五月一八日、木曜日の話
すでに後がない 〜卒論〜

 ゼミの卒業論文、どうやらサボりすぎたようで。

[◆]未だに先行研究を読んでいない

 大学を卒業するときにはゼミナールにおいて卒業論文を書くというのがセオリーになっており、僕も卒業論文、略して卒論を書かなければならない立場になっています。これを書かないと卒業できないわけで。

 本日もゼミにおいて卒論の話がありましたが、どうやら僕らの学年はかなり遅れている方らしい。卒業論文のための資料集めなどをしていなかったり(僕が)、まだまともに研究計画書すらも書けていなかったりします(僕が)。

 そういうわけで、「それじゃー駄目だろー」と先生から至極もっともなことを言われまして、僕もまずいなと思っていたこともあって自分がかなり崖っぷちにいると感じました。来週までには先行研究の資料を読み、研究計画書は完成させていなければなりません。そこに加えて就職活動か……出版系に一社応募していますが、それに落ちたらIT系かシステムエンジニアの会社の就活を始めると思います。コンピューター関係しか能がないですからね、僕は。頭を使う職しか……。

 楽しく明るい職場なんていう夢は捨てて、とにかく働くことを考えた方がいいような気がしています。もはや、娯楽も何もないような、そういう気がしますね。モラトリアム(自立猶予)は終わった……。

 と、いうわけで先生が講義に出ておられる間に先生の研究室で、自分の卒業論文に役立つ論文を片っ端から探していたのですが、目の前では僕と同じゼミの学生四人が談話中。けたたましくお互いを笑わせあいながらしゃべってました。きっとストレス発散なんでしょうね。

 最初は就職活動の話をしていて、次に結婚の話を始めて、それぞれの恋愛状況を披露し、最近の女の子の髪形の好みについてしゃべってました。その間一時間、僕は何とか四つの研究を見つけてコピーのために退室。彼らのようにしゃべることは出来ないなぁと思いながらコピーに勤しんでいました。彼らのように経験も情報も笑わせる技量もない。

 が、しかし気になることがあるんですよね。彼らの話を聞いていると、彼らが笑うタイミングというのが誰かをけなしているときである事が多い。「結婚は28でする」「いや、君が結婚できたらそれは奇跡だから」「あっはっはっ」である。人、しかも女の子に対して結婚の望みは薄いなんて失礼にもほどがあると思うのだが、彼らはそれで笑えるのである。僕は参加できない。笑えないから参加できない。

 最近、「他人を見下す若者たち」という本を読んだが、この場の状況はこの本に書かれていたことそのままだなーと思う。他人を見下すときにしか笑えない感性。ブラックユーモアにしてもいささか馬鹿にしすぎなのではないかと思うが……。