十月一五日、月曜日の話
睡眠時間か、自分の時間か

 睡眠時間を取れば自分の時間を取れない可能性があり、自分の時間を取れば睡眠時間が削られることになる。

[◆]睡眠時間か、自分の時間か

 どうにも最近はこの問題ばっかり考えているような気がする。それだけ常態化している問題だと言うことだろう。睡眠時間確保と自分の時間確保は、限られた一日の中ではバランスを取るのが難しい。難しいと言うか、どちらかを犠牲にしなければならないほどに生活は圧迫されている。仕事に。

 先週の金曜日に九月の僕の給料を労働時間で割ってみた。つまりは時給を出してみた。九月は三連休が二回あり、基本的な労働日数は一八日である。これに月一回の土曜日勉強会を含めて考えると、労働時間は労働基準法的には最大一四七時間である(一八日×八時間+三時間)。しかし、実際の労働時間は一八二時間。三五時間のサービス残業。ま、今の社会じゃまだましな方だろう。お役所は全くもってして当てにならない。一八日+三時間で法律的には二三日分の労働だぜ! あーねみぃ。

 やっぱ人数が少ないとそれぞれが力振りしぼらないとダメなわけね。……違うな、身の丈に合わない仕事をするから問題なんだ。金稼ぎたいと言っても。……いや、僕はどっちかって言うと月十万もあれば、結婚しないのであればいけると思っているような人間だからなぁ。無理して金を稼ぎたいとは思えないから余計に気力が持たない。でもって、現在の生活において結婚相手を見つけられるとは到底思えないので、永遠に低気力だ。さて、会社から依頼退職を頼まれるのは一体何時だ。退職金をはずんでくれるとありがたいのだが。

 さて、最近は「毎日、なんにもできない」と感じているわけである。察しがいい人はここで感づいているかもしれないが、どうやら僕は仕事をしていることを「何かしている」ということに含めていないらしい。ぼんやりと思い浮かんだことから僕が判断しているので「らしい」になるのだが、その何もしていない時間が毎日十時間から十一時間、移動のために毎日二時間を必要とするならば、何もしていない時間のために一日の約半分が取られるわけで、睡眠時間を六時間とすれば残り時間は五時間、朝の準備と夕食などの時間を差っぴくと自由な時間は三時間と言うところ。……もう何回日記でこの計算をしたことか……この半年で五回ぐらいかな。

 三時間ったって、家に帰った瞬間に仕事の疲れが帳消しになるわけでも頭がすっきり気分爽快になるわけでもない。所詮は仕事をやった続きである。三時間を気力満タンで行動できるはずもなく、ぐったり初音ミクの歌声でも聴いていると言う状態。なにやら、数日前にテレビで初音ミク特集をやっていたらしいが最終的にはオタク叩きになったそうな。まあ、二次元存在を利用した販売戦略があって、大量にイラストも描かれていてエロイラストまで出回っていて、ソフトを使っているのはオタクだと言われても仕方ないような気もする。まともにソフトの特性と向き合って利用しているのは何人いることか。

[◆]オタクが多いのは仕方ない

 少し脱線する。ソフトの趣向と複雑さから言って、能力的に見てソフトを扱えるのは若い人になるだろうから、若い人が好む形で売るのは至極当然の戦略と言える。でもって、その若い人が好む形と言うのが二次元存在を乗っけることであるならば売り手が二次元存在をパッケージに載せることは販売戦略としては当たり前。事実として、本当にそのソフトの特性を必要としている人以外にも売れたならば大成功と言っていい。つまり、オタク叩きをしている人には申し訳ないが「諦めてください」としか言えない。どうしたって、オタクが多くなった世の中なのである。それが嫌ならば日本から出ていくか、オタクという存在を根本から消し去る、みんなが納得する画期的な政策でも打ちだすしかない。今の政府じゃまず無理と言う気がするけれども。

 求めているものが変わったのだろう、と思う。高度経済成長を超えて、日本人は新たな段階へと踏み入っている。第一次産業、第二次産業は衰え、第三次産業に従事する人間が増え、形なき物に値段がつく時代になった。生産、加工、提供に続く第四次とはなにか。経済学者に聞いてみたいところだが、おそらくは第四次産業なんてない。消費するのみ。第三次産業を飛び越えた部分は消費されて消えゆくのみ。その飛び越えた部分が副文化とも言われる現代のオタク文化なのであろう。オタクとは社会の限界を超えた象徴であり、それ以上先に進めない天井である。社会の力が余っている間はオタクは存在できるが、衰えたら存在しなくなる。

 つまり、オタクとは現代社会が突っ走りすぎた結果である、と。……自分で考えた結果であるが、あんまり確証はないな。でもまぁ、そうだろ? って気はする。

 豊かじゃないと存在し得ないのである、オタクは。誰かが娯楽漫画を描いてくれないと存在できない、誰かが娯楽アニメ作ってくれないと存在できない、誰かが娯楽ゲームを作ってくれないと存在できない。誰かが玩具を作ってくれないと存在できない。で、それらが作られる状況って言ったら、衣食住が安定している状況でないとダメなわけで。やはり、オタクがいる、オタクが多いってことはまっだまだ裕福だってことなんだよ、うん。

 オタクが多いのは社会が裕福なせいです。オタクを消すには社会を衰退させることが必要です。社会を衰退させたくないならばオタクは消えません。ゲラゲラ。

[◆]睡眠時間か、自分の時間か(続き)

 話を元に戻そう。ここのところ、自分の時間を取って睡眠時間を犠牲にしているせいで、本当に次の日は頭が痛いわ随時眠気が来るわでかったるい。ぶっちゃけ仕事そのものがかったるいが(仕事は「何かを行なった、行動した」のうちに入らない)、今の間はそうも言ってられないのでなんとかしたいところだ。いやま、対応策は一応ある。

 「家に帰って飯食べて風呂に入ったら何もせずに寝ること」

 つまり、夜に遊ぶのを止めて素早く睡眠をとり、朝早起きして遊ぶ、という事である。そんなことが可能なのか、正直分からない。僕は体質的に早く寝れば睡眠時間が短くて済むと思うのだが、これは夜更かしすると加速的に必要睡眠時間が延びてしまうことに根拠を置いている。

・午前〇時就寝→午前六時起床
・午前一時就寝→午前七時起床
・午前二時就寝→午前十時起床
・午前三時就寝→午後十二時起床

 一応、午後十一時に寝たら午前五時半に起きた実績があるが、最近の朝は寒くてなかなか起きられなくなっているため、遊ぶ時間を失いかねない危険性がある。それは避けたい。

 ストレス発散を取るか、気分爽快を取るか。仕事を早く終えてさっさと家に帰れたら何の問題もないんだけれども。はぁ。