九月 三日、月曜日の話
世界群歩行者達、現出計画

 ひとつ、組織を作ろうかと考えています。

[◆]世界群歩行者達、現出計画

 世界群歩行者達、とは僕が構想する組織のことである。現在は構想のみで実際に存在しているわけではないのであるが、多少の現金が手に入りそこそこの移動能力の獲得と補助金が出せるようになったところで、仲間を募ろうと考えています。まあ、募ると言っても今のところは対象者は甘く見て五人程度しかいないのであるが。実際には四人か。

 世界群歩行者達の現在の目的は新社会の構築である。現存日本社会に見切りをつけ、ほそぼそと農業をして自給自足をしながら生きていくこととなる。初期は相当過酷な生活になると思われるが、ひたすら消費を続けなければならない、またさせ続けなければならないこの社会がうんざりな人間に合っていると思われる。ま、まともな食料もないわ、テレビもないわネットもないわ服もないわの環境でどこまで持つか、相当厳しい。

 現存社会がダメな理由は、強い価値観の喪失による社会秩序の崩壊を目の当たりにして呆れたからと言えば簡単なのであるが、実のところは十時間以上働かされて人生を楽しむには余裕がなさすぎる環境が嫌になっているというのがある。もっと肩ひじ張らずに空を眺めて生きていきたい。今の社会はあまりにも息苦しすぎる。こうした考え方は現在の社会から見れば毒以外の何物でもない。崩壊しかかっているとは言え、そこで生きようとしている人がいる限りは秩序を崩壊させる悪因子には違いない。元から過酷な環境に加えて叩き潰される可能性もある。それをしのぐためには、仲間が必要だろう。そのための世界群歩行者達である。

 まぁ、最初に構想したのが僕だから僕の好きなように「世界群歩行者達」にしているが、僕以外にふさわしいリーダーがいれば速攻で譲り渡そうと考えている。生き残りをかけるにあたり、リーダー争いをしている場合でもない。

 と、いうわけで、まずは仲間集めを開始しなくてはならない。仲間となる人間には実際に会い、価値観が共有できるか、またあらゆる互助関係を築けるかを確認しなくてはならない。現在の状況を見て、これをすべて達成するには一年はかかるとみている。一番のネックは遠方の人の移動費か。集合場所は地図的に見て名古屋あたりになるかもしれない。ある程度の補助金を僕のほうで用意するつもりではいるが、さすがにすべてを賄うのは難しい。本来ならば、僕がまかなってしかるべきなのだが……。

 ま、何はともあれ、まずは田舎に引っ越して一人で農業を始めることだな。それができないと話にならない。がんばろう!

 あと、最後になるが、この計画は根本的な思考がまだまだ足りない。考えに考えていかなければならないだろう。またまだ、道は遠い。