一二月一〇日、月曜日の話
また遅刻した

 寒くなってきたから、というだけが遅刻の原因ではない。

[◆]睡 眠 不 足

 何回目だろ、このタイトルは。それはほっといてもらうとして、またしても睡眠不足が慢性化している。就寝時間が一時ではただでさえ寒くなってきて基本睡眠時間が延びていると言うのに、十分な睡眠時間を確保できようはずもない。それを理解しているはずなのに、気がつけば時計は午前一時を指している。日曜日ですら午前一時まで起きていて遅刻している。ホームにたどり着けば乗らなければならない電車は霞の向こうである。そしてまた、会社に遅刻の連絡を入れるのだ。先週の金曜日にも遅刻したから、二日連続である。

 睡眠不足だというのなら、早く寝ればいいのである。最近は午後十時には眠りたいとつくづく思っている。しかし、そもそもようやく家に帰る頃が午後十時であり、ご飯を食べてお風呂に入れば午後十一時……ではない。ご飯とお風呂の間に風呂の掃除と貯めている間に遊んでいて、結局風呂に入るのは一時間後なのでお風呂は零時ごろ。お風呂に入らない場合でも遊びに二時間も費やせば午前一時である。遊ばないで済めば睡眠時間を確保できるだろうが、そんな機械みたいなデジタル思考およびデジタル生活は僕には無理だ。心が精神が理性が魂が遊ぶことを欲している。

 で、昨今は遊びを確保するために日記を書くこともおろそかにしているのである。日記を書くと言うのは仕事ではないが遊びでもない部分があり、自分自身を見直すためのいわゆる道具作りに似ている。生産性はあまりないけれども。日記を読んでくれる人がいるのはありがたいけれども、最近はどうにも愚痴やら憂鬱な内容になってしまって自分でもがっかり。もっと楽しいことはないのか、と頭を巡らせてみてもせいぜい「仕様書がなかなか出てこないので暇だった。納期に間に合うのか不安」という仕事の上でのことぐらいしかない。主観的に見てもあんまり楽しくない。ゲームの内容を話してみても、みんなと共有できるようなものはない。いやー、知り合いの大勢集まる掲示板を見ているとよくゲームの話をしているけれども、僕には分らないことばかりである。アイドルマスターの衣装がどうのこうのとか、興味が湧かない上に Xbox 360 自体、買いたいと思う程いいハードとも思えない。PSのゲームの方がまだ面白いソフトが多そうである。つーか、ハードが多すぎなんだよぅ。最近で言えば PS3、Wii、Xbox360、ニンテンドーDS、PSP……まぁ、PS2すらも動かしてないご時世で、僕がパソゲー以外に手を出すことはあるまい。

 過去のゲームを思い出せば、どうにも今のゲームよりも過去のゲームのほうがおもしろかったと思われるのが残念である。スーパーメトロイドとかFF5とかゼルダとかロックマンとかぷよぷよとか。巷の代表作しかやってないような気がするけれども。

 ゲームの娯楽しか出てこないのは、そもそも夜遅くに帰ってきて娯楽と言ったらゲームしか出てこないからであるので仕方ない。午後十時に家にたどり着いて、そこから遊びに出掛ける気力はない。時間もない。消費が落ちてきているだぁ? 会社にいる時間のが多いのに消費が増えるわけねーだろ! 景気なんざ、子供を育てられるか育てられないかの時ぐらいしか問題にならないような気がするよ。

 自分の気力を維持することすらも難儀とはいくら生活のためとはいえ、仕事って毒気がありすぎる……。睡眠時間が三時間で十分な人がほんと羨ましい。

[◆]僕は議論できない人間か?

