八月 九日、火曜日の話
友達は海へ、僕は会社で模様替え

 そう言えば先週、本日九日に海に行こうっていうお誘いがあったんですよね。

[◆]会社で場所移動のお手伝い

 企業実習ではデジカメとプリンターで作られたような社員証は与えられる物の、別にタイムカードに出勤、退勤の時刻を書き込まねばならないわけでもなく、またお金がもらえるわけでもなく、つまりは「働く」のではなく「手伝っている」というスタンスになります。まあ、「手伝いながら会社の事情を観察学習する」が目的ですけれど。

 で、本日の企業実習は配置換えのお手伝いです。僕ら企業実習生は総務部に入らせて頂いていますが、その総務部が三階から一階に引っ越すことになりまして。なにやら外からの来訪者を手早く迎えるための処置らしいです。……絶対、企業実習生という労働力がくることを見越して計画立ててたね。僕が社員側だったとしてもその方向で計画立てるね。

 最初はポーンと空いていたラウンジに机を運び込み、観葉植物を色々配置して体裁を整えます。ちなみに昨日、この場所にワックスがけをしました。さらに言えば、この場所のレイアウトは僕以外の企業実習生二人が先週の金曜日に半日かけて考えたものの、上司からの意向で一発没になったという歴史があったりします。

 新しく考えられたレイアウトに沿ってテーブルやら椅子やら扇風機やら照明器具やら観葉植物やらを動かし、次に整理するところにモップをかけ、三階からエレベータを使って一個づつ棚やら机やらを運び、昼ご飯を食べたら内線用電話線を整備したりパソコンを運んだり書類を運んだり。長年使ったせいか歪んでいる鉄製棚を綺麗に並べるのには時間がかかったなー。鉄製棚、それぞれの棚をねじでくっつけられるようになっているのですが、歪んでいるせいでねじが穴にしっかりはまらなくてさ……。

 で、パソコンは社内ネットワークにつなげないと何も作業出来ないらしいのでLANでつなぐわけですが、一階の壁際に取りつけられた七、八箇所の社内ネットワーク接続ソケットのうち、生きているのが三箇所だけとか、HUBの接続によるネットワークの構築の仕方に明るいのが総務部五人のうち一人だけと、僕だけとか厳しい状況の中でコードを蹴飛ばしながら歩き回ってました。ネットワーク構築って……LANでつなぐだけですけれど……。「このHUBに繋がってるコード、外してもいい?」とか聞かれても。パソコンは全部移動しちゃっててそのコード類の先には何も繋がっていないんですが……。

 そういうわけで、飲み物をおごってもらうこと三回のなかであわただしく作業ができるだけの環境を六時ちょっと過ぎて完成させました。電源コードとLANコードと内線コードが床をのた打ち回ってますけれど。まあ、何かコードを固定、まとめるようなものを使えば綺麗になると思います。いろいろとコードがこんがらがったりしましたけれど、その昔、従兄弟のうちでファミコン、スーパーファミコン、ゼカサターン、プレステ、ニンテンドー64、ドリームキャスト、それらの各コントローラーコード(大抵2プレイヤー分ある)、電源コード(全部似たようなもので判別が難しい)、テレビ接続用モニターコード(三本に別れてるやつ)、ヘッドフォンコードやら単なる紐(コードをまとめようとした努力の結晶らしい)やらがまとめてこんがらがっている地獄のような状況を打破してきた僕には赤子のようなものです。

 六時を過ぎ、実習報告書が移転の中でどこに行ったか分からなくなったというので今日は報告書を書かずに帰宅。明日もこの調子らしいです。
 ……まあ、模様替えや掃除は嫌いではありませんよ。

 で、汗水をたらしていたわけですが、そう言えば友達は今日、海に行っていたはずなんですよね。僕にも誘いが掛かりましたが、まあここに書いた通り企業実習のさなかで行けませんでした。ってか男だけで海に行ってどうする。ライトノベルで海水浴に行く話が載っていたりして海に行きたいなーとは思いましたが、よく考えるとライトノベルのそういう話に出てくる女の子はみんな主人公の友達やら同居人やら婚約者やら押しかけ女房だったり魂を取りに来た死神だったりするので、要するに「女の子は海で見つけるものではなく、連れて行くものである」という不文律が……って、僕は何を書いてるんだ。_| ̄|○

 九月に入ってから海は普通、ないよなぁ……。