五月 九日、金曜日の話
どうやら、白昼夢を見ていたらしい

 昨日の日記で現状に不満がないと書いたが、それは白昼夢だったらしい。

[◆]サボる暇なし

 今日は朝からサボる暇がなかった。なんともすれば納期までの期間が短いプログラムがまわされたためで、相当急がなければ完成できないと直感的に感じたからだ。サボっていれば僕自身が自滅してしまう。早く帰るためには早く仕事を進めなければならない、と感じたのだ。こう感じたとき、僕の仕事はそこそこ速くなる。が、問題はある。

 早くできるようになった……というって、できたプログラムが受け入れられるかといえばそうではなくなったらしい。今の今まで基本、僕の組んだプログラムは動けばいいや、という状況で放置されていた。つまるところ、動いているかどうかは確認できても中身までチェックされていなかったのだ。それが最近になって、厳しく仕込んでいく方針になったらしい……って、普通逆じゃね? 最初にがっちり仕込んで、後は適当に造っていけって言うのが普通の教育体制なんじゃないの。この一年間教育をほっぽりだしといて、いざ会社が傾いてるから教育を始めるって本当に力配分がわかってねーなー。教育 → 作成 → 修正 → 完成 の流れが正しい。今は作成 → 修正 → 完成 → 却下 → 教育 →修正 → 完成と、必要のない工程が増えてるじゃねーか。

 分析するに、うちの会社は本気で人材を育てる力をなくしてしまっているのがあるのだろう。うーん、そういう中での僕の役割はつまり、「どのようにすれば人材は育つか」というお題目の元にぐるぐる回されることなのだろうが、正直しんどい。複数人に振り回されるので歩調が乱れっぱなし。げろげろ。こんなところにいたら壊されてしまう。誰だよこんなところで働き続けるのもいいなんて思ったのは。休みを十分にとって気力満タンな人間にしか無理だろそれは。つまり、この三日間、気力をまともに回復できなかったわけだが。

 新入社員が入ってこなかったことは僕にとっては運の悪いことであったが、きっと会社のほとんどの人には運がよかったのだろう。そう感じるよ。

 そして、今日の帰宅時間は午後十一時と来たもんだ。この週末は休むことに半分ぐらい割かれそうだなー。