一〇月 五日、金曜日の話
遊びへの欲求は底なし

 昨日は午後九時に帰ってきたのに、寝たのは結局午前一時でした。

[◆]将来への希望は見えず

 なんか最近は愚痴ばっかり書いている気がするが、事実として愚痴しか出てこないので愚痴ばかりになる。さて。

 改めて思うと午後九時に帰宅と言うのは若手社員としては早い方なのだろうか。他の会社の話がいま一つ掴み辛いのでわからないのだが、おそらくはサービス残業を平気でやる会社としては少し早い方なのではないか。うちの会社は僕の親からするとそこそこいい会社らしい。「午前七時半まで寝ていて大丈夫な会社」と言うのを根拠にしているかららしいが、僕としては納得しかねるところだ。確かに僕のお父さんは七時半に家を出る。八時半には会社にいなければならないからだ。対して僕は九時に会社にいればいい。始業前清掃もなく、朝に関しては楽な方なのだろう。

 だが、帰宅時間はと言うと大きな開きがある。僕は最近の帰宅と言ったら十時だが、お父さんは七時には家に帰っているようだ。三〇分早く出なければならないが、三時間早く帰ってきている。そして、お父さんの就寝時刻は十一時で僕より二時間早い。先に断っておくと、十一時に寝ることができたら僕は六時には目が覚める。僕は体質として、早目に寝れば寝るほど睡眠時間が短くて済むらしい。

 なら、家に帰ったらさっさと寝て、朝に遊べばいいじゃないかと言う話になるのだが、最近はロストプラネットのオンラインゲームで遊んでおり、オンラインゲームなんて朝には人がいないのである。遊ぶなら夜。まぁ、そろそろ飽きてきたのでなんとかなるかなぁ。つまらない仕事よりも先に楽しいことをするのは、采配として正しいのか少し気になるところではあるが。

 ちなみに、仕事の勤務時間としてお父さんを引き合いに出したが、実のところ全く当てにならない。お父さんはすでに五〇歳を超えており、まだ、ある程度の年功序列優遇が生きている会社にいる。実績が違うのもある。僕が五〇歳になった時に午後七時に帰れるようになっているかと言うとかなり怪しい。現在の会社の社員を見回せば、まずあり得ない気がする。会社として生き延びるのに必死。藁までは求めていないが、必死に働かないと落ちてしまう。安定する兆しはない。ソフトウェアなんぞ、日進月歩で古いものはどんどん振り落されていくのだ。開発を進めないと会社は生きていけない。

 ……今思うと、ソフトウェア会社はプログラムも組めない人が入るべきところではないのだろう。情報技術学校の代わりとしては、稼ぐのに必死でとても人から教わっている時間はない。仕事に時間と気力を取られすぎて自分で学ぶにしても辛いものがある。会社の中では独自色も出せない……他の人に分からなくなってしまう、という理由で。独自に作れなければ試行錯誤もできやしない。決まったものを繰り返し反復するのも大切だが、自ら学べないのもつまらないものがある。自分から進んでやるから面白いのであって、他人から投げつけられた仕事をこなすのが面白いわけではない。しかし、試行錯誤ができるほど、会社には余裕がない……。なんというじり貧状態。

 僕は一体、いつまで持つだろうか。就職して半年でもう仕事を辞めることを考えている。最初は二年は持つだろうと考えていたのになぁ。仕事はあるのだが、内容が退屈でしかも害になる。このままここにいたら、僕はいずれ、駄目になる。将来への希望どころか、むしろ終わりが見えているってこれほどやる気が出ないことはない。

 僕は、脆弱な人間なのだろうか。ま、たぶん脆弱なんだろ、この社会に対して。田舎に行ってのんびり生きたいなぁ。