四月 五日、木曜日の話
気合が足りないんだよ、気合が!!

 今の僕なら、空だって飛べる気がする。

[◆]気合のあるなしにて

 気合が入っているか入っていないかでかくも世界とは変わるものか。とてつもない力のめぐりが体を支配している。今まで十分掛かっていたことが三分でできる。そう、その気になれば、僕はどこまでも速くなれるし力も引き出せる。空だって飛べるかもしれない。僕がそれを本気で願えば。体を切り刻めば、そこからは空が飛び出してくる。そんな気がする。そんなわけは生物学的にありえない。しかし、そういうことになる気がする。まさしく有頂天であり、一体これは何なのか、僕にだって分からない。

 大学生時代、僕には気合が足りなさ過ぎた。もっと気合を入れていれば、今ぐらいの緊張感をみなぎらせていれば、僕もはもっとでかい事をしていたのではないかと思う。何だってやれたはずなのだ! 一体、僕は何をしていたのだろう。おかげで今、僕は徒労を感じている。アホだった。時間をたくさん無駄にした!

 小説も、加工と思えばいくらでもかけたのだろう。現に昨日、わずか三〇分程度で妹を唸らせる小説を書いた。知り合いの多い掲示板にも出してみた。これは回線の料金未納に付き今はまだ読めていないが、手ごたえはあったと感じている。せっかくだから、もっと書き足して小説の大賞に応募してみようと考えている。どの道、今はネットにも繋げられず、日記を書く程度しかやることがない。アスキーアートの整理は土日にやる。一日で終わらせるだろう。

 ひとまず、日記を書かねば。この四日間、面白いんだよ。日記は書かなかったけれど、面白いんだよ! 充実しているといっていい。何が良かったのかわからないけれど、四日目にして仕事と言ったら電話対応ぐらいしかないけれど、しかも電話対応に失敗するんじゃないかってびくびくして、トイレに逃げたことだってあったよ! でも、今から考えてみれば面白いじゃないか! 圧倒的な時間の濃縮を感じる! 今まで感じていた一分が、十分にも延びたように感じる! あははははははははははははははははははははははは!!!!!!

 この感覚は今だけのものかもしれない。一年過ぎる頃には、惰性で生きているようになっているかもしれない! しかし、今ここにこうした充実感を感じていることだけは覚えておきたい。人間、やろうと思えば常識だって覆せる!

 ……まあ、ここは冷静になって、目の前の机でも持ち上げてみよう。持ち上げられないから。持ち上げられるほどの力は僕にはないし、どんなに意気込んでも限界はあるさねー。

 思った以上に動いてびっくりだ!!!

[◆]そういうわけで

 自分に気合が入っているせいかもしれないが、自分を取り巻くあらゆる環境が、いかに気合の抜けているものであるかを感じるようになった。朝、選挙を前にして駅前で挨拶している政治家は、もっと声を張り上げて気合を入れて挨拶をすれば必要以上の票を集められるんじゃないかと思う。気合の入っていない奴に投票なんかしたくない。気合を入れて、やりたい事を声高らかに宣言しやがれ。それぐらいの意気込みを見せてみろ。まあ、政治家なんてアホばっかりのほうが国民的には楽なのかもしれないが。政治家が全員が気合を入れたら、アメリカなんて目じゃない超国家ができるのではないか。そういう気がする。

 小説を読めば、この小説はもっと面白くできるのではないか、という気がする。何が面白くて何がつまらないのかなんて僕の手前勝手な判断でしかないのであるが、もっと延びるような描写が多く、もっと書き込めるのではないか、という気がする。もっとできるのではないか、という気がする。

 まあ、それならば気合が入っていると自負する僕がまず何かをするべきだろう。ひとまず、小説を書き上げるつもりでいる。今は日記を書いているけれど。やるよ。

[◆]ネット回線料金未納の話

 三ヶ月前から料金未納の催促メールは着ていたらしい、というのは夕食の時に聞いた話だった。何と言う事はない、料金を支払う手はずになっていた銀行の口座にお金を補給し忘れていたのだ。口座の中身が空になっていることに親が気が付かず、三ヶ月が過ぎて回線を止められた。ただそれだけのことだった。

 ネット回線がとまればハデスサーバへの接続もできなくなる。利用者はそこそこいるので、接続できなくなって首をかしげている人はそこそこいるだろう。とりあえず。携帯で連絡可能な場所へは連絡する。が、オンボロ携帯ではなかなか掲示板の中身を読むことができない。もどかしいものだ。まあ、熱とができなくなったことについてはそんなに気にはしていないが、小説の感想は聞きたいなー。まあ、仕方ない。復旧するのをまとう。サーバも止めておこう。利用していないのに起動しておくのもつまらん。