十月 六日、金曜日の話
やってしまった勘違い

 貴重な一日を無駄にしてしまった気がする。

[◆]本日は説明会はありませんが……

 今日は午後一時半から大阪にて企業説明会。九時まで睡眠をとり、十時から履歴書を作成、十一時までは2ちゃんねるに立っていた美人コスプレイヤーの写真を集めてくるスレッドで、現場のコスプレイヤーの人を見てました。テトリスのブロックのコスプレとはなかなかやるのぅ。それはともかく、世の中、コスプレだろうが奇抜な格好だろうが、似合う人は似合うってことと、周りの嫌悪感をいとわずにコスプレをしてみたい人間の欲望があることを知りました。ふとってよーが不細工だろうが、やりたい人はやりたいんだよね。まあ、僕は美人さんのコスプレイヤーの写真しか保存しませんが。

 と、いうわけで時間を食いつぶし、いざ説明会へ。移動中はたまった新書の中の一冊を読むことにします。本を読まないと面接時につつかれるんですよね。ライトノベルを読んでますと言うのも言ってて悲しいですし。ライトノベルは本ではあるが、知識量の豊かさにはあまり関係ないしなぁ。娯楽だしね。

 さて、いつものごとく受付開始の三〇分前に到着。まずは企業の位置を確認、その後に周りの環境を確かめる。飯屋は多そう。コンビニも多い。しかもこの会社、わりと大阪の日本橋に近い。説明会が終わったら日本橋の同人誌ショップ、虎の穴にでも行くかなぁ。欲しい音楽CDとかあるのだが。

 そして一時。受付開始時刻。昼飯を食べ終えた社員の人たちが玄関に吸い込まれていくのを見届けた後、突撃。この会社も情報サービス業だけあってセキュリティーがしっかりしており、玄関のインターフォンで内部の人に連絡を取らねばならない。

 受付を呼び出した。悲劇はそこで起きた。

「○○大学から来ました誰それと言います。本日の企業説明会に参加させていただきたいのですが」

「エッ、説明会? ……本日はありませんが……

「!?」

 あれ? 今日、家を出るときにも確認したはず……え?

 とりあえず、受付にまで通されて企業説明会について聞きました。どうやら、今日は本当に説明会がないらしい。う〜ん。どうしようもない。受付の人には次の火曜日の説明会に予約を入れてもらいました。うーん、これではただの押しかけではないか。迷惑この上ない。まあね受付とはそういう面倒ごとを引き受ける役なのではあるが。

 僕が受ける説明会は次の火曜日、一〇日と確認され、僕は謝りながら企業を出ました。うーん。

 今すぐに予約した日を確認したいところではあるが、手持ちの携帯では毎日就職ナビゲーションのページにアクセスできない。ネットカフェにいく手もあるが……一番怖いのは、企業名を間違えていた、という場合である。本当は別のところの企業の説明会を予約してて、もしかしたらすっぽかしかねない状況にあるのではないか。

 ……どうしようもないな。あきらめて虎の穴に行こう。その前に昼飯を食べてもいいんだけれど、一昨日に飲んだ眠気覚ましない服役の影響で未だに食欲不振中。食べなくていいか。そして歩き出したときに、ふと、そういえばスケジュール帳に予約日を書き込んだことを思い出し、ぱらっと見てみました。……。

 予約したのは一〇日でした。_| ̄|○

 ほんっとうにただの押しかけでした。今頃、予約確認画面企業の人が呆れてるか苦笑しているかでしょう。僕は苦笑する。

 この情けない状況を友達にメールで報告したりしつつ、一路虎の穴に向かいました。やれやれ……。

[◆]同人誌に見る世界観の破壊について

 同人誌ショップといえば、僕の場合は虎の穴とメロンブックスである。この二つは日本各地にいる同人誌製作者から同人誌を預かり、委託販売している有名な店だ。大阪の日本橋は電電通りとしてはまあまあ有名、その中にいわゆるオタク向けとして虎の穴やメロンブックスのような同人ショップ、そしてメイド喫茶がある。今思えば、オタク的な店って同人ショップとメイド喫茶しかないのかな? 大した事ないなぁ。