 金曜日あたりに TDoS のチャットにおいて「宇宙を宇宙船が移動する際に利用されるエネルギー、もしくは燃料にはどういうものが良いか?」という議論(?)において、「あなたとは議論できない」と言われたので、何となく自分について考えてみる。

 議題にまつわるあらゆる前提がほとんど皆無(物理学的な教養もほとんどない)だったので、最初からみんなが納得する結論は出ないはずなのであるが、SFの知識と最近の宇宙開発事業のニュースの知識を集めての話で、最も関心があったのは「船内で使われるエネルギーの補給方法」と「移動するために使われる推進エネルギーの種類と燃料が必要なら燃料をどう補給するのか」だった。

 僕の持論は「宇宙を航行する船を地上で建造する必要はなく、材料や燃料はスペースシャトルの貨物船版を開発して運べばよい。推進には太陽風や核融合を利用する。もしも核融合から酸素などを作ることができれば、宇宙に浮いている物質から酸素を作ることができてかなり長い間生存できるかもしれない」というところだった。実のところ、太陽風がどういうものかよく分かってない。エネルギーの風、放射線、プラズマぐらいしか分かってない。とりあえず、推進には使えるはず。

 現在の技術力ではこの太陽風を利用した船を造ることはできないらしい。エネルギーが大きすぎて受け切れないようだ。さて、この議論、いったいいつの時代を前提にしているのだろう。現代なのか? 未来なのか? 宇宙船で宇宙を移動するって言うぐらいだから未来のことを想定していたのであるが、はっきりしない。移動に使えるエネルギーがあるなら迷わず利用するべきだし(燃料が無限にあるならこの限りではない)、「海の上の帆船とはわけが違う」らしいので使えないらしい。

 ところで、宇宙を移動するってどこまで移動するの? 太陽系内で終わるのかその先まで行くのか。どうせなら太陽系外までいける船を造ってほしいものだと思うのだが、どうやら違ったらしい。とはいえ、現在は満足に月にも行けない状態なので、お隣の惑星にまともに行けるようになるまであと百年はかかりそうである。そんななかで宇宙を移動するって言うんだから、やっぱ未来の話をしているようにしか思えんのだが……未来に望みを乗せて議論しているのか、現代技術がどこまで通用するかを鑑みて議論しているのか、どっちだろう。ちなみに、現代技術の話をするにしたってそっちには僕らよりも強烈に頭いい人が学者やって研究しているんだから、そっちに任せたいところだが。学者ぐらいの基礎知識も情報も持ってないのに現代宇宙技術を真面目に語ろうとはおこがましい。

 まともに隣の惑星まで有人飛行している宇宙船が出てない以上、どういう話をしても机上の空論である(金がないので実践できない、は言い訳だろう。実践できるまでは甘んじるしかない)。ボイジャーみたいな宇宙船に液体窒素で氷漬けにした人間を乗せて飛ばすのが今のところはせいぜいじゃないだろうか。それでいいのかはまた別として(ちなみに、ボイジャーは太陽系の各惑星の引力を利用して飛んで行った。そのあとは野となれ山となれって宇宙には野も山もないな……、まあ、そういうことである)、とにかく僕が生きている間に火星に安全に行ける船を造るんだ!

 話を最初に戻すと、僕は議論できない人間なのかと言う事であるが、なんだか「そもそもこれ、議論できる内容だったのか?」と言う気もする。前提が人によってちぐはぐであり、何か話すたびに否定が飛んできたりするのだから望む結果は得られまい。全員が同じ水準の教養を持っているわけでもないし、同じ経験をしているわけでもない。ふむ。

 僕自身が議論できる人間かできない人間か、自分から見てみると……よく分からん。

 議論した相手にしか分からないことなのであろう、多分。


 議論って言ったら、大学の哲学の講義で「何を持って人間を人間と呼ぶか?」と言う議論で超省くと「名乗ったもん勝ち。あえて言えば自然界からエネルギーを取り出すことに成功した種族」という僕の論に「犬や猫でも知能を持ち宇宙に出る技術を持てば人間と呼べるだろう」という論を唱えた人に反論食らったことあったなー。講義時間が終了しちゃってお開きになったけど。

 あの反論は正しかったのだろうか。いまだに気になる。何が人間を人間たらしめているかの議論だったはずが、なんで犬猫が参戦してくるんだろう。言いたいことはわかるけれども。つまりは知能が高ければすべて人間と呼べる、つまりは知能の高さが人間を人間たらしめているという意味だったと思うのだが、それって僕の論と競合する場所ってあったかなぁ。ただ、住み分けが相当きつそうだ。現在において人間と認識されている種族は相当数を減らしていただろうなぁ。だって、相手も人間だから。