八月二九日、木曜日の話
日記が書けない

 時間がないにもほどがある。

[◆]日記が書けない

 朝の八時前に家を出て〜、夜の十時に家に帰ってって、一体いつ日記書けばいいんだよ。十時間労働越えているじゃないか。あー、金が入ってくるのはいいんだが、代わりに人生の目的を失いそうだ。会社に吸い取られてるんじゃないか。このままじゃ、使い切られるのが落ちだ。会社が切羽詰っているのは分かるんだがね。最近は社長も新人の獲得に動いているようで、よく「求人の件で……」と電話しているのを耳にする。一気に五人は雇って欲しいところだ。そうでなければ、この先とても仕事量に対応し切れんぞ。自分のとこの商品が売れれば売れるほど、自分の首を絞めてしまうほどに未完成品もいいとこなのである、うちの商品は。

 つーわけで、残業代なんか期待も糞もないうちの会社、タダ働きこそは美徳である。くそったれ。そんなもんだから、会社に散々時間をとられてるのである。やる気もでねぇ。睡眠不足が付きまとう。日記を書きたかったら睡眠時間を削るしかないのであるが、僕の最大の弱点は睡眠不足であり、睡眠の不足がもろに次の日の気力に直結する。最近は非常階段で何も考えずに眠るように動かないでいることが多くなった。そろそろやばいかもしれない。

 働き始めてもうすぐ満四ヶ月。早くも僕の気力はずたぼろである。他の人はよくもこんなところで働けるなぁ。これが最近の若者と一世代昔の人たちの違いなのであろうか。問題は、すごいと思っても羨ましいとはかけらも思わないことなのであるが……尊敬にもなりはしない。やってられねー。

 日記を書く手が震えている。頭が痛い。でも、せめてこの日記ぐらいはアップロードしないと……。