 それはそうと、今は特にパソコンや電化製品に対して購入予定はないのでまっすぐ虎の穴へ。大阪日本橋店は一階はフィギュア店、二回は一般向け漫画、ライトノベル、フィギュア店、三階は同人誌委託販売店となっている。三階に進むとそこは日本中の妄想の一部が集まった空気がある。

 そんな中で僕はスーツ姿なわけで、浮くだろうなーと思っていたら意外とスーツ姿の人もいる。まあ、服装を気にするような人たちではあるまい。ここにいる連中は。

 まずは音楽CDコーナーに行ってCDをチェック。100%東方カーニバルが欲しかったのだが、ないようだ。同人販売物は本当に時の産物で、なくなったらそれでおしまいのものが非常に多い。理由は簡単で印刷やプレス時になるべくたくさん一気に作った方が単価が安くなるためだ。一枚ずつ作っていたら赤字になる。だから、たくさん作ってそれを売り払い、もう再出荷はしない。これが同人の売り方である。

 で、音楽CDをチェックした後にゲームをチェック。涼宮ハルヒの逆転は面白いらしいという話だが、買ってみるべきかどうか。値段は千五百円。同人ゲームとしては、標準的な値段と言えるだろう。同人ゲームは安いのもポイントだなぁ。とはいえ、すでに音楽CD三枚で三千円は使うことは確定しているわけだが。

 ひとまずその辺は考えることにして、次は同人誌一般向けへ。「にょろーん☆ちゅるやさん」があればいいなーと思いつつ、調べてみたらなかった。やはり人気の本はなかなか……。そのほか、電車でDや涼宮ハルヒの憂鬱と北斗の拳を混ぜた同人誌とか面白そうで買ってみたかったのだが、やめておいた。北斗の拳はほとんど読んでないんだもんなー。

 さて、次に目に入るのはどうしても成年向け同人誌である。エロ本に群がる男たちを見れば、大抵の人は嫌悪感を感じるのではないかと思うが僕はすでに慣れてしまった。最初は頭痛とめまいと吐き気を感じていたのになぁ。慣れは怖いものである。まあ、今としてはこればかりがオタクのすべてではないと理解しているからか。エロ本にしろ、何か表現したかったんだよなぁ、描いてる人は。

 ただし。僕は基本的に18禁同人誌は好きではない。エロだから、というのではなく、オリジナルとなる漫画や小説の中身を吟味した場合、まずありえないシチュエーションばかりだからだ。ありえるシチュエーションと言ったら、そのほとんどが一般向けの子供でも読める同人誌に限られる。だってさ、涼宮ハルヒのキャラで平気で裸になれるキャラがいるかよ。世界観壊しまくりである。ハルヒはそんなに頭の弱い子じゃないぞ! まあ、仮想のキャラに何言っても仕方ないのかもしれないが。

 18禁に結びつけるのが苦しい作品を18禁にしているものだから、ほとんど笑えない。僕の性格なのかもしれないが、基本的にギャグは欲しい。笑ってハッピーエンドが望ましい。でも18禁はまずないしなぁ。性欲を満たすだけならば、これでもいいのだろうが……。

 で、結局スーツ姿で虎の穴三階に一時間半いました。ゲームのプロモを見たり、どの音楽CDを買うか悩んだり等。ゲームは悩んだなー。結局は音楽CDを三つ買いました。東方シリーズの二つとラグナロクバトルオフライン追加音楽CD。まあ、土日に楽しませてもらいます。

 もう時刻は四時。企業説明会にも行かず虎の穴とはいい身分です。家族には話せないなぁ。日記には書くけれども。