四月一〇日、火曜日の話
のんびり日記も書けない

 のんびりできる時期は過ぎ去ったって事か。

[◆]気合を入れれば世界は変わる

 職場で2ちゃんねるを覗くことぐらいはできるものの、基本的に読まなきゃならないもの、やらなきゃならないもの、書かなきゃいけないものがあるわけで、余裕があるかと言えばそんなに余裕はないようにも思う。なんともはや、電話が鳴るだけで心臓が飛び上がるのだから。だんだんと気合も落ち着きを見せており、今はすでに体が浮き上がりそうな雰囲気は無くなったと感じている。しかし、できそうではある。やる気があれば。ばかばかしいことであっても。

 さて、職場ではこれからいろいろなところでパソコンをセットアップしなければならないということで、セットアップの練習をしている。ハードウェアを買ってくる、という事まではやっていないものの、OSのインストールディスクとかRAIDカードを渡されてRAID1を構築しろとか、あれこれのソフトをインストールしろとか。これがまともに動いてくれないんだ、パソコン。実際にやってみないと解決しない問題というのが出てくる。ふたを開けてみればなんとも馬鹿らしいミスが原因のことが多いのであるが、その馬鹿らしいミスを平気でやってしまうのである。これは僕に限らず、おそらくは全員が日々、していることだろう。

 幸いなことに僕の職場ではミスが許されない、という事はない。もちろん、ミスは時間を失うという意味で多大な問題を起こす原因になる。幸いなのは、みんながある程度は協力してミスを減らそうという了解があることだ。努める必要が無い、ということでは、見えないところでよい職場だということだろう。まあ、おそらくは四月でどこの会社もどの人間も浮き足立っている今だからこそ、まだのんびりできる隙間があるのかもしれない。これが新人も仕事を覚えて動き出す八月ごろになれば、仕事はよりいっそう多く、忙しくなるに違いない。僕はそれまでに、より多くの行動をして失敗を繰り返しながら自分を磨いていく必要がある。磨かなければ、おそらくは仕事もできないノロマとしてあらゆる危機に直面するであろう。

 とはいえ仕事は何も、天井に貼り付けとか苦しいことをやれと言っているわけではない。どれも常識の範囲内で済まされている。常識の範囲外に出るようなものは無視される。社会とは、なんとも地道な行動の繰り返しと積み重ねであることか。今まで知らなかった社会の姿とは、刻々と時間を浪費しつつ、そこそこの人がそこそこの仕事をして物を作り、それを買う人がそれを使ってそこそこの仕事をする、それの繰り返しだったのである。毎日パリッとしたスーツを着こなしてズバッと髪をオールバックにした偉丈夫がきびきびと働いているわけではなかった。

 働いている人宛ての本がある。仕事をうまくやるには人の道に沿ったことを正しく、真摯にやり続けることだ、と説いている。中身はそれだけなのに二百ページ近くのハードカバー本になるのだから驚きであるが、気合を入れて説こうとしたらこれぐらいになる。気合を入れて正しいことを真摯に行なえば、すべての事は何もかもうまく行く。その通りなのだから文句は無いが、それを実践できていないから今の社会は崩れていると言えるのだろう。

 所詮、社会は人の行動の積み重ね。社会が悪いという事は、それを形作っている人間にやる気が無いだけの話なのだ。誰が悪いと言うこともない。全員が悪い。名も無い政治家も、気合を入れて道ゆく人に挨拶をすれば、票をもらえるだろう。ひょろひょろと腰曲げて挨拶していたんでは駄目だ。少なくとも、僕はそういう政治家には票は入れない。

 その程度なのである。社会を形作っている仕事というのは。僕の仕事もそうだ。気合を入れればよくなり、気合を抜けば悪くなる。だから、子供たちには気合を入れる楽しさを教えるべきじゃないかな、と思う。ゲームだろうが勉強だろうが、気合を入れてやればものすごいことになる。気を抜いてやるから普通のものしか手に入らない。その程度なのである。この世界は。

 と、いうわけで、今僕がなすべきことは気合を入れて日記を書くことである。ここのところ日記を書いてなかった。それはいろいろとやりたいことがあって、そっちに気合を入れていたからであるが、今日は日記に気合を入れる。ずいぶんとたくさんのことが書けそうに思う。

 十時になったら寝るけれどね。

[◆]一日にできることは三つ程度

 本日は職場で、ケースにも入っていないマザーボードむき出しのパソコンに向かってサーバプログラムをインストールしていました。Windows 2000 Advanced Server。ハードウェアはデュアルコアであるCPUを二つ搭載し、メモリも2GBを積んだ業務用のものである。僕が今度自作パソコンを作る時にはこうしたパソコンを作ろうか。処理速度が速くて泣ける。ハードディスクはRAIDカードに繋いだ80GBハードディスク。RAIDとは、複数のハードディスクに同時に同じデータを書き込むためのシステムである。これにより、一つのデータを二方向から読み込めるので読み込みが早くなった。恐ろしい。やはりRAIDはいい。

 ただ、電源の中が少し油を切らしているのか、ファンの音がやたらとうるさい。むき出しの上に机に振動が響いて共振を起こしている。何か重いものを載せて置いたらいいかもしれない。明日試してみよう。このマザーボードはサーバ用だけな事があってLANコネクタも二つある。それぞれを違うルーターに繋いで、片方が壊れてももう一方で接続を確立し続けることができる。そもそも回線が一本しかない家庭ではあまり使えないシステムである。んー、業務用。

 で、やることといったらOSをインストールしてアップデートしてその間に本を読んでお茶の飲み、たまに掛かってくる電話に応対していた。電話応対レベルは3ぐらいに上がったようだ。外出している社員が呼ばれた場合には、「ただいま席をはずしております」から「外出しています」と言うようになった。ちなみにこれはスキルレベルで、教えられて覚えたものである。経験からの叩き上げもいいが、教えられてもレベルは上がるのである。うむ。

 そんな感じで八時間が過ぎ、家に帰った。人の多い電車の中では思うように文庫本も読めない。家に帰らば愛犬と強く抱しめあい、自分の部屋に戻らば巣ぱっと服を着替えてパソコンを起動し、スパッと情報収集をして今、日記を書いている。何事も時間をかけずに処理していかなければ、本当に何もできないのである。どうせ十時には寝るんだから、それまでに一日のエネルギーは使い切りたいところ。

 あと十時まで三〇分しかないのだが、晩御飯がまだだ。さて、十一時まで起きていることになるのだろうか。