七月一五日、土曜日の話
祇園祭

 今年も一人で祇園祭。

[◆]午後九時からの出発

 本当は午後六時から家を出て祭りにいこうと考えていたんです。しかし、外は残念ながらの土砂降り。祭りに行っている人とかかなり大変そうです。で、このときに僕のほうでも音楽をネット配信していたこともあり、七時出発に予定を変更しました。しかしも七時になっても雨はやまず、八時になって止んだと思ったら夕食に呼び出されて親に祇園祭に行くと行ったら「こんな時間にか!」と一応の反対を受けました。祭りをしている地域付近で生まれ育った母は「夜の祇園祭は危ない。裏通りでは何があるか分からないし、やくざさんだって幅を利かせてるのよ!」とおっしゃります。裏通りでも屋台が出ていて人通りは多いし、やくざさんが幅を利かせているのは夜店だけで、むしろ夜店に客が来なくなるようなことは普通はしません。収入源が減るわけですから。

 やくざは暴力団ですが、利害関係は把握しています。手当たり次第に暴力を撒き散らしていたら、長生きは出来ません。

 さて、九時ごろになって家を出ました。鞄の中にはデジカメが。祇園祭の写真を撮り、よく顔を出している掲示板の皆さんに見てもらうことが目的です。京都外に住んでいる人が多く、祇園祭がどんな祭りかわからないという人が多かったので、多少知識の足しになれば。

鉾

 さて、祇園祭といえばこれ。鉾(ほこ)です。祇園祭を代表するもので、十七日の月曜日にはこれが大勢の人に引っ張られて街中を巡行します。これには人が乗れるようになっており、始終浴衣を着た男の人達が祭囃子(まつりばやし)を演奏しています。その昔は京都の町中の悪霊をこのにぎやかな祭囃子でおびき寄せ、街の外へと連れ出していたという事です。用が済んだ鉾は鴨川に捨てられたとのこと。もちろん今ではそこまではしませんが、街中をめぐるのはそういう経緯の名残のようです。

 祭りの様子を写真に収めようと人ごみの写真を取ったのですが、フラッシュを炊いたのがいけなかったらしい。ブレにぼけてあまり見れたものじゃありません。まあ、肖像権は気にしなくていいかもしれない。'`,、(´∀`*) '`,、

 ぶれた人ごみ

 さて、気になるのは祭りの表のことだけではありません。暗部も見ていくとおもしろい。たとえばこちら。

ごみ

 屋台があればそこには自然とごみ問題が発生します。祇園祭に備えて専用のゴミ箱が各所に配置されていますが、どこもかしこもすでに溢れかえっています。すでに時刻は九時を回り、一番人が多い七時〜八時を過ぎた後としてはこんなものでしょう。しかし、まだこれはゴミ箱周辺にごみが集まっているだけマシです。

 さて、ここで一人で楽しむのに飽きてきたので、よく顔を出す掲示板に携帯からアクセスし、そこにいた人にどんなものを買えばいいか指示してくれるよう頼みました。ニュース速報VIPでよくある安価スレの劣化版といえるかもしれません(安価とはリンクアンカーのこと。リンクアンカー先で指示された行動にスレッドを立てた人が従うというもの)。

 で、すぐにもらえた指示は「かき氷シロップなし」「ミルク、ストレートで」。とりあえず、近場のかき氷屋に行き、「かき氷一つ、シロップなしで」と頼む。変な顔を一瞬されたものの、すぐに出してくれました(三百円)。それを食べるとまさしく水であり、冷たく、独り身が身に染みます。

シロップなしかき氷

 で、このことを報告すると「あせるな! それにラムネをかけるんだ!」とのこと。と、いうわけでラムネを探すために再び探索開始。うーん、飲料屋台ではなかなかラムネどころかミルクも売ってないですねぇ……。さらに新しい指示で「スーパーボール」というのもありましたが、とりあえず先にラムネ探しです。

 と、ラムネを探している間にかき氷が溶けてしまいました。無念……。で、さらに歩いていくとラムネ専門屋台発見! 早速ラムネを購入し(二百円)、すぐそばのかき氷屋にて新しいかき氷を入手。

僕 :「かき氷、シロップなしでお願いします」
店主:「え、は? シロップなくていいの?」
僕 :「……ちょっと事情がありまして」
店主:「事情があるなら仕方ない。四百円ね」
僕 :「(高っ!)」

 と、いうわけで四百円の「昔ながらのかき氷」を購入。昔ながらに四角い氷から手動で削りだすタイプで、僕がおいしいと思われるカキ氷です。これに今からラムネをかけるべく、ゆっくりできる場所を探しました。明かりのついている駐車場がよさそうです。

 ラムネとかき氷

 時は満ちた……れっつラムネ!

 さて、このときの僕の最大の失敗は、ラムネがシロップではなく歴史ある炭酸飲料だということを失念していたことでしょうか。かけていくとそのうちにしゅわーという音がして気が付けば溢れていました。えらいこっちゃ。しかも、あわてて持ち上げようとしたものだから 二 次 災 害 発 生 。

 二次災害

 もったいない……。で、残ったかき氷を食べていたわけですが、シロップではないラムネではかかり方がいまひとつらしく、微妙な状態。掲示板でかかれていたとおり、溶かして飲むのがいいかもしれない。しかし、このカップでは難しいな。

 さて、ラムネかき氷の指示をコンプリートしたところでスーパーボールすくいでもやろうと散策再開。と、しばらくして手が異様に軽いことに気が付きました。……ない。

 傘 が な い 。

 どこかに置き忘れた? すぐにUターンをしてきた道を引き返しました。と、そこにスナイパーが狙ったように土砂降りの通り雨が来ました。鉾の横で雨宿りです。京都の街並みといえば、ひさしが出ている家が多いので雨宿りできる場所は意外と多い。京都の歴史に感謝しつつ、どこから持っていなかったのかを考えてみる。一番怪しいのはラムネかき氷の駐車場かな……。

 とりあえず通り雨が通り過ぎ次第、来た道を戻りました。駐車場に傘はなし。かき氷屋になし。とりあえず、たこ焼き屋でたこ焼きを購入。後は金魚すくいもやりたいところですが、流石に傘が先か。今回は金魚すくいに行かなかったシークエンスだと思っていただきたい。何を言っているかわからない人は今すぐ本屋に行ってライトノベルの「涼宮ハルヒの暴走」という本を買ってきて「エンドレスエイト」を読むこと。アニメでも可。

 さらに戻っていって雨に降られつつ歩行者天国が終了し、車通りが増え、警官隊が撤収してるさなかを最初にシロップなしかき氷の写真を撮った場所に戻ってくると、ようやくマイ傘を発見しました。これで雨が来ても大丈夫♪



 ……甘かった。

 僕の晴れやかな気持ちを挑戦と受け止めたのか、やたらと強い雨と横風が荒れ狂いました。傘をさしていてもきつい。ある程度移動できるとは言え、あまり歩き回ると濡れてしまいます。

 しばらく雨宿りできるところで雨宿りをし、雨足が弱ったところでお面屋から光の国の銀色宇宙人のお面を購入。さらにりんご飴屋からりんご飴を二つ購入。これでキョン君に勝ったぜ!'`,、(´∀`*) '`,、

 さて、大方買い物が終わったところで帰ることにしました。時間が時間であり、電車の本数が少なくなり始めている時間です。頭にはウルトラマンのお面を引っ掛けて歩き回りました。長門さんのように引っ掛けて歩いてみたの〜♪ まあ、結構難しいんですけれどね、常人には。鏡を見て形を整え、ゴムひもを髪で隠さないと不恰好になります。

 通りのごみ

 ここでまたごみレポートです。道端に捨てられたごみは水を吸ってずいぶんと汚らしさ倍増しております。これを掃除するのは税金で雇われた人だろうから、なんという税金の無駄遣いをしていることになるのだろうか。まあ、どうせ若い連中だろうけれども、なんともあほらしいノーマナーぶりのようで。

 排水溝に集まったごみ

 祭りに来た人には、こうした現状を見えてない人も多いことだろうと思う。祭りが終わればそこには汚い街並みが残るだけです。祭りで遊ぶだけ遊んで後始末もせずに帰るというのは人間性が問われる事です。まあ、こんな事言っても無駄なんでしょうけれどね。言葉で言うよりは実際に罰を与えたほうがいい事柄かもしれません。これは。

 零時前になって地元にたどり着き、コンビニにて祇園祭で買えなかったミルクを購入。日付が変わった頃に家に帰り、掲示板をパソコンで見ながらとりあえず、買って来たものを写真に収めました。

 戦利品

 りんご飴は一つ、妹にあげることにします。もう一つは僕が食べます。さーて、牛乳飲んで寝ます。

 まともなかき氷食べてないぃぃぃぃ'`,、(´∀`*) '`,、