二月一四日、木曜日の話
若さを無駄にしている気がしてならない

 ソフトウェア開発って、若さの無駄使いをしてるんじゃないだろうか。

[◆]若さの無駄使い

 朝から一日中パソコンの前で過ごしてキーボードを打ち続け、夜も更けたころに家に帰り、ご飯を食べて風呂に入り、わずかな自由時間で娯楽にいそしみ翌日の睡眠不足におびえながら睡眠をとる。……社会通念上、これはいいことなんだろう。多分。

 たった一行や二行で終わってしまうような貧相な行動しかしないというのは、若い人間にとっちゃ損をしているほうが大きいような気がしてならない。体力がある間にしか出来ないことは山のようにあるわけで、これからどんどん体力がなくなっていくのに体力がなくても頭があれば出来るような仕事をしている。100の力があるのに20の力しか使わない毎日が続く。これって、ものすごく日々を無駄使いしていると思う。

 つまり、ソフトウェア開発なんて若い人間のやることじゃないよと思うわけだ。もっと体力を使う仕事のほうがいい。僕はやせっぽっちで体力に自信があるとは言い難いがそれでもこの環境はひどい。若い間から体を弱らせて、年取ったときには一体どれほど体力がなくなっていることだろう。土日に走り回る程度じゃ持たんぞ。その土日だってやりたいことがたくさんあるので自由気ままに使えるわけじゃない。

 ソフトウェア開発は四〇才過ぎた人間の仕事だと最近は思う。四〇才までに仕事とは関係ないところでプログラムと付き合ってきた人間が、自分の経験を利用してのんびりとやる物だって気がする。若いときから従事するようなものではない。

 こんなところにいては駄目だ。あまりにも経験できることが少なすぎる。人間として成り立たなくなる恐れもある。窓から見える太陽の傾いていく様があまりにも勿体無さ過ぎる。

 早く仕事をやめる算段をつけねば。でなければ、世界群歩行者達設立どころではなくなってしまう。今は夢であるが、夢としても成立できなくなるかもしれない。世界群歩行者達は人間の経験によって支えられる互助組織になると思われるので、経験なしには存在し得ない。

 嫌だな、この状況は。早く何とかしないと。早く、早く、早く。