九月二二日、金曜日の話
僕が職場に求めているものとは

 仕事に、じゃなくて職場に、というのがタチの悪いところです。

[◆]職場は教育の場ではない

 本日の午後四時にとあるソフトウェア企業の採用最終面接に行ってきました。ここではやはり、突っ込まれるところを突っ込まれるわけで、自分がどの分野でならばやって行けるのかがよく分かります。「で、あんたはうちの会社で役に立つの、立たないの」という殺伐とした能力主義の匂いが漂う。やっぱ即戦力求めてんじゃねーか。

 と、いうのはさておき、やはりそのあたりは会社の規模によるみたいです。従業員が百人もいないところとなれば新人を鍛えるだけの力がないようで、すでに技術を持った能力のある人から取っていくようです。ソフトウェアの分野に就きたいんですけれどねー。

 で、今回の面接で自分がコンピューター系企業に固執する理由というのが分かってきました。早い話が開発に携わってその技術を覚え、自分で好き勝手にソフトウェアなりゲームなり作りたいんです。サーバの強化のためにもそういう知識が拾えるところに行きたい。つまりは、仕事を自分の私利私欲のために利用しようというわけです。欲しい知識をもらい、自分のために利用する。もちろん、本から拾った知識だけでは足りないから実践できる場が欲しい。それが職場であり仕事になるわけです。イッツ・マイペース。

「あなたは開発系を志望しておられますが、場合によっては営業や企画の部署にまわされることもあります。その場合でも就職を希望されますか?」
「僕に開発の能力がないと判断されるならばそれも仕方ないと思います」
「いや、能力がないと判断されると言いますか、この前の面接を覚えていますか? 四人でやった」
「はい」
「あそこで、専門学校に言っている人と大学で情報の勉強をしている人がいたでしょう。彼らと比べればあなたはまったく能力がないわけでしょう?」
「はい、そうです」

 所詮は僕はコンピューター系の学部に入ってはいないから、それに関する知識はほとんどない。プログラム言語……覚えたいけれど覚えられないのはやはり怠け癖がついているせいか……。あーくそ、何で自分はこんなに頭が悪いんだろう。すらすらと本が読めてやりたいことをすばやくやって、時間を無駄にせず遊びつくす……そういうことができたら良かったのに。実際には一時間もかけて日記を書き、午前二時まで起きていた挙句に朝、起きるのは十時とか。気がつけば時計は午後四時を指し、一日は終わりかけている。やらなきゃならないことなんかほとんど出来ていやしない。

 さて、就職活動のほうであるが、今回の企業でだめだったら別の職種への就職活動をしようと思う。もう散々“仕事で使える”コンピューターに関する能力がないということは突っ込まれたし、別の職種のほうが実はあっていたりするかもしれない。コンピューター系の知識は全部趣味の範囲で抑えるか……暇なときに専門学校にでも行くといいかもしれない。そんな暇があればいいのだが。

 まあ……実際のところ、最終面接は面白かった。「鋭い斬り込みだな」と思う質問をしてくるあたりは流石というか。やっぱ年配の人は違うね。ビジネスの世界で生きているとああなるのだろう。面白い。それはいいのだが、

「あなたは別の企業はどんな業種のところを回りましたか?」
「……業種は情報サービス業だけです。ここで三社目なもので」

 この質問でこの企業には採用されないな、と言うことがはっきりと感じ取れました。自分に合っているか合っていないかを確認できていない人間は早々に辞める心配がある。そんな不安定要素を持った人間を雇いたくはなかろう。

 やっぱ日常的にコンピューターに触れているじゃ駄目だなー。ある程度のトラブルに慣れているだけで、ビジネスの世界じゃ役に立たんわ。まぁ、そんなこと言いはじめたら僕はビジネスで役に立つ能力なんかほとんど持ってないけれど。上司のゴマを擦ることができますとか言ったって仕方なかろう。

 能力ねぇ……。