七月一五日、日曜日の話
台風過ぎ去り祇園祭

 台風の足は予想以上に速かった。

[◆]祇園祭

 本日はネット掲示板で知り合った方と祇園祭に行く予定があったのですが、昨日、台風4号の影響を考えていったん中止されることに決定し、そして本日朝になってみれば台風4号はとっくに通過済みで、影響が出ないと判断されました。よって、午前十一時に会う約束が午後一時に変更されただけで、会合そのものは実現と相成りました。

 京都、烏丸にて午後一時に待ち合わせ。本日会う相手、縄文人さんが三〇分も早く着かれているとのことで慌てましたが、ひとまず無事に烏丸にて会うことができました。そして思った。ネット上の会話だけじゃ分からないことが多すぎる、と。ただの通信ごときで全体像を知ることなんざ不可能だと確信しました。あっはっはっはっ。

 で、ひとまず地上に出たのですが、地上に出てびっくり。普通に道路を車が行き交い、夜店の気配は全くない。浴衣を着ている人たちが歩いていて山鉾があったりしますが、話の肴(さかな)にしようとしていた屋台はいずこ。うーん。祭りの間は屋台が出ているだろうと思っていたら、どうやらそうではなかったらしい。昼の間は屋台どころか歩行者天国にすらなっていなかった。まともに考えて、まあ一日中天下の往来を通行止めにはできないのだろう。と、いうことは祭りは夜になってからか。六時ごろからかな〜。

 ある意味で、台風の影響で待ち合わせ時刻が遅れたのは良かったかもしれない。午前十一時に会っていたら、本気で暇な時間が増えていたかもしれない。

 仕方ないので河原町まで行って手頃なラーメン屋で昼食をとり、河原町の高島屋の七階のイタリア料理&カフェ店でケーキとコーヒーを飲みながらしゃべって時間をつぶすことにしました。

 ……このおしゃべりの時間は非常に有意義なものだったと思います。縄文さんは流石は僕よりも年上、話も小気味よく深い内容でしゃべり続けることができました。最近のお互いの情報を交換したり、ハルヒのジャズ雑談らじおについての話をしたり、最近の中国の話だとか日本の政治についてだとか、そういう話を延々していたわけです。うむ、小難しい話を気持ちよく理解できている人としゃべるのは楽しい。なっかなかいないんだもんなー、流石です。

 で、四時頃に八坂神社のほうで何かやっていそうだという情報を得て、八坂神社に行くことに。八坂神社とは祇園祭において重要な役割を持つ場所で、河原町の東、祇園町にあります。ちなみに多くの人が出入りする河原町に面した鳥居は正門ではない。正門は南側の門だったりします。

 八坂神社の河原町に面した鳥居は補修工事中で見れなかったですが、工事用の保護幕がちょうど壁のようになっていて境内がどうなっているのかわかりませんでした。人ごみにまぎれて工事用幕をくぐると、そこには屋台がたくさん! ラーメンなんかよりもこっちで食い物食いたかった! ……屋台のやつ、肉ものが多くてしかも高いけれどね……おやつほどの量で五百円かー。ま、すでにイタリアン喫茶で、ケーキとコーヒーで千円以上の飲み食いをしているわけですが。

 まず、境内に入り、社殿にお参り。本来ならば二百円を賽銭箱に入れるのですが、財布の中には小銭が三十三円と飛んで飛んで一万円札しかないとか帯に短し襷(たすき)に長し。泣く泣く三十三円を投げておきました。また八坂に来た時に二百円を納めることにします。そして、小銭を崩すためにお神酒二本と厄除けちまきを買い、さらに普通のおみくじと恋みくじを引きました。普通のおみくじは半吉で「そのまま神を信じて頑張れ(意訳要約)」と書かれており、恋みくじは末吉で「理想ばっか見てないで現実を見て考えやがれ(意訳要約)」と書いてありました。神様は厳しい。

 と、そこそこに楽しんでいると同じ浴衣を着た男の人たちが正門から入ってきて、社殿に入っていきました。時刻は五時でおそらくは、これから祭囃子に出る人たちでしょう。その様子を外から眺めていていました。神主さんが彼らの前で大麻(おおぬさ:神社でお祓いに使われるひらひらした紙がたくさんつけられた棒。たいまと読んではいけない)を振り、お祓い。稚児(ちご)さんを先頭にまた外に出てきて、神輿の前で撮影をし、次に境内にある小さい社にお参りをしていました。後から聞いた話ですが、稚児さんをゆっくり眺められるというのはわりと快挙になるらしい。

 参考:稚児 - Wikipedia 祭りにおける稚児−よりまし型 参照。

 祭囃子の男衆が境内の社を参り終えるころには、外からは交通規制を開始するとの警察のスピーカーアナウンスが聞こえ、ぞろぞろとみんな境内を出ていきました。僕らも付いていったわけですが……びっくりしたね。

 人多すぎ。

 昼ごろから人が多かったとは言え、歩行者天国になった瞬間に人が道にあふれたようです。大道路いっぱいの人だかりに僕も縄文人さんも一時唖然としました。うーん。明日になれば、もっと人が増えるんだろうなぁ。

 で、六時になり、主要な道路が歩行者天国となり、夜店も出ようかと言う時間になりましたが、縄文人さんがどうにも人ごみが苦手なようで本日は本格的に祇園祭を楽しむことにしないことにしました。とりあえず、縄文人さんの用事で寺町通りにいき、パソコンパーツショップでノートパソコン用ハードディスクを調達。なにか縄文人さんの管理下にあるノートパソコンのハードディスクが逝ってしまわれたらしい。交換で何とかなればいいが……後述。

 六時ごろに電車に乗り込み、そのまま河原町を後にしました。僕の地元の駅で別れ、縄文人さんは帰っていきました。いやー、なかなか楽しい休日だったと思います。

 今後とも、ネットでしか存在を知らない人たちに会ってみたいものです。

[◆]ハードディスクにリカバリー領域を持っているパソコンについて

 縄文人さんのノートパソコンが起動しなくなったらしい。原因はハードディスクが物理的に壊れたことにあるそうで、ノートパソコンのハードディスクを交換することになった。しかし、一つ問題があった。ハードディスクを交換するにあたりOSも再インストールすることになるのだが、縄文人さんのノートパソコンはハードディスク内部にリカバリーデータ領域を持つタイプのもので、丸ごとコピーして動くものなのかどうかが分からない。ハードディスクが損傷しているのに、その中にあるデータが完全な形で読みだせるものなのかどうかも不明。

 このノートパソコンはメーカー製で、ハードディスクそのものが損傷することを想定して作られていないのだろう。今回のようにハードディスクが損傷することは稀なのかもしれないが、その稀な事態にあたった方は堪ったものではない。下手すると、これの修復だけで三万から四万取られかねないわけで、どうしてリカバリーデータをCDとして用意してくれていないのかと問いたいところ。CDとして外部に保存してあれば、ハードディスク交換という事態になっても円滑に事が運ぶのになぁ。

 まあ、修理で金を取るという手法があるのかもしれないが……。修理費はせめても五分の一に収めて欲しいところだ。全体価格十万円のパソコンのハードディスク修理(交換)に二万円程度で……。うーん。やはり、パソコンは自分で作って自分で修理したほうが安い! ここまで簡単な仕組みになっているのだから、一々メーカーに頼るのも馬鹿らしい。

 とりあえず、メーカー物を買うにしてもハードディスク内部にリカバリー領域を持っているものは買わない! 大切な判断どころだねー。