三月　四日、火曜日の話
祝！　二四歳！

　二四歳になりました。

　誕生日になって一年を振り返ってみよう。……仕事、仕事、ゲーム、Ｃ言語、睡眠不足、睡眠不足、睡眠不足。おい、一行も行かずに終わっちゃったじゃないかよ、何だこの一年？　あまりにも寂しすぎる。

　就職できたものの、そこから極端に人付き合いは減った。家に帰ってもご飯とお風呂をいただいたらさっさと寝なければならず、もしも遊びたかったら睡眠不足を覚悟で遊ばなければならない。よってほとんど毎日睡眠不足。家に帰ってから遊ぶったって時刻は午後十時辺りであり、パソコンゲームで遊ぶしかない。何とかしようと思って独自に稼ぐためにＣ言語の勉強を始めて、今のところはあまり状況は芳しくない。どっさり動かせるほどの時間がない。また、最近は体力が落ちてきたことも感じ始めており、午前一時前にベッドに入ってゆっくり寝たくとも疲れているのに寝られない。おいおい遊ばなくても睡眠不足かよ、どーなってんだ？　電車の中じゃ立ちながら寝そうになるのに。

　唯一、自分が生きていることが認識できるのは休日だが、休日だって平日の疲れの埋め合わせをするがごとく、昼まで起きない。起きたところでたいしたことができるわけでもなく、また平日にできないことを一気にやろうとするから疲れと睡眠不足が深刻化して……ああもう、誕生日だっていうのに明るい話題がないじゃないか、やだなぁ。

　この一年で良かったと思えることをあげてみよう。プログラムが扱えるようになった。お菓子を気兼ねなく買えるようになった。ものすごく高級なパソコンを買った。親にお金を渡せるようになった。東京に日帰りでコミックマーケットに行き、ネットでしか会話したことのなかった人に会うことができた。生活用品を自分で買えるようになった。

　……八割がお金がらみだな……。自分で使えるお金があるかどうか、という一点である。仕事を始めてそりゃー自分で好き勝手に使えるお金は一気に増えた。お菓子を毎月三千円単位で購入するなんてこと、仕事をする前には考えられないことである。親へお金を渡すことにより、少しは親の保護を解消することができた。東京に行くにしたって、やはりお金があったからこそであり、こうしてみるとやることなすことどれもお金が必要であると痛感する。その割には、さして満足感が得られないのだが。食べ物や生活用品は十分に揃った。時間がなくてちょびちょびしか食べられないけれど。パソコンだって現段階でも相当に高性能なマシンに仕上がっており、高スペックが要求されるゲームだって何の問題もなく動く。約三十万は伊達ではない。時間がなくて大して触れている感がないけれど。遠くにいる人と会うことができるようになった。時間がなくて全然会えないけれど。

　こうして鑑みてみると、お金が入るのは嬉しいんだが自由な時間があまりにもない。一般的にはこれが延々定年まで続くわけで、保険屋なんかは「老後のセカンドライフは保険でばっちり！」と宣伝している始末でつまり若い間は自由な時間なんかないと太鼓判を押してくれているわけである。そりゃ老人社会になっても仕方ないだろ。老人になってから生き生きし始めるんだから。

　あー、だんだん保険についていらいらしてきた。何で老後保険を押しているのか？　そりゃ老後のことを餌にして金を持っている若い連中から金を集めたいからだよな？　金持ってて怪我も病気もあまりしそうにない若い連中を相手にしたほうが保険屋として儲かるからだよな？　年老いたら適当にお金支払っとけばいいもんな？　何が老後に備えて、だ。馬鹿にしくさりやがって若い連中は遊んでないでせっせと貢いでくださいってか。どうせお金持ってるけど使う時間ないんだろって？　くそっ、まんまその通りなだけに非常に悔しい。

　さて、誕生日が来て今非常に懸念しているが、次の一年、また同じ一年が繰り返されるのではないかと言うこと。もしも有料サイトが実現しなければ会社をやめることができず、世界群歩行者達も実現できず、さらに難しい仕事が回ってきてさらにぼろぼろになるやもしれん。暗い予想しか立たないのがなんとも。少なくとも、現状よりも良くなることはまずないだろう。職業、および会社的に。「何年ここにいると思ってるんだー」と周りの飯屋を制覇しているという上司の言葉にまったくうらやましさを感じないのはなぜだ。むしろ、絶望感を感じるのはなぜだ。その上司は会社を設立した最初の人たちのうちの一人であるから、会社から離れることは考えてないんだろうけれども。

　変に継続が必要な仕事に回される前に仕事を辞めたいところだ。予定ではあと一年。

　なんか他の同じ職種の会社の残業０デーについての話が聞こえる。先輩がめちゃくちゃ驚いていた。残業することが常識なのか、世の常なのか……憂鬱だー。企業はお金が儲かるのかもしれないが、時間的ゆとりがまったくない。この人たちがしたいことが、僕には今のところ共有できそうにない。この仕事がしたいんだろうが、僕はこの仕事をしたいわけじゃないんで。

　仕事ばっかやって労働力だけ会社に搾り取られて、結婚している人は夫婦で仲良くも出来ず子供がいる人は子供の面倒も見れず、満足なんだろうか。僕はこんなんじゃ満足できん。

　それはそうとして、なんか今日はやる気がない。頭の動きも非常に悪いし、何が悪かったのか……早めに寝ようとすると次の日は頭が死ぬとかだったりすると非常に困るのだが。昨日は会社から家に帰って、妹が名刺印刷用用紙が欲しいとか言うので走って買い物に出かけ、夜は眠れないから筋力トレーニングとかしていたのだが、それがまずかったりしたのだろうか。体力がないことを危ぶんでいるところに鍛錬もできませんとかいう話だったら、なんかもう八方塞という感じではある。

　うーん、自分が何をしていたのか、仕事のさなかに思い出すのに時間がかかりったりと時間の無駄が目立って仕方ない。はひー。

　なんか、大学生のころは確実に高校生のときより頭が悪くなっていると考えていたものだが、今は大学生のときよりも頭が悪くなっているように感じる。できることは増えていると思うのだが、代わりに頭の動きが鈍くなっているかのような。このままじゃいかんなぁ。人間として。