九月 五日、水曜日の話
ずいぶんと仕事には慣れた

 慣れたからと言って好きかと聞かれると別段、好きでもない。

[◆]会社とは金品分配組織である

 先週のネットラジオにおいて、会社とは金品分配組織であるという考え方を聞いた。かなりのところで一理ある。会社とは建前上、社会をより豊かにするために様々な商品、もしくはサービスを社会に提供する組織である。が、ふたを開けてみれば誰かが作りたいと思ったものを作るのに協力し、その見返りに金を受け取るだけの組織でしかない。つまりは、金がなければ成り立たない組織である。そこにはさしたる大義もなく、ただ他の会社よりも優れたものを作り出して他の会社を蹴落とし、金をむしり取る奪い合いでしかない。

 現在の社会では言うほど平和でもなく、まさしく弱肉強食である。他人よりも能力のない人間はただ食われるがままになるしかない。今の時代の場合は、お金をせっせと吐き出すやつのことを言うのだろうか。それだけでは足らずに、お金を吐き出そうとしない人間からもあの手この手で金をむしり取らなければ生きていけない時代なのである。問題は、弱肉強食と言う言葉を使ってはいるが強かったら何でもいいというものでもなく、ただ金を出してくれとせがむという非常に下手の態度を取らなければならない場合が多いことだろうか。強い態度で金を取ることができないのである。それをやればすなわち犯罪とされるからで、社会性が変な形で表れていると言えるのだろうか。

 まあ、実際はみんなが恐れるほどに力をつけていれば、容赦なく金をとれるはずである。世界一の拳があればファイトマネーを手に入れることができるし、世界一の頭脳があれば何か開発するなりすればいいだけのことだ。世界一とまでは行かなくとも、そこそこ突出した能力があれば弱肉強食を地で行けるはずである。

 やっぱ、並みの能力じゃダメだってことなのか。並みであるがゆえに周りの競争に押しつぶされるのね。

 競争を回避するには違う方向に走るか、競争していると感じないぐらいに高い能力を持たねばならない。僕としては、さっさと違う方向に走りたいのだが……。

 まあ、そういうことで話を戻すと、所詮は会社は金を収集、分配するためだけの組織でしかない。それならば、似たようなところならば移動が効くはずなのである。問題はその金を分配する場所で金を収集するための能力を持っているかどうか。そういうことなのだろう。

 やっぱ能力か。