二月二〇日、木曜日の話
感動した! プロジェクターに感動した!

 本日は企業面なわけですが、その内容が「(僕の)ウェブページのプレゼンをやってくれ」というものだった。

[◆]真面目か不真面目か?

 少し前に祖母にあったときに、「面接では“自分が真面目である”ことを売り込みなさい」と助言をもらったことがあった。まあ、不真面目な人間を雇ってくれる企業といったら、いろいろと大変そうなところばかりであろう(不真面目なのに、より濃い世界に足を突っ込みそうだ)。それはいいのだが、残念ながら、僕の場合は「真面目」を売り込むことはできない。まさしく墓穴。

 というのは、簡単な話で、「去年の四月ごろ、何で就職活動してなかったの?」と聞かれてしまえば、世間様で言うところの真面目は通らないだろうと推測されるからだ。今のご時勢、就職を見据えて活動をしている人とそうでない人の二分化が始まっている。企業側がどう考えているのかは僕にはさっぱり分からないのだが、雰囲気から察するに「四月から就職活動なんて当たり前」という空気が漂っている。ここを突かれると僕としてはどうしようもない。企業側の秤に身を委ねるしかないのである。「必修の講義の単位を落とさないように専念していました」と言っても、「いやぁ、そのあたりは普通、ちゃんと考えて単位を取るものでしょう?」と返答される。残念ながら、僕は普通の人間ではないらしい。いや分かってたけれど。分かっているのが始末に終えないところだな、世間の立場に立ってみれば。

 まさか、「ただ自分がやりたいように講義を受けた」だけで突かれることになるとは。自分の興味のままに動く人間というのは、多くの企業とそりが合わないのかもしれない。歯車が欲しいということなのだろうか。ま、効率の面から見て、歯車のほうが良さそうではあるが。

 まさしく世の中は荒波……じゃないな。これは荒波じゃない。僕的に言い換えるならば、まるで模りプレス機である。歩いてきた人間をプレス機で押し固め、型にはまった人間を生産する……。まあ、荒波に揉まれるというのは人間を一定の形に削ることなので、最終的な意味は同じなのだろうけれども。

 型にはまりそうにない人間はどうしたらいいんだろう。今の社会はそこを考えていない。やろうとしてきた、もしくはしているのは、型にはまらなかった人間を再び型に通そうとする行為のように見える。どうしようもない人間はニートやフリーター、無職になる。僕が生きてきた分で考えてみるに、今の社会の姿というのは非常に自然な形ではないかと思う。つまりは、崩壊へ一直線であるが。

 何か手はあるだろう。今までのやり方では通じないと思うけれども。

 さて、話が脱線したのであるが企業面接である。二時間の間を見ていったら、一時間近く前についてしまった。開始は午後一時半から。一時に会社に入るといいだろう。

[◆]プロジェクターに感動!

 近くのカレー店でカレーを食べて昼食を取り、よく口元をぬぐって企業へ。本日は僕のウェブページのプレゼンテーションをやってくれということになっている。おおよそ、四つに分類されるサイトがあるが、それらを簡単に説明すればいいだろう。待合室に通されてしばらくすると、すでに三回目になる社長と秘書の方、そして二回目になる補佐の二人の方。

 机にはお茶のほか、資料、そしてプロジェクターがある。壁に画面を映すアレである。実は、この存在に気が付いた時から期待しまくりで、「とうとう、僕のサイトが大画面に!!?」と、サイトを作ってから四年、冥利に尽きるというものであると考えていた。

 その後、しばらくはその場の四人の人から質問を受けました。「去年の四月ごろ、何で就職活動してなかったの?」と聞かれました。こういうのは、実際に働いている人から見れば、いい加減に映るものなんだろうと思う。いい加減に生きてきた過去はどうしようもなく、マイナスポイントしてこの先はしばらく付きまとい続けるであろう。

 しばらくはマイナスポイントを突く質問が続けられ(しかしながら、企業側からして見れば採用するかしないかを秤にかけるに足る情報だろう)、しばらく後に新しい人が呼ばれたて来た。技術を持った人たちらしい。彼らが持ってきたノートパソコンは無線LANの付いたマッキントッシュである。いやはや、マッキントッシュに触れるという特典がついてくるとは、ありがたい限りである。

 まずはアドレスを直打ちしてサーバのトップへ。こんな時に限り、サーバが止まってたり故障したらどうしよう、という危惧は回避された。サーバのトップページからまずは僕の個人ページに入り、コンテンツの紹介。技術を持っているらしい人たちからはサーバの構成などについて聞かれ、答えた。技術を持つ人たちは僕がどれほどプログラム言語を扱えるか、というところを見たいらしかった。<何もできません。/span>

 HTMLについて聞いているんだから、ソースを見せるべきか悩んだのであるが、すでにこのパソコンには僕のサーバへのアドレスが履歴として残っている。後でゆっくり見るほうがいいだろうとは思うが、今思えば一声聞くべきだったなぁ。

 日記を通り過ぎて小説、資料室に入り少し中身を見せて、僕のイラストを見てもらう羽目に。三年も前のイラストなんでへたくそなんであるが、しかもあれだ、「舞」と「戦いに向けて」である。誰でも見られるようにリンクしてあるんだから、見られても何の問題ものないのだが、まさかプロジェクターで拝める日がこようとは。もっと絵を描いておけばよかった。

 次にネットラジオについて。簡単に説明したあとにラグナロク・オンラインについて少々説明した。企業様相手にオンラインゲームの説明をする日が来ようとは、笑いが止まりません。まあとりあえず、現実で問題になった RMT や BOT について少し。お金の流れには興味を見せてくれたようである。

 その後は移動してサーバトップにおいてスペックを見せたり状態を見せたり。公共空間のほうでは TDoS の宣伝をしたり涼宮ハルヒのアスキーアートを見てもらったり。マッキントッシュでフォントが合わず、崩れてほとんど見れなかったのであるが。

 僕が個人の趣味でやっていることだから、オタク趣味と言われようともそれは別に構わない。好きでやっていることで、また風評についても知っている。ま、どうしようもない。

 その後はブログのインストール方法や掲示板の運用方法などについて。自分でプログラムできるのかどうかに焦点を絞っていた感じだが、残念ながら組めない。HTMLもプログラム言語とはいえないものだし、技術面からは大きく溝を開けられていると考える。これは仕方ない。

 何もかも趣味で生きてきたからな。それが全てであり、動かない真実である。

[◆]説明が終わり、風邪を引く

 説明が終わり、すぐに帰路についた。今回の雰囲気は五分五分というところか。これでも甘めの最低である。やはり、企業様の考えているところは分からない、ということなのだろう。少なくとも、向こうは五人以上の人間で相談するわけで、僕の想像できることではない。

 家まで一時間の道のりを帰り、家について着替えたあと、犬が散らかしたごみくずを掃除して「突然映らなくなった」というテレビを部屋の隅から引き出し、後ろを掃除してコード類を点検。中継器の電源がオフになっていただけだった。ボタン一つですぐに映るようになった。

 その後はしばらく、気楽にメタルギアソリッド3をプレイしていたのであるが、午後七時ごろから体調がおかしくなり、 調べてみたら発熱していた。38.1度だそうだ。すぐに寝込む。

 企業面接の後になってから風邪を引いて、本当に助かった。危なかったー。





 その夜はとにかく寒かった。早めに寝たものの、寒さのせいで眠れない。布団五枚分を体に密着させて、ようやく温まる程度。カイロを仕込めばよかった。寒い……。