四月三〇日、日曜日の話
妹が髪の毛を染める

 うわああああああああ!!!

[◆]ふざけんな!!

 それは夜、僕が居間でFF12で遊んでいたときのことでした。妹がやたらと刺激臭のする粘性のある液体を混ぜていました。最初は何かの薬だろうと思っていたんです。それで、何気に聞いたんですよ。

「それ、なにするやつ?」
「髪を染めるやつ」

 ……。

 うわあああああああああ!!!

「何晒しとんねんワレ!!」というように詰め掛けるような真似はせず、ああ、とうとう僕の妹もそっちに足突っ込んだのか……とえも言われぬ虚脱感に襲われていました。その後に持ち直して、

「な、何色に染めるやつ?」
「茶髪」

 最悪だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

 おいおい、毎日茶髪の髪を家の中で見なきゃならないわけ? ……ああしかし、別に妹に関して何か指図できるわけでもない。髪の毛を染めたいなら染めたいで、本人の意思を尊重してあげた方がいいでしょう。ちゃんと染まるといいねぇ。ちなみに脱色系ということで、髪を洗えば黒くなると言うものではないらしい。

「お兄ちゃんも染めれば?」

「ふざけんなああああ!!!」

 僕が男女関係なしの 黒 髪 至 高 主 義 だということを知っての発言でしょうか。もしも知っての発言なら本気で怒ってもいいと思うんですがどうでしょう。毛染めなんて気持ち悪いもの、絶対にしたくありません。日本人の行なう不自然な茶髪や金髪は嫌いだと何回も話しているはずですがね……(地毛の場合はまったく問題ない)。

 ちなみに、僕が黒髪至高主義であることを宣言する前に母が「お兄ちゃんは就活があるから染めてはいけないでしょ」と、本気でどうでもいい理由で勝手に納得してやがります。就活なんか関係なく、日本人は自然な黒髪。毛染めなんか白髪が嫌な人が黒く染めるのだけでいいよ。

 妹の髪の色が抜け落ちるまで、一晩かかるそうな。明日の朝には家の中で見たくなかったものを見る羽目になると思うと暗鬱です。

 はぁ……。