十一月 四日、土曜日の話
川原にて

 久しぶりに心地よくも長い一日でした。

[◆]学園祭なんて飾りです

 木曜日にイチノイカズイ殿から「バッカーノ! っていうライトノベルを貸してほしい」というメールが来ました。その後の相談で受け渡しを本日土曜日の大学で行うことにしました。大学は学園祭の真っ最中であり、講義などはありません。学園祭……そんなもんもあったなぁ。四回生になり、受ける講義もなくなって履修登録日すら忘れていた僕にとっては、大学の行事なんてもはや考える必要もありません。まさしく、僕にとって今や大学とは卒論のためだけにあるようなものです。……卒論、進んでないなぁ。

 さて、大学にてイチノイカズイ殿と会い、早速受け渡しをしました。「バッカーノ!」は最近のライトノベルの中ではかなり面白い部類に入ります。萌えの追求も微塵もしてないことから僕好みです。ちなみに、このライトノベルは僕としては「作者買い」と言えます。これの作者の小説なら全部買いですね。

 大学の広場のほうでは学生たちが食べ物を売り、また買っては食べていました。なんともはや、うちの大学は食べ物を売り買いすることしか楽しみがないのでお金は必要です。僕はこれで三回目の学園祭になりますが、食べることしか本当にやることないんだものねー。とはいえ、今年はイチノイカズイ殿がいるのでノープログレム。学園祭なんてただの飾りです。

 一応、学園祭の文科系部活動の出し物を見て回り(これがどこぞの雑誌……まあ雑誌の文を模造紙に書き写しただけだったので、これが活動と言われても困るのだが)、昼飯を食べに近くのハンバーグ屋へ。学園祭は食べることしか能がないのに外部に食べに行く僕ら。今年は落としてやる金はない。

 本日の目的はイチノイカズイ殿とひたすらまたーりした時間を過ごす事にあります。いやー、彼と飯を食べられることは非常に楽しみ。文化祭の出し物についていろいろとしゃべりました。まー、評価は当然のごとく低いものでした。

 食べ終わり、ゆっくりした後は近くの川の川原まで歩き、近くのコンビニでお菓子を買い込んで堤防のところでずっとおしゃべりをしていました。内容は他愛無いことばかりであり、特に重要な話があったわけではありません。その空間にいること自体が楽しかった。しかし、コーヒー牛乳を1リットルも買ったことはつらかったかも知れぬ……。

 家にいる時は日の沈む速度なんて気にも留めず、気がついたら外は真っ暗、と言うのが常です。しかし、川原でしゃべっている間は太陽の沈みが遅く感じられました。常に見ているし、家にいるようにパソコンに向かい続けているわけでもない……まれに見る心地よくも長い時間。この先、こうした時間を味わえることはどれぐらいあるでしょう。就職したら、こんなにもゆっくりした時間なんてないだろう。寂しいものです。

 あー、誰か五兆円ぐらいくれないかな。そうしたら一生仕事しなくても生きていけるだろうに。たぶん、強盗に入られて撲殺されてジ・エンド。いかに隠して生きるかが人生の命題になるだろうな。