十二月二七日、木曜日の話
年末の会社風景

 のんびりのようなのんびりでないような。朝はのんびりしてる。

[◆]午前九時前……無人

 九時五分前になってようやく正社員が会社にやってきて玄関の鍵を開ける。ある意味で他の会社では考えられないことかもしれないがこれがここ二日のわが社の朝です。というのも、朝早く来る人がみんなお休みをもらっていたりお客さんのところに直行していたりで、会社に人がなかなか来ない。非正社員の人は鍵もらっていないので入れず、ドアの前で待機していて何とも侘しい。

 まあ、それはそうとしても長閑なもんだ。……朝は。朝に長閑な分、夜になってから反動が来るのであまりうれしくはない。終業時刻を過ぎてから難しい仕事を持ってこられるのがここ数日続いているので、なんだか午前中は休みたくなる。明後日から会社は年末年始休暇に入るけれども。

 給料面は待遇悪いけれども、雰囲気はいい加減である意味で待遇は良いと言える。給料よりものんびりさを求めている人にはちょうどいいだろう。……だからと言って、僕がここに止まり続ける理由にはならないが。

 やはり、やりたいことがあるんであればそれをやる方がいい。死ぬかもしれない。上等だろう? 自分のやりたいことをやろうとして力尽きて死ぬのは、この世に生まれてきた者として十分に価値のある死だ。本人にしか理解し得ない価値だろうけれども。少なくとも、他人に使われて愚痴をまき散らす人生よりは価値がある。

 このままでいたら、何もかも駄目になる。急がなくては。