三月二九日、水曜日の話
毛虫の話

 先日、洋服ダンスの中から出てきた毛虫は元気です。

[◆]毛虫観察中

 僕は毛虫の生態に詳しいわけではない。今手元にある情報と言えば、「おそらくこの毛虫は蛾の幼虫」、「洋服ダンスで衣服に穴を開けていた」という程度。現在は瓶の中で布の切れ端、そして木の葉を入れて観察して見ています。

 この幼虫、さすがというべきか、ほとんど動かないのに気がついたらかなり離れた場所に移動して固まっていたりと、敵(主に鳥)から身を守る術を身に付けています。人間の目からは一目瞭然ですが、鳥から見ればすぐには分からないかもしれません。むう、毛虫が、もはや次元の違う生き物であるはずの鳥の目を欺く術をどのようにして手に入れたのか、その進化の過程を想像して見ると、まさしく壮大なスケールの話になるように思います。きっと、数撃てば当たるの精神で、様々な方向に進化していき、見事敵の目を欺けた者だけが生き残ってきたんでしょうね。

 で、ここ二日ほど観察していてほっとした事が一つ。瓶の中に毛虫の糞を見つけたんですよ。糞と言えば消化廃棄物な訳で、つまり、毛虫の食料が確保されている証拠ということになります。よくみれば、一緒に入れた葉っぱがかなり食べられていますね。この葉が餌としてなり得るようです。これでひとまず安心でしょうか。しかし、あまり布の方が食べられていないな……直接の虫食いはこいつではないのかもしれません。

 基本的にこの毛虫は夜行性のようです。まあ、敵の目を凌ぎつつ、という生態を考えると当然の話で、昼間は見つかりにくい所で隠れて擬態しており、暗くなってから活動を開始して食事を始める……まあ、暗い所が好きということですね。なかなか面白い。

 問題としては、どこまで手を加えるか、ということです。今、毛虫を取り巻いている環境は完全に人工のものです。スペースも狭く、餌なども人間が与えないと得る事ができない。また、衛生上の問題として、糞などが溜まり過ぎるのも良くないでしょう。自然界ではその広い空間から、狭い空間内に糞が溜まる事はなく、また糞も土に還ります。しかし、瓶の中ではそういう生産者(葉っぱ)、消費者(毛虫)、分解者(毛虫の糞を土に還す細菌)の自然サイクルが成り立ちません。やっぱ、定期的に掃除した方がいいかなぁ。そのたびに毛虫君を動かさなきゃならなくなるわけで、これは毛虫君にとってはものすごいストレスだろうと思う。果たして、生き延びられるだろうか。どうなら、羽化する所まで見てみたいものです。

 さて……。

[◆]観葉植物急成長中

 毛虫君と似た感覚で育てている観葉植物が、ここの所、急成長しています。新しい葉が色々なところから伸び始め、今までにない元気ぶり。この理由は水にあると考えています。決してポーションの瓶から水をやっているのが理由とかいうわけじゃなくて。

 前までは水といったら一日ほど置いておいた水道水を上げていたんですよ。一日置くのはカルキを抜くためです。しかし、この度ポーションの瓶が手に入ったわけで、ただの水では面白くないと思い、僕がかなり前から愛用している医王石の水を上げています。医王石とは、大昔は海底だった場所が隆起してできた土地から算出されたミネラル分の塊であり、これを水の中に入れて置けば立派な鉱水ができるというわけです。味もなかなかおいしいのですが、家族からは人気がなく、飲んでいるのは僕だけなんですが。

 さて味はともかくミネラル分は多量に含まれているこの水、医王石に関する資料によれば大昔に天皇の病気を治したとか、しおれた畑を生き返らせたとかいうものが残っています。真偽はともかく、おおよそのミネラルが揃っているので摂取すれば良い影響が出る事はあるかなと。専門家じゃないので断言はしにくいですけれども。

 で、観葉植物にやってみたらいきなり元気になった。新しい葉も生えてきて上々です。うーむ、素晴らしい。

 もうしばらくは楽しめそうですね